ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

真田を進行役にするということ:映画『ヤマトという時代』

こんにちは。ymtetcです。

私は2018年にブログを始めました。ゆえに、それ以前から『宇宙戦艦ヤマト』のブログを運営しておられる「先輩」に比べると、まだまだ新参者です。そして、本日の記事を書くきっかけをくださった「鮫乗り」様も、私が尊敬する「先輩」のお一人です。

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休日:前回の記事「福井晴敏と『苛酷な時代』」について

こんにちは。ymtetcです。

今日はお休みです。

ymtetc.hatenablog.com

前回の記事が(作業時間も、文字数的にも)とても長かったので、今回はその記事を解説するような、簡単なお話をしたいと思います。

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福井晴敏と「苛酷な時代」:映画『ヤマトという時代』

2145 第二次世界大戦終結二百年祭

2164 第一次内惑星戦争勃発

2183 第二次内惑星戦争終結

2191 異星文明(ガミラス)と初接触・開戦

こんにちは。ymtetcです。今日は『宇宙戦艦ヤマト』(1974年)の放送開始日ですね。

先日公開したこちらの記事に、たくさんのコメントをいただきました。

ありがとうございます。

ymtetc.hatenablog.com

その中で一つ、ナミガワ様から「内惑星戦争をベトナム戦争の暗喩にすることも?」という旨のお話をしていただきました。今回はその可能性をごく簡単に検討することから始めて、映画『ヤマトという時代』にも無関係ではないであろう福井晴敏さんの時代観について、「90年代」に着目して考えます。

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『ヤマト2205』の前座として:映画『ヤマトという時代』

この記事を書く予定だった日の夕方、ホンダのF1撤退がニュースになりました。

実は、ymtetcの「etc」とは主にモータースポーツでした。ブログにわざわざ書くほどの知識はなかったので自然と書かなくなりましたが(笑)。今回はビッグニュースでしたので、ヤマトファンの皆さま向けに(?)一言触れておきたいと思います。

さて、ホンダが撤退するのはある程度仕方ないことではあるのですが、やはり、日本のファンからはかなり批判されているようです(Twitter等で検索をかけていただくと分かります)。今回の撤退ニュースをめぐって、ファンにとって特にホンダの印象を悪くしているのは、ホンダがこの数十年の間、復帰と撤退を繰り返していることだと思います。

なぜ、復帰と撤退を繰り返すことがマズいのか。それは一つに、F1から撤退した時点で、ホンダは「過去」の存在になってしまうからなんです。すなわち、撤退した時点でF1の「世界」の一員ではなくなってしまう。それを繰り返すことは、参戦中に積み上げてきたF1「世界」での市民権とノウハウを、撤退のたびにリセットしていることに等しいわけです。なんと勿体ない。

実はこれ、これからの『宇宙戦艦ヤマト』にも同じことが言えると思います。

リメイクシリーズはいつか、終わりがきます。それこそ『2199』⇒『2202』の衰退具合からして、『2205』が最後かもしれません。それ自体は仕方のないことかもしれません。

ですが、そこで『宇宙戦艦ヤマト』自体をこの「世界」から撤退させてしまってはいけません。その時点で、せっかく『復活篇』が口火を切り、『2199』が開花させ、『2202』『2205』と生き延びてきた「今」の『宇宙戦艦ヤマト』が、再び「過去」の存在になってしまうからです。そうなれば、再び『宇宙戦艦ヤマト』は「世界」における市民権(この場合、存在感とでもいいますか)を失い、いつかまた「復帰」しようとしても、それはゼロからのスタートになってしまいます。

これからの『宇宙戦艦ヤマト』は、リメイクシリーズの出口を模索しつつ、その先に新たな『宇宙戦艦ヤマト』を継続させていく具体的なイメージを考えておく必要がありますね。裏を返せば、ホンダ撤退のニュースは「継続」の難しさを改めて教えてくれたのかもしれません。

では、これとは全く関係のない(笑)、今日の記事へと進みましょう。

yamato2202.net

こんにちは。ymtetcです。

映画『ヤマトという時代』は『2202 愛の戦士たち』の総集編でありながら、「愛」をテーマにはしていません。

そんな『ヤマトという時代』に対し、福井さんは「最新作『2205 新たなる旅立ち』をご覧いただく前に」との言葉を寄せています。『ヤマトという時代』は、『2205 新たなる旅立ち』の前座映画である……ここから、色々な論点が生まれてきそうです。

  • 〇『2205』は「愛」をテーマにしない?
  • 〇やはり「人類の新たなる旅立ち」?
  • 〇『2205』のテーマは何であれ
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大切なのは「映画の立ち位置」:映画『ヤマトという時代』

こんにちは。ymtetcです。

映画『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』が描くのは「愛」ではなく「人類」「世界」の「歴史」であるらしい。前回の記事ではそんなことを書きました。

そこで、この観点から『ヤマトという時代』について、さらに考えてみたいと思います。

  • 〇『ヤマトという時代』キーワード(おさらい)
  • 〇『ヤマトという時代』は「歴史ドキュメンタリー」なのか
  • 〇「ドキュメンタリー映画」として
  • 〇大切なのは「映画の立ち位置」
  • 〇「人類」「社会」「世界」の歴史を描く映画として
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『2202』ダイジェストとの違い:映画『ヤマトという時代』

こんにちは。ymtetcです。

先日、ついに情報が解禁された『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの最新作(敢えてこう呼びます)、『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』。

yamato2202.net

今日は、こちらの公式によるイントロダクションを読み、本作『ヤマトという時代』のキーワードに着目しつつ、本作が「120分」(!)の枠組みで描くものについて考えます*1

  • 〇『ヤマトという時代』キーワード
  • 〇「これまでのダイジェスト」の壁を克服したい
  • 〇意図的に無視されている「愛」、強調される「歴史」
  • 〇「宇宙史」
  • 〇「世界史」のなかの「宇宙戦艦ヤマト史」
  • 〇「これまでのダイジェスト」との違いが独自性に
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