グレイトハーモニー。(大いなる和。)
これは『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』の主題歌です。
(↑めちゃくちゃ好きな動画)
「ヤマトとは、大いなる和」
これは『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』のセリフ。
ヤマト=大和=大いなる和
こんな発想から生まれたのが、これらの「大いなる和」推しなのでしょう。
さて、2199の設定を振り返ります。
宇宙戦艦ヤマトは、戦艦大和を改造したものではなくなりました。宇宙戦艦ヤマトと戦艦大和を繋いでいたものはプッツリと切れてしまったのです。
残ったのは空虚なものばかり。何故か名前がヤマト、アレは沈没戦艦大和ではなくただの偽装……。絵的な「夕日に眠るヤマト」の必要性と、設定考証という現実。妥協しなければならなかったことはよく分かります。
しかしそれは、結果的に『星巡る方舟』の主題歌をメタ的な歌へと変貌させてしまいました。
ここからは私の推測です。
福井さんは広島ローカル紙のインタビューでこのように話しておられたそうです。
「呉のある広島県はヤマトのモデル、戦艦大和のゆかりの地。『大いなる和』という名前から感じる因果を、今シリーズに取り入れてみたい」
因果を、取り入れる。
「大いなる和」という言葉は、2202では第14話、テレサに告げられて初めてシリーズに登場する用語です。
そもそも、2202のテレサは「宇宙の始まりから終わりまでを見通す存在」。
テレサが「戦艦大和」すらを見通していて不思議ではありません。
では「大いなる和」の原点が「大和」すなわち日本にあるとすれば、どうでしょうか。
あるいは「戦艦大和」を原点とすれば、どうでしょうか。
つまり、「大和」から「ヤマト」に至るまで、全てが「大いなる和」の縁によって結び付けられているという解釈が成り立つかもしれないのです。
『極東管区(日本)』『日本人だけ』『ヤマト計画』『宇宙戦艦ヤマト』『戦艦大和風の偽装』……。
これら全ては「大いなる和」がもたらす縁によって結び付けられていた。
全ては運命だった。
というわけです。
神のような存在=テレサが「大いなる和」としてヤマトを認識している。
「大いなる和」を中心とする縁が、滅びの方舟を止める。
「大いなる和」は、宇宙戦艦ヤマトのことだけを指すのではない。それは「大和」という言葉が生まれた時、あるいは「戦艦大和」と名付けられた時から、宿命付けられていたものである。
福井さんは、生半可なノリで「大いなる和」をテレサに語らせたのではないと思います。
きっと、シリーズ全体を見通して、深く考えられているはず。
そういう期待も込めて、今日はこんな妄想をしてみました。
2202副監督の小林誠さんは、2199で「ヤマト=大和」ではなくなったことを残念がっておられました。
理屈ではあり得ないとわかっていても、同じように残念に思っていた方もいらっしゃると思います。(もしかしたら、福井さんも……)