「新たな脅威が宇宙を席巻していた──」
これは『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』の一節です。
ここで、ふと気がついたことがあります。
危機に陥っているのは地球ではなく、宇宙なのだと。
初代ヤマトは、地球の危機。
新たなる旅立ちは、イスカンダルの危機。
ヤマトよ永遠には、地球の危機。
ヤマトⅢも、地球の危機。
完結編も、地球の危機。
『さらば』以外の作品群では、おおよそ地球と、その同盟関係にある国の危機がほとんどなのではないでしょうか。
すると、宇宙の危機を強調している『さらば』は、実はシリーズの中でも特別なのではないか? と思います。
「地球は宇宙の平和を守るリーダー」
アンドロメダ就役時の大統領の言葉が皮肉になる映画、それが『さらば』です。
そうすると、
「この愛は宇宙を壊す──」
と掲げる『2202』は、「愛」をテーマにしつつ、さらばの基本路線を継承していることになります。
また、これこそが初代『ヤマト』と『さらば』のギャップであり、『2199』と『2202』のギャップでもあった、と言えるかもしれませんね。