ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

【問題提起】『君の名は。』と『ヤマト2202』

こんにちは。

昨晩ディスコヤマトを聴いていた時にふと思い立って『君の名は。』サントラにも手を伸ばしました。

そこでふと考えたこと──といっても問題提起だけですが──をメモしておきたいと思います。

実は『ヤマト2202』関連トークで『君の名は。』に言及されたことがありまして、パッとその動画を紹介できないのですが……

私の記憶だと、こんな文脈でした。

◯「さらば」は今でいう「君の名は。」くらいのブームだった。

◯じゃあ「2202」も「君の名は。」くらい流行らせましょう……なんてね!☆

という。要は冗談です。

2199が作ってきた土台と、2202が切り開こうとする土地を考えると、どう上手く転んでも「君の名は。」(以下「君」)ほど流行りはしないでしょう。

 

さて、今日メモしておくのは以下のことです。

「君」で大きな鍵を握ったのが、「結び」と呼ばれる不思議な力でした。神社を舞台にし、組紐をキーアイテムとして、「結び」の力を物語の根底に置きました。

お察しでしょうか。これと対置させられるのでは?と私が考えるのが「縁の力」です。

「君」では、この「結び」など、全編を通じてファンタジックだという指摘もありまして、例えばこれとか、

君の名は。はSFでしょうか?ファンタジーでしょうか? - 自分はSFだとずっ... - Yahoo!知恵袋

これとか。

『君の名は。』米メディア“矛盾”を指摘しつつも「一流」と絶賛 | dmenu映画

特に、

SFファンの多い米国では科学的整合性へのこだわりが強い傾向があるものの、説明のつかないファンタジーが受け入れられないということもない。それでも、『君の名は。』のある意味、日本文化的なファンタジー(時空の超え方)は、少しアメリカ人に理解しにくい部分があるのかも知れない。

この部分ですね。

こういった指摘は2202を考える上でも重要でして、対置しようとした「縁の力」も、「科学的整合性」があるかと言われれば恐らくそうではありません。後々「人類最後の希望論」2202編でも繰り返すことになるでしょうが、「縁の力」とは、

続・ヤマト2202と銀河:④Ⅲ(3)から見えた「さらば」以降のヤマト像 - ymtetcのブログ

「さらば以降のヤマト」に特徴づけられる情緒的な特殊能力にあたります。

「結び」との違いとしては、感情、すなわち愛の介する「縁の力」と、それが介さない「結び」という点にあるでしょうか。「特殊能力」論から議論を起こせば、「結び」とはどちらかといえば、「友情」などの系統というよりは、波動エンジンなどの系統に近い「特殊能力」です。(ただし「縁の力」に関しても、愛を超越して作用する可能性があります。)

2202の「縁の力」が、果たして「日本文化的なファンタジー」にあたるかは分かりませんが、少なくとも言えることは、「君」が取り上げた「結び」と、問題意識、あるいは効果を共通にする可能性を多分に持っているということです。

それを解き明かすにあたっては、「日本文化的なファンタジー」というのも一つのヒントとなり得るでしょう。この議論を深めていくための一つのアプローチとして、アメリカにおける「さらば」の反応を知ることができれば、と思いましたが、

『宇宙戦艦ヤマト』『さらば宇宙戦艦ヤマト』って、実際海外での評価(興... - Yahoo!知恵袋

疑問を呈する記事はあっても、なかなかその答えには辿り着けないようです。

というわけで、やはり結論めいたものは出せませんでしたが、「君の名は。」と「ヤマト2202」という、極めて現代的な視点から描かれる二つのドラマを、共通性あるいは差異をもって比較することが可能ではないか? という問題提起を今日はしてみました。

今後も検討していく必要がありそうです。