はじめに
こんにちは。ymtetcです。
今日は宇宙戦艦ヤマト2202地上波ローカル放送決定を記念して、エビデンス一切なしの記事を書いてみます。
この記事は「2199の挑戦」「2199の失敗」「2202の挑戦」「2202の失敗」という全四章からなります。
〇第一章:2199の挑戦
宇宙戦艦ヤマト2199は、ヤマト復活篇、実写版と共にスタートした企画です。
2012年4月より劇場で先行公開され、その成功の結果、2013年4月からテレビ放送されました。
2199が挑戦したのは、「ファンとしての若者層獲得」。キャラクターデザインと声優を一新しました。キャラクターデザインに関しては時代遅れの感を免れませんでしたが、声優に関してはその後の「おそ松さん」ブームを踏まえると、トレンドに沿ったものであると言えます。
〇第二章:2199の失敗
ヤマト2199はコンテンツ的には成功を収め、テレビ放送を勝ち取りました。
一方でその成功を支えたのは旧作ヤマト世代でした。重要なのは、ここで2199を支えたヤマト世代の人々のうちに、少なくない数の「復活篇に呆れた」人を含んでいることです。
いよいよテレビ放送では、若者層に対してアピールするチャンスを得ました。
しかしながら、大多数の若者達は同時期に放送がスタートした「進撃の巨人」に夢中で、ヤマト2199を見ていたのは一部の人間でした。
テレビ放送は、ほとんど若者ファンのいなかったこれまでのヤマトとしては異例なほど、若者ファンを増やすことに成功しましたが、望んだほどの成果はもたらしませんでした。これが、2199の失敗です。
〇第三章:2202の挑戦
劇場版「星巡る方舟」の低調な興収(BDは好調)を経て、若者層への定着に失敗したリメイクヤマトは、逆の方向へと舵を切ります。
「さらば世代」の呼び戻しです。
「さらば宇宙戦艦ヤマト」に熱狂した400万人を、そのリメイクを謳うことで呼び戻す。
2199で興味を示さず、これから興味を示してくれるかも未知数な若者層をターゲットにするではなく、この400万人(観客動員なので純粋な人数ではありませんが)をターゲットにする。彼らはかつて一度興味を持った人々ですから、観てくれる可能性は若者よりも遥かに高いと言えます。
こうして宇宙戦艦ヤマト2202は、2199の続編でありながらも、「さらばのリメイク」を強調する形でその企画をスタートさせました。
〇第四章:2202の失敗
ヤマト2202のテレビ放送は、失敗です。
2199を放送した「日5枠」が枠ごと消滅したことを踏まえれば深夜帯であることは仕方ないのですが、問題はその放送局の少なさです。
全国放送となるBSでの放送もない状況では、地上波とはいえローカル放送と呼ばざるを得ません。これは失敗です。
2199テレビ放送時代のエンディングに
「宇宙戦艦ヤマト2199製作委員会
MBS」
と記されていることからも分かるように、リメイクヤマトの製作委員会にはテレビ局が入っていません。よってテレビ放送は「製作委員会→テレビ局」という売り込みに近い形で行われていると考えられます。
もとよりテレビ局側の旨味も必要ですから、一方向の利益では測れないものの、2202のテレビ放送の規模がこのようになってしまったのは「製作委員会側の妥協」があったと考えます。
その妥協は、劇場公開規模の拡大、広い宣伝活動等の予算とその費用対効果、すなわち「回収」が上手くいっていないことに起因すると考えられます。
では、「回収」に失敗した理由は何か考えてみましょう。
ヤマト2202をコンテンツとして現在支えているのは、2199のファン層です。
2202が「さらばのリメイク」でありながら「2199の続編」という立ち位置をとっているのは、2199のファン層を最低限の収入確保に利用しようという狙いがあると思います。
ファン層というと語弊がありますが、要は「2199をきっかけにヤマトを観始めた層」のこと。2199が嫌いで、2202は好きという人も含みます。この人達をベースにして、まずコンテンツとして「大ゴケ」を防ぐというわけです。
2202の狙いであった「さらば世代」の呼び戻しに関しては、2199の若者世代引き出しと同様、成果はゼロではないものの狙い通りの効果はあげていません。
それどころか、2202が2199から方針を転換したことで、2199のファン層の中から脱落者が出ています。緻密な設定・科学考証の欠落もその要因の一つではありますが、今ここで強調しておきたいのは「復活篇アレルギー」の存在です。
先述したように、2199のファン層には「復活篇に呆れた」人々が多く存在します。そこにきて2199と方針の異なる作品が、復活篇の中心スタッフである羽原信義・小林誠の手によって、「続編」として制作される。
ここに反発する流れが登場するのは当然です。
よって2202の失敗は「さらば世代呼び戻しの失敗」、「2199ファンからの離反者出現」という2点に集約されます。
〇おわりに
2199が若者ファンの獲得に失敗し、2202が「さらば」ファンの引き出しに失敗したという事実は重いものです。
2199のクオリティが旧作ファンを引き出したことを踏まえると、今後も2202と同様の方針で、なおかつ2199のようにクオリティを高めていくことが、最も効率良く資金を回収する方法となります。
しかしながら、2199が若者ファンの獲得を目指したように、未来のヤマトのために「ファンの世代交代」を目指していく動きも欠かせません。
『シン・ゴジラ』が起こしたものと同様のムーブメントを、ヤマトシリーズにも起こす必要があるとも考えられます。
また、夕方に次ぐアニメのゴールデンタイムである「朝」を狙うのも一つの手です。大人世代の注目を呼びつつ、子供世代にも波及していくという見込みが持てます。
しかし最も避けなければならないのは、若者世代、子供世代へのアピールに気を払うばかりに、中心となるヤマト世代にさえそっぽを向かれてしまうどころか、若者・子供にさえ無視されてしまう事態です。
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このようにヤマトの未来には暗雲が立ちこめ、困難な道のりが想定されます。
当面は、コンテンツとしての生存を図るためヤマト世代に訴えつつ、2199が引き出したミリタリーファン・SFファン・アニメファンといった潜在的なヤマトファンを引き出していくことが重要になってくると、私は思います。