こんばんは。ymtetcです。最近風邪をひきまして。昨日あたりから何か記事がふわふわしていますが、よろしくお願いします。
目次
- 目次
- 2202は2199の続編なのか
- 2202は2199の続編ではないかもしれない
- 2202は2199の続編かもしれない
- ファンの側から見ると
- 2199が2199であるために
- 2199のアイデンティティ例
- 「私の2202座標」
2202は2199の続編なのか
連載風のこのシリーズは、今回で3回目の記事です。今の所考えている限りでは、今回が最後の記事かと思います。
今回は、「2202は2199の続編なのか」という問いに対する一つの考え方をご紹介します。
そもそも、この問いに客観的な答えはありません。
2202は2199の続編ではないかもしれない
客観的に見て「2202は2199の続編である」とは言い切れません。2202は「2199の続編」を建前だけで名乗っているに過ぎないかもしれないからです。我々は2202を作っている当事者ではないので、作っている当事者の本音では、2199を否定している可能性も否定できません。
2202は2199の続編かもしれない
一方で、客観的に見て「2202は2199の続編ではない」とも言い切れません。「2199の続編」が建前のみならず、本音と一致している可能性もまた、否定できないからです。
言い換えると、「Thanks to 宇宙戦艦ヤマト2199オールスタッフ」が本音なのかそうでないのかは当人達にしか分からないということです。
ファンの側から見ると
以上の考え方は、作り手をベースに考えたものでした。「作り手が、2199の続編を作ろうと本気で考えているかどうか」が焦点であったわけです。つまり先ほどの観点では、「2199続編製作に対する本気度」が問われているだけであって「作品の内容」は問われていませんでした。
一方で、受け手がどう思うかという点をベースに考えてみますと、今度は「作品の内容」も問うことができます。
しかし、受け手に目を向けてもこの問いに客観的な答えを見出すことは出来ません。
- 「2202は2199の続編ではない」と考える人
- 「2202は2199の続編である」と考える人
がいる限り、客観的にどちらが正しいかを判断することが出来ないからです。多数決で決めることでもありませんからね。
2199が2199であるために
ファンが「続編かどうか」を判断するために必要な前提条件は、まず前作2199を観ることです。
当たり前のようにも聞こえますが、前提としては絶対に必要なことですからね。
そして前作を観た後、次に
「2199のアイデンティティとは何か」
を考えてみてください。
言い換えると、「2199が2199であるために、どんな要素が必要なのか」という問いです。
この問いに対する答えは、人それぞれでしょう。
この「2199のアイデンティティ」が「2202に引き継がれているかどうか」を問うことが、「2202は2199の続編なのか」という問いに対し、一人ひとりのオリジナルな答えを導き出してくれます。
2199のアイデンティティ例
私が以下に列挙したところで、全てを書き尽くすことはできませんが、参考にしてみてください。例えば――
- スタッフその人
出渕総監督以下の「2199スタッフ」こそが2199のアイデンティティであるという考え方です。これは、極端な考え方では「2199と同じスタッフでなければ、その時点で2199の続編ではない」という考え方にも行き着きます。
他にも、「2199スタッフから正統なスタッフへの引き継ぎが行われなければ、2199の続編ではない」という主張に行き着くこともあります。
- ストーリー
2199から2202に至る過程で、最もドラスティックに変化したのがストーリーでしょう。シリーズ構成は「出渕裕→福井晴敏」と変化し、脚本は「グループ→福井晴敏・岡秀樹」となりました。よって作風も大いに変わっていますから、ここから「2199の続編ではない」と言うこともできるでしょう。
しかし一方で、ストーリー担当者や物語の作風の変化くらいでは「2199の続編である」ことに変わりはないとする人もいるでしょう。
- キャラクター
これは、2199のキャラクターこそが2199のアイデンティティであるという考え方です。現在2202を「2199の続編である」としている人は、この考え方をされている方がほとんどなのではないでしょうか。キャラクターデザイン・声優、2199から2202では大きな変更がないからです。一方で、キャラクターから「2199の続編ではない」と批判する人もいるでしょう。「2199の真田さんなら、古代に『テレザートへ行こう』などとは言わない」(第3話)のように、「2202でキャラが変わってしまった」という批判もありました。
- メカニック
現在2202を「2199の続編ではない」としている人は、この観点から見ている人も多いと思います。
2202が製作発表された当時、副監督はしきりに「メカデザイナーは変わってない」と喧伝していました。旧作メカのリファインを「デザイン」とするならばその通りかもしれません。しかし、現実に我々の目の前に現れるメカたちは2199とは異なります。その理由は、「(小林誠の言葉を借りれば)メカ監督」が代わっているからです。
優劣は別にして、メカに責任を持つスタッフが「2199:出渕裕・西井正典」から「2202:羽原信義・小林誠」へと変わっているのですから、デザイナーの玉盛・石津が残留しようともメカニックが変化しているのは当然です。
逆に、メカニックから「2202は2199の続編である」と見るのは難しいと言わざるを得ないでしょう。
- 音楽・音響
この観点から「2199の続編ではない」としている人は少ないのではないでしょうか。また同じく、この観点のみから「2199の続編である」としている人も少ないと思います。
音楽・音響に関しては宮川彬良・吉田知弘体制が継続されており、変化の少ないポイントです。「音」はヤマト全体に共通するアイデンティティですからね。
- 科学考証・SF設定・ミリタリー設定
この観点においては、「2199の続編ではない」という人と、「どうでもいい」(=興味がない=「2199の続編である」)という人しかいないと思います。
主に天文学を担当した半田氏や、SF考証の鹿野氏がスタッフから外れ、代わって福井晴敏と共に参加した小倉氏は、小林誠副監督とのディスコミュニケーションも噂されています。2202には、2199と同等の科学考証・SF設定を用意する環境が整っているとは到底言えないでしょう。
ミリタリー設定においても、取材協力としてクレジットされていた海上幕僚監部広報室が外れ、その穴を補填するようなスタッフの参加も見られません。ミリタリー系小説を執筆していた福井晴敏氏など、専門外のスタッフが持つ個人的な知識からミリタリー設定を構築している可能性が考えられます。
- CG会社
2199でCG制作協力を担っていたサンライズが離脱し、2199では3Dレイアウトなどを担当していたサブリメイションが、全面的に担当するようになりました。2199と2202の戦闘シーンにおけるギャップの要因をCG会社の変更に求める声もあります。
「私の2202座標」
今日ご紹介した考え方で、前回ご紹介した「政党座標」的なものが展開できるかはよく分かりません。ただ、一種のアンケートのようなものは展開できると思います。
今回の記事で紹介した「アイデンティティ例」はほんのごく一部ですから、例えばこれを更に拡充しつつ、それぞれにこのような問いを立ててみるのです。
Q:【メカニック】について、2202は2199と較べて
A:とても劣っている‐劣っている‐変わらない‐優れている‐とても優れている
こうすると、簡単なアンケートを作ることが出来ます。
しかしこれは簡単なアンケートですから回答をグラフ化することは出来ても「政党座標」的なものを作ることはできないでしょう。
「政党座標」の質問形式を見ると
私の国への移住は最低限度に抑え、厳しく管理されるべきである。
という文章に対して、どのくらい同意するか、あるいは同意しないかが問われています。このような問いをヤマト2202において立てるには、「2202は2199の続編なのか」「2202と2199のどちらが優れているか」という問いについて、さらに細分化した論点を明らかにする必要がありそうですね。