ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

【第一印象】ヤマト2202第六章冒頭10分【動画内容ネタバレ】


『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』第六章「回生篇」冒頭11分

こんばんは。ymtetcです。

昨日冒頭10分が公開されました。今日はそれを見て気になった所をまとめていきたいと思います。動画の内容に沿って書きますので、ネタバレ注意です。あと、書いてみてわかったのですが結構甘口。

目次

OPに変更はなし

やはり、この絵のままで最後まで行くようですね。麻宮さんも後はプラモの仕事だけのようです*1。ヤマト2のような公式MADも見てみたかったですが、既にネット上に有志によるMADがあります。それがあるから良いじゃん、という判断でしょうね。

アンタレス問題

冒頭10分では、後ろに控えているアンタレスに移乗するこの一連のシーンが主にツッコミどころとされています。ということで、軽く妄想してみましょう。

科学考証がどこまで為されているかは定かではありませんが、少なくとも2202なりに、白色彗星の周辺には「耐えられる」エリアと「耐えられない」エリアがあり、その線引きがされているように見えます。アンドロメダは、「耐えられる」エリアにいるから突っ立っていることができる*2と。アンタレスは「ドレッドノートの支援を得ることによって耐えられる」くらいのエリア内でヤマトを追いかけていて、これは、「耐えられない」エリアから「耐えられる」エリアへとアンドロメダを押し出した、アポロノームの行動にヒントを得たのかもしれません。

しかしこれ以上ヤマトが落ちていけば、アンタレスは「ドレッドノートの支援を得ても耐えられない」エリアに達してしまいます。だから、急げと言っている。

また、第五章でもアポロノームのCT2が逃げ切れたあたり、艦載機は艦艇よりも受ける影響が少ないのかもしれません。

ちなみに、ヤマトもエンジンが動いてさえいればどうにかなったのかもしれませんが、どうやらエンジンが損傷しているみたいですね。

正規以外の方法で家電のスイッチを切ると壊れることもありますが、あんなイメージを抱いています(笑)

逃げ遅れたクルー

総員退艦シーンでは逃げ遅れるクルーの姿がちょっとだけ描かれています。古代が誘導している通路を山本が逆走していますね*3

キーマンは加藤を探し、山本はキーマンを探し、雪は透子を探していたようです。そして、何ともあっけない雪の事故シーンに繋がる、と。

余裕を感じさせるモニターデザイン

乗組員の下艦状況をモニタリングした画面ですが、2202にしてはそれなりに作り込まれています。この辺りは、上映間隔の長さ故か余裕を感じさせますね。

モニターでは左が乗艦、右が下艦です。戦術科・航空科・技術科は圧倒的に下艦していて、航海科はそこそこ、機関科は圧倒的に残留しています。機関科の乗組員は今後、ヤマトの復活に貢献しそうですね。民官(民間?)は全員残っているようですが、そもそも対象者は透子だけでしょうか。

銀河さん初登場

はい。この冒頭で一番好きなシーンです。

第五章以来の「サプライズ演出」はいい加減クドイと思います。が、ここはお気に入りです。

何故かというと、銀河を「カッコよく魅せる」努力がされているからです。

私が銀河で最も嫌いな部分は艦首の「シャチハタ」でした。このシーンでは、この「シャチハタ」を

  • 真田が「まさか?」と漏らす
  • その問いに答えるようにして画面へ映る、堂々たる「銀河」の文字

という風に使っています。

つまり、「自己紹介」に使ったのです。

白色彗星に吸い込まれていくヤマトと対比するように現れる「銀河」の文字は、艦の象徴として見事に機能していると言えます。

シャチハタで観客の対し「銀河」の名を伝えた後、カメラが上へ移動すると、ヤマトとは違う艦体が露わになる。いい自己紹介だったと思いますね。

取引にはちゃんと応じるガトランティス

第五章で「ヤマトが沈んだら薬の意味なくね?」と言われていました。それに対して「データを送ればいいやん」という反論もありました。それに対して私は「データを送るなんて安っぽいな」と思ったものです。

しかし、この描き方ならまぁ悪くないでしょう。ガトランティスの重厚感というか、威厳みたいなものは守られていると思います。

GINGA2203

銀河のドーム内。復活篇……というか、むしろYAMATO2520な雰囲気です。

もちろん、元ネタのムサシが作られた背景を考えれば当たり前なのですが。

「2202のメカ≒2220メカ」というよりは、「2202のメカ≒2520のメカ≒2220のメカ」という感じがします。

「戦って死ね」

ガトランティスなら、戦って死ね!

(第五章)

どうしても償いたいと言うなら、戦って死ね!

(第六章)

間違いなく、意図的に重ねてきてます。

後述するのですが、どうも地球政府とガトランティスの姿は、徐々に重なっていく流れのようです。

銀河艦内音

ゴンゴンゴンゴンゴン……

なにかの機関室にいるみたいな音がします。

副監督が絶賛していた、銀河の艦内音。

──言うほどか?(笑)

と思いましたね。ただ、「音楽」とも表現していましたので、この後のシーンで「音楽」のように強弱をつける演出があるのかもしれません。そこには期待してます。

島くんは銀河へ

予告編で古代が舵を握っていましたが、冒頭でそもそも島が銀河へと移乗していたことが分かりました。銀河で島がどのような振舞いをするか、注目です。

予想通りの「ヤマトのボレロ

予告編の時に「ヤマトのボレロ」が聞こえてきそうなんて言ってましたが、予想通りでした。

個人的には「銀河のボレロ」が欲しかったなぁ(笑)

(副監督ツイッターで)ご承知の通り

ついに「臣民の壁」の機能が本編で語られました。散々第一章で突っ込まれ、副監督がツイッターで解説していた機能です。

「第一章の時に説明しろや」という声もありましたが、私はこのタイミングで良かったと思いますよ。あの時、艦隊戦はメインイベントではなかったので。ただ、相原くんがナガモノとか言ってる会話を説明台詞に置き換えても良かったかもしれませんね。

奇襲作戦

「壁」で増援艦隊のワープを阻害しつつ、銀河の防壁を使って増援艦隊に接近する作戦……ていう感じでしょうか?

ヤマト2のネタをここで使ってきました。これをヤマト型の銀河に絡めて行うことで「ヤマト2のヤマト」の姿を銀河に背負わせたのが興味深いポイントです。

「次世代AIの自己増殖シミュレーション」とは

新しく登場した単語。文字通りに捉えれば、AIが自己増殖するということ。

2202で自己増殖といえば、想起されるのはガイゼンガン兵器群です。第五章では、カラクルム級の卵とも言うべき姿が見えていました。

自己増殖v.s.自己増殖。これは先述したような「地球とガトランティスが重なる」流れの一つと位置付けられそうです。

「ヤマトは沈んだ」

ヤマトは白色彗星に吸い込まれただけであり、山南さんもまだ諦めている様子はありません。しかし藤堂艦長はきっぱり「沈んだ」と言い切ります。

ヤマトに対して、かなりドライに捉えているようですね。これは、銀河の乗組員全員(除元ヤマトクルー)に言えることかもしれませんが。

全体的に、悪くはない

全体の印象としては、決して悪い内容ではなかったと思います。

ただやはり、指摘されているような細かなツッコミどころはどうかな、と。劇場ではこの10分が8回あるのですから、それだけツッコミどころが増えていくことが懸念されます。

私自身はあまり気にしないタイプですが、それでもアンドロメダが突っ立っているあの姿は如何なものかと思いましたね。

とはいえ(第二次改装に至る過程など、心配なところもありますが)、ひとまずは期待の高まった冒頭10分でした。

*1:絵コンテは今後の回も担当されているはずですが、もう仕事としては終わっていますからね

*2:確かに、わざわざこっちを向いている理由はありません。強いて言うなら山南さんの気持ちか

*3:よく見たら、古代は山本の姿に気づいています。誘導が終わったら山本の後を追いかけるわけですよね。これは可哀想な展開になるかも……