ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

【感想】クローバーラジオ「クロノ・ゲート・ジュークボックス」12月7日【ヤマト回】

こんばんは。ymtetcです。今日は英雄の丘に集まらないといけない日ですね。

そんな日の前日、朝夕二回、ヤマト音楽を特集したラジオ放送がありました。局は5月にラジオスイート「宇宙戦艦ヤマト」を放送したクローバーラジオ様で、司会は同じく5月にも担当された林檎さん。内容は『さらば/ヤマト2』の40周年を記念して、両作品の音楽を「交響組曲 宇宙戦艦ヤマト1978 クロノ・ゲート・ジュークボックス特別篇」として編集したものでした。

細かな楽曲解説は「ヤマト音楽集」様に譲るとして、今日は個人的な感想を書いていきます。

バージョン違いの面白さ

「ヤマト音楽集」様の手になる「交響組曲 宇宙戦艦ヤマト1978 クロノ・ゲート・ジュークボックス特別篇」の編集は、ヤマト音楽を愛好する多くのヤマトファンにとって、納得の選曲と曲順だったのではないでしょうか*1

今回ピックアップしたいのは「バージョン違いの面白さ」です。やはり公共のラジオ放送ですから、選曲は一般的な「名曲」が多かった。しかし、聴いていて感じたのは、そのほとんどが「聴いたことない!」と思わされるような音源だったということです。

当ブログでも『出発(たびだち)』のバージョン違いを紹介したことがあります*2が、この時代のバージョン違いが持つ良いところは、「より人間の息吹を感じやすくなる」ことだと思います。

想像ですが、おそらく本編に採用されるのは最も「良い」音源なので、いわゆる「バージョン違い」として世に出てくる音源は少しだけ「良い」音源とはズレていたり、雰囲気が違っていたりする。そこが「人間の息吹」に繋がるのでしょう。『YAMATO SOUND ALMANAC』の発売によって沢山の「バージョン違い」が世に出ましたが、改めてこれらを楽しむのも一興かもしれませんね。

2199‐2202音楽の凄さ

もう一つピックアップしたいのは、2202音楽、というより、宮川彬良先生の凄さです。

私は昨日のラジオを聴いていて、だんだん旧作と2202音楽の境目がわからなくなってきました。具体的に言えば、『さらば』の音楽を聴いているのに、2202の情景が浮かんでくる。思えば、これは2199においてもそうでしたね。今では「敵宇宙船の出撃」を聴くと、2199第3話の情景とその後に続く「ヤマト渦中へ」までもが想起されるようになりました。

では、音楽的知識のない私なりにその理由を考えてみると、それは2199と2202において、「新曲と再録の境目が分からなくなるほど両者がマッチしているから」だと思います。

新曲と、旧来からの音楽が違和感なく2199・2202に溶け込んでいるからこそ、リメイクと旧作の間の「音楽的違和感」がなくなり、聴いている曲がリメイクと旧作、どちらの曲なのかだんだんと分からなくなる。

こういう理屈です。

こんなすごい仕事を彬良さんはどのようにして成し遂げたんでしょうか。これも少し想像してみましょう。

彬良さんはリメイクの音楽再録を「父からのレッスンのよう」と仰っていました。

一方で、リメイク版の再録音楽には、彬良さんなりのアレンジが加えられています。

つまり、彬良さんの手になる新曲は「レッスン」に基づいて泰さんの影響を受け、一方再録曲には彬良さんなりのアレンジが加えられている。

泰さんと彬良さんの作風は意外と異なっているのですが、このような「親子合作」に近いような形で新曲と既存曲の「歩み寄り」が成され、それが総体として、2199と2202の音楽を形成しているのではないでしょうか。