ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

ヤマトシリーズをガンダム化するには

こんばんは。ymtetcです。

昨日、こんなコメントをいただきましたので、リメイクの話は後に回してみます。

ガンダムシリーズのように、複数のストーリーを並行して作ることはできないか?」(こん 様)

これは重要な課題です。

単に複数の世界観を並行させるだけであれば、既に復活篇と2199が実行しているとも言えますし、それが現に、2202へ至るまでの広がりを見せました。

ガンダムシリーズ的な展開をヤマトが考えた時に、どうしても課題となるのは「ヤマト」というアイコンです。ヤマトの場合は、「宇宙戦艦ヤマト」を絶対化し過ぎたと思います。いかにムサシだ、銀河だといっても「宇宙戦艦ヤマト」は作品中に一つしか存在しない・できないわけで、となると「宇宙戦艦ヤマト」の登場しない『宇宙戦艦ヤマト』を作ることが難しくなってしまうのです。

出渕さんが頻繁に構想を口にし、ファンも前向きに捉えていた前2199のスピンオフ作品が実現どころか具体化さえしなかったのも、この事情が背景の一つになっていたからだと思います。

以前にもここで書いたことがあるような気もするのですが、ヤマトシリーズにガンダム的な広がりを持たせるには一つ、ウルトラC的な手段があると考えています。

それがさらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』の続編を作る、というものです。

これは、しばし私が提起している復活篇リメイクの話にも通じてきます。

2009年の復活篇はいうなれば『ヤマト2』の続編でした。『さらば』に続編があるとすれば、それはある意味もう一つの『復活篇』というわけです。

そして『さらば』の続編、という考えを推す動機はもう一つあります。

しばしば、過激なヤマトファンは作品を「なかったことに」したがります。

現在その槍玉にあげられているのが2202で、その前は2199、さらにその前は復活篇と、恐らく『ヤマト2』以降の作品では毎度、誰かしらが「なかったことにしたい」と思っているのではないでしょうか。

そして、「なかったことに」したい人が一定数存在する中で、その数の最も少ないのが『さらば』だと思います。なかなか、第一作を「なかったことに」したい人がいるというのは想定し難いので(ゼロではないと思いますが)。

さらに、『さらば』を「なかったことに」したい人と比べて、ヤマト2』以降を「なかったことに」したい人の方が多いとも考えられます。

だったら「なかったことに」してみましょうよ、というお話です。

もちろん私自身は、「なかったことに」したいとは思っていません*1。しかしそういう向きがあるのであれば、プロモーション上利用してみるというのも手です。

 

『さらば』の続編は、無限の可能性を秘めたコンテンツだと思います。

『さらば』の戦いは、シリーズでも屈指の壮絶な戦いでした。

あの戦いと自己犠牲を目の当たりにした人々が、その後どう生きるか。というお話を作ってもいいですよね。特にこれは、ヤマトそのものは不在ながらヤマトの存在を強く意識したストーリーとなり、ヤマトシリーズの中で「宇宙戦艦ヤマト」の存在を相対化していくならば、その一歩目としては有力な選択肢となるでしょう。

あるいは現在であれば、『さらば』続編の名目にかこつけて、『新たなる』以降『復活篇』に至るまでのストーリーをリメイクするという選択肢もあります(私は面白いとは思いませんが)。

また、別に『2520』のリメイクでも矛盾はありませんし。何でもありですよ。

時系列を『さらば』直後にしてもよし、遠くにしてもよし。ヤマト不在でもよし、ヤマト復活でもよし。古代進・森雪という一大アイコンを失うのは心底痛いものではありますが、それ故、むしろ逆にいかなる作品でも創造することができます。

完結編の続編が生まれ、リメイク版もシリーズ化してきた現在、これだけの自由度・余地が残されているのは、「『さらば』の続編」以外にないと思うのです。

*1:音楽という側面から、いかなるヤマト作品も否定してはならない、と以前書いています。どんな「ヤマト」も存在を否定できない/してはならないと考える理由。@おすすめヤマトメロディ - ymtetcのブログ