こんばんは。ymtetcです。
この記事を書いた時はまだ2520の音楽集を持っていなかったのですが、最近ようやく買いましたので、今日はそれを聴きながら書いています。
これですね。これは安かった。収録曲としてはサントラも欲しかったのですが、あちらはプレミアがついています。とはいえ昔からサントラよりも音楽集の類が好きだったので、良しとしましょう。
さて、収録曲ですが、以下の通りです。
- 神秘なる宇宙
- YAMATO2520
- 地球連邦のテーマ
- 自由をもとめる若者達
- 明日の君を守りたい(歌)
- マーシィのテーマ
- 永遠の星座~YAMATO2520~(歌)
- 明日の君を守りたい(シンフォニック・ヴァージョン)
- セイレーン連邦
- 皇帝ブローネ
- アメシスのテーマ
- 宇宙は海
- M33銀河-古代宇宙人の世界-
5番と7番がTOKIOによる主題歌&イメージソングとなっており、それ以外は従来のヤマト系音楽集と同様、作中に登場する何かしらの要素のイメージ曲です。いくつか印象深い曲を紹介してみますと、
1番「神秘なる宇宙」は、冒頭で使用されている曲です。歌唱のせいで、どうも私としてはマシューズ版「無限に広がる大宇宙」の感が強いですね。2番「YAMATO2520」は18代ヤマト発進シーンの印象が強い。そして、3番「地球連邦のテーマ」が例の神曲です。9番、10番あたりも使用頻度が高いのか印象に残っています。
とまあ、収録曲の紹介はこの辺りでいいでしょう。ボリューム自体はそれほどないので、安くともあまりお得感はありませんが、貴重な音源ばかりです。ぜひ買って聴いてください。
これから見ていきたいのは、この音楽集に付属する冊子の中身です。これが興味深い。
冒頭、例によって西崎エグゼグティブプロデューサー(EP)の挨拶が掲載されています。そのタイトルは「新たなる旅立ち」。ヤマトらしいですね。
- 「一番にこだわるのが色彩に対する感性です」
……どのような世界観を設定するのか。私がアニメ作品に関して常にクリエイターに求めるもの、そして一番にこだわるのが色彩に対する感性です。……彼(注――シド・ミード)の描くあの未来世界、色彩感覚が、まさしく私の頭の中でイメージしていた次のヤマト――YAMATO2520に求めていたものだったのです。……宇宙は海で、YAMATOは宇宙船じゃなくて船なんだ…云々、こちらの基本コンセプトをガンガン説明して、彼を説得しました。
西崎EPがアニメ作りにおいて一番に拘っているのが「色彩に対する感性」だそうです。これは『宇宙戦艦ヤマト』を作る際に松本零士を起用したことと同じ。しかしそれ故に、この頃の西崎EPが「脱・松本零士」の動きを見せていたことを示しているとも考えられそうです。
宇宙は海、YAMATOは船。「宇宙戦艦ヤマト」の基本理念はそのままに、世界観を一新する。まさにYAMATOはヤマトを換骨奪胎したわけですね。
これを「宇宙戦艦ヤマト」の続編と呼べるかは議論されるべきですが、その意味で舞台設定が26世紀なのは一定の配慮なのかもしれません。
こうして見た時、2520と旧ヤマトの違いは単純化してシド・ミードと松本零士の違いであるということになります。
面白いのは、こうすると両者の中間にある復活編の立ち位置が宙ぶらりんになるということです。初期の復活編には松本零士も参加していますが、完結編までの関わり方とは深さが違います。
2520と完結編を繋ぐ新シリーズとしての復活編ですから、世界観・ビジュアルコンセプトも2520と完結編を繋ぐ役割が求められてくる。ここで権力を与えられてくるのが、当時若手だったアノ人なんじゃないか、そう思ったりもするわけです。