ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

【ヤマト2202】最終話、ガミラス分裂説

こんばんは。ymtetcです。

以前コメント欄で、「ギムレーを逮捕したのに、何故ガミラスは最終話でデスラーを受け入れているのか」というコメントをいただきました。これについては私もよく理解していませんでしたので、もう少し考えてみることにしました。

今日はその結果を、簡単にまとめておきたいと思います。

〇民主派ガミラスデスラー派のギムレーを逮捕したのに、何故最終話でデスラーガミラス人たちに受け入れられているのか?

今日取り上げるのは「ガミラス分裂説」です。根拠になるのは、第六章におけるバーガーのこのセリフ。

「政治的信条がどうとか言ってらんねぇ時だから、協力はするが……」

チョイ役なんだから「それっぽいセリフ」でカッコよく決めておけばいいものを、「政治的信条」なる妙に引っかかる言葉選びを『2202』はしてきました。

この意図は、どこにあるのでしょうか。周囲の状況を見渡してみましょう。

このセリフは「バレル大使率いるガミラス艦隊に加わったバーガー」のセリフでしたね*1

バレル大使は第五章で語られた通り、生粋の民主派です。そうすると、バーガーとバレルは政治的信条が異なるということが分かります。

つまり、バーガーは民主派ではない。

(本来なら民主派のバレルなんかには協力しねぇが、今は)政治的信条がどうとか言ってらんねぇ時だから、協力はするが……

逆に言えば「こんな非常時でなければバレルには協力しねぇよ」。

これが、バーガーのあのセリフに込められた意図だと考えます。

さらに言えば、最終話でデスラーを迎え入れた艦橋に立つ面々は、バーガー・フラーケン・ネレディアなど、軍人ばかり。軍人には、民主派は少ないということも言えるでしょう*2

よってガミラスは政治的に見て、以下のように分裂しています。

本星では権力を民主派が握っていますから、ギムレーは今も逮捕されたまま。

ですが、本星を離れてみれば、実はガミラスも民主派一辺倒ではないことが分かります。特に、名だたる軍人がデスラー派であり、デスラーが軍事的基盤を持っているという事実は重いものです。

しかし、民主派もデスラー派も、「ガミラスの未来を掴む」という課題は共有しています。仮に2202に続編があるとすれば、ここで一つ政治ドラマが作れるでしょう。

キーマンなどのオリキャラ清算した2202ですが、バレル大使が生き残ったのは、来るべき続編への配慮かもしれません。民主派のバレルに対してキーマンが「デスラーの真意」を伝えている点が、今後の展開に向けては大きな種まきになったと考えます。

例えば続編では、バレル大使をこう描くこともできます。

デスラーの真意を知ったバレルだったが、民主化を果たすため、その事実を本星には隠ぺい。目的を果たすためには手段を選ばない狡猾な人物。」2202のイメージとは合いませんが、矛盾もありません(バーガーが嫌ながら彼に協力していたことも、納得できる)。

逆に、キーマンの遺志を継いでバレルが民主派とデスラー派の懸け橋になる、という描き方も可能です。もし仮に続編を作るとすれば、2202は使い勝手のいいキャラクターを残してくれたと思います。

*1:バレル大使が参戦した意味についてはまた別日に考えます。

*2:恐らく、ディッツは軍人の中でも珍しい民主派なのでしょう。

*3:「閣僚の中では珍しく軍人ではない内務省出身の実務家肌」2199公式サイトより。デスラー体制が軍事力を基盤とする体制(軍政)であったとすれば、軍人にデスラー派が多いのも頷ける。

*4:追憶の航海EDにおいて、ガミラスの議会場で発言している絵が描かれている。ユリーシャも2202最終話に登場。

*5:「昔ながらの軍人気質で、忠義に厚い人物」2199公式サイトより。民主化へ向かい、デスラー体制を否定する新ガミラス政府に逆らって、自ら本国を飛び出していたと思われる。