こんばんは。ymtetcです。
最終章の公開に合わせるような形で発売された、『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち ──全記録集── COMPLETE WORKS ◎設定編 上巻』なる書籍。
宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち -全記録集- 設定編 上巻 COMPLETE WORKS
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2019/02/28
- メディア: 単行本
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本のタイトルが長すぎてピンときませんが、中身は2202の前半部分(第1話~第13話)を中心とした、設定とストーリー解説です。「設定編」と書かれたからには他の編もあるのではないかと期待してしまいますね。他の編も欲しい人は、是非買いましょう。
さて、今日紹介したいのは、この本をパラパラをめくっていて気になった。とあるページの記述です。
手元にある方は68頁をご覧ください。
ここには上段に「コスモタイガーⅠ武装/ビームカノン、大型ミサイルポッド」が掲載され、下段に「コスモタイガーⅠ武装/波動掘削弾搭載形態」が掲載されています。今日見るのはこの画稿です。
画稿の左側には波動掘削弾が掲載されており、右側には波動掘削弾を搭載したコスモタイガーⅠが描かれています。この組み合わせだけでも「?」となることは間違いありませんが、もっと気になるのはこの絵の下の部分。
監督へ
という筆記体風のフォントで入力された文字が目を引く部分です。そこには、
監督へ
銃撃を受けて損傷するのではなく、ミサイルの破片がこの辺に刺さり、フライホイールに破片につかえて動かなくなる。破片が取れれば再起動出来そうなので空間騎兵隊が軽率な行動に出る。
と書いてあります。ちなみに「フライホイールに破片につかえて動かなくなる」は原文ママです。
誤植はどうでもいいとしても、こんなシーンを私達は知りません。
これまでの2202で、波動掘削弾が登場したのは、
- 第14話(テレザート上陸作戦)
- 第25話(最終決戦)
です。しかし、2016年の初期の画稿であることを踏まえると、最終決戦のために考えた設定とも思えません。
ということで、第14話の没案だと考えられます(久しぶりに彼のツイッターを覗いてみたら「初期脚本に基づくイラスト」だと明言されていました。)。
2202の戦闘シーンは、多くの場合、小林副監督のイメージボードからなると言われています。特にテレザート上陸作戦は彼自身がイメージボードを公開していますから、かなりの割合、この戦闘シーンには関わっていると思われます。
「空間騎兵隊の軽率な行動」とは、恐らく波動掘削弾のフライホイールにつかえた破片を機動甲冑の「手」で取り外すことだと思いますが、そのシーンが一体どこに入る予定だったのかなど、妄想してみるのも楽しそうですね。