ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

ヤマト2202全記録集・シナリオ編で読みたい3つのこと

こんばんは。ymtetcです。

3月29日に発売された、ヤマト2202全記録集・設定編の下巻。こちらに、全記録集・シナリオ編の発売が予告されていました。

「設定編」の売り上げもそんなに悪くなかった、ということですから、良いニュースです。今日は、私がこの「シナリオ編」で読みたいなぁ、と思っていることを3つ、書いておきたいと思います。

◯全話シナリオ集

まずは、全話のシナリオ集です。これは外せないでしょう。全話のシナリオが公開されることにより、映像と見比べながら、どのように取捨選択してあの本編が出来上がったのかを考えることができます。

ですが、既に2202のシナリオは、劇場限定版BDの特典として公開されています。また、ノベライズにおいては、このシナリオの内容を積極的に取り入れて、アニメ本編とは異なる2202世界の姿を見せてくれています。

それだけに、この「シナリオ編」においては、全話のシナリオ集を掲載するだけではまだまだ物足りない、と言わざるを得ません。以下の二つは、私が個人的に加えて欲しいなと考えている”付加価値”です。

◯福井メモの全貌

「福井メモ」とは、2202の制作開始初期に、福井さんが書いたと言われる構成メモです。2202の基本コンセプトを示したものでもあります。

もちろん、内容としては現在我々が知るヤマト2202のそれと大差がないでしょう。2202の内容には福井さんも納得のようですから、元々彼が描きたかったストーリーと、完成品の内容にそこまでの乖離はないはずです。

ですが、この「福井メモ」を貴重だと考える理由は、これが2202の「原点」だからです。「2199の続編」として、「さらばのリメイク」として、どんな物語を紡ぐのか。色々なアプローチが可能だった白いキャンバスの上に、福井さんが描いた「メモ」。その言葉の一つ一つが2202の「はじまり」を示す言葉なのですから、これは2202を語る上で大きな意味を持つことになります。

「”愛”は決して無力でも、凶器に転じる危険な言葉でもない。過酷な現実と折り合い、時に修正を促すための力 ヒューマニズムの極致として、我々ひとりひとりが強く意識していかなければならない、それこそ生物学的な本能として与えられた力なのだということの再話」。

これは2202の公式サイトが開設された際の、福井さんの言葉です。今、2202が完結したことを踏まえてこのメッセージを読みますと、この作品に対する福井さんのアプローチが当初から最後まで、ブレていないことが分かります。

恐らく「福井メモ」は、外に出すことを前提にしていないメモ書きです。「メモ」ですから、そんな大層なことは書いていないでしょう。それでも、多くの人の目に触れる場にヤマト2202の「原点」が開示されることで、また新しい、ヤマト2202の世界が見えてくる可能性があります。それはきっと、2202にとっても、今後のヤマトにとっても、素晴らしいことだと考えます。

福井晴敏・岡秀樹による「シナリオ・コメンタリー」

3つめのこちらは、恐らく実現することはないでしょう。よって、提案のような形になります。

まず、全話のシナリオを掲載します。ですが、ただシナリオを掲載するだけでは何だか物足りません。そこで、2202の脚本を担当されている福井さん・岡さんの対談のような形で、シナリオに解説を付け加えてもらいます。「あの時ここで揉めたよね」「これはあの人のアイデアで変えたんだよね」といった形で。

いわば、制作秘話を脚本サイドから一挙に公開することによって、密室の会議で作られた(当たり前ですが)ヤマト2202の、その現場の雰囲気の一端を知ることができるわけですね。

ヤマト2202の不満点の一つに、オーディオコメンタリーの大半が雑談に終始したこと、があります。オーディオコメンタリーの収録が本編の完成前であることなどから、雑談に終始してしまうのは仕方ないことでもあります。ですが、やはり『星巡る方舟』のような、本編の解説が聞きたいと思います。

今後、全話のオーディオコメンタリーを改めて収録することは不可能ですから、この「シナリオ編」という場を借りて、解説を聞いてみたい。

そんな期待を込めて、この企画を推します。

 

ということで、以上が「シナリオ編」に対して私が期待する「読みたい!」ことでした。「さらば愛の宣伝会議」における振り返り、「設定編」の下巻にインタビューが収録されているにもかかわらず、まださらなる解説を求めるのは欲しがりな気もしますが、それでもまだまだ作品のことを知りたいというのは、ファンの性かもしれません(笑)。