こんにちは。ymtetcです。
今日は、特報が公開された際の妄想について書いていきます。
”西暦2145年には、精神的な理由で戦艦大和が必要とされた……”。
これもまた妄想ではありますが、こちらは少しだけ、予想に近いものです。ですが、今日これから行うのは、ここからさらに加速させた、純度の高い妄想だと(書く前から)確信しています(笑)。
妄想とは書いている人間が一番楽しいものではありますが、どうかお付き合いください。
〇古代進と桐生美影
「特報公開」の記事で書いた妄想は、”西暦2145年に戦艦大和が必要とされ、それが西暦2199年の「宇宙戦艦ヤマト」建造に繋がった”というものでした。
その時も書いていますが、このように考えた時、引っかかるのは、西暦2178年生まれの古代進が戦艦大和を知らなかったという事実です。戦艦大和が必要とされた歴史が西暦2199年の「宇宙戦艦ヤマト」に繋がっているのだとしたら、古代進が戦艦大和の存在を知っていても何ら不思議ではないからですね。
さて一方、『宇宙戦艦ヤマト2199』の世界には戦艦大和を知っている(しかもとても詳しい)キャラクターがいるという事実もあります。そうです。桐生美影です。
ここからが今日の妄想です。
……。
はい。まずはこの構図を見てください。
- 「戦艦大和」が現代(西暦2199年)に復活し、「宇宙戦艦ヤマト」になった。
- 『宇宙戦艦ヤマト』が現代(西暦2012年)に復活し、『宇宙戦艦ヤマト2199』になった。
今日の結論はこれです。
では、以下に説明してきましょう(笑)。
〇公式設定から「事実」を読み取る
ここで、既に明らかにされている公式設定を整理しておきます。
西暦2111年に、火星への入植が始まったこと。
西暦2145年に、戦艦大和が(何らかの形で)再現(再建?)されたこと。
西暦2164年から、内惑星戦争(地球と火星の戦争)が始まったこと。
西暦2183年に、第二次内惑星戦争が終結したこと。
西暦2191年から、ガミラスとの戦争が始まったこと。
西暦2199年に、宇宙戦艦ヤマトが進宙したこと。
これらは公式設定として、まず確定させておきたいと思います。
〇妄想①:戦艦大和ブームの到来
ここからが妄想です。
まず、西暦2145年の日本には戦艦大和が必要でした。大和がピックアップされたのはそのためです。
そしてそれは、西暦2111年にスタートした人類の火星進出以来、両者の矛盾が露呈していた「地球‐火星対立」の産物だったとしましょう。日本は、外圧に抵抗する国民の象徴として、戦艦大和を必要としたのです。
その後、地球と火星の対立は激化します。ついに西暦2164年、両者は戦争に至る。戦争が深まるにつれて、日本は精神的支柱としての戦艦大和にいっそう傾倒していきます。
そして、西暦2160年代から70年代にかけて、戦艦大和ブームが訪れます。
それはあたかも、現実世界の西暦1960年代から70年代にかけて、「大和」と「ヤマト」が脚光を浴び、一種のブームになったように。
〇妄想②:戦艦大和ブームの衰退
西暦2178年生まれの古代が戦艦大和を知らない。それはつまり、古代が物心ついた頃には、戦艦大和ブームは既に去っていたことを示しています。
年代こそ合致しませんが、あたかも『宇宙戦艦ヤマト』ブームが衰退したように、戦艦大和は西暦2180~90年代の日本にとって、既に過去の存在になっていたのでしょう。
〇妄想③:戦艦大和の復活
ですが、戦艦大和に夢中になっていた世代はまだ生きています。いやむしろ、バリバリ第一線で働いています。まさに、22世紀の「大和世代」です。
「大和世代」にとって、戦艦大和は自分たちの人生にとっての重要な一ページであり、精神的支柱でもありました。だから、彼らは外圧にあって、戦艦大和を再びピックアップした。それが「宇宙戦艦ヤマト」です。「宇宙戦艦ヤマト」は「大和世代」にとって、「戦艦大和の復活」だったのです。
それはあたかも、現実世界の「ヤマト世代」が『宇宙戦艦ヤマト2199』を作り上げ、「宇宙戦艦ヤマトの復活」を成し遂げたように……。
〇「意味の再発見」(?)
さて、純度の高い妄想であることが、十分お分かりいただけただろうと思います。
つまり、劇中世界の「宇宙戦艦ヤマト」を現実世界の『宇宙戦艦ヤマト2199』になぞらえたわけです。現実世界の『2199』が『宇宙戦艦ヤマト』の復活であったように、劇中世界の「宇宙戦艦ヤマト」は「戦艦大和」の復活であった、と。
繰り返しになりますが、これは予想ではなく、あくまで妄想です。
ですが、「古代は知らないけど桐生は知っている」という劇中世界の戦艦大和をめぐる状況は、どこか、現在の『宇宙戦艦ヤマト』と若い世代の関係に似ているような気がします。今の若い世代にとって『宇宙戦艦ヤマト』は過去の存在で、全く存在を知らない人だっているはずです(特に『2199』時期の「若い世代」ではなく2020年、現在の「若い世代」になってくると……)。ところが、ネットを見渡していただければ分かるように、一部に若い世代の『宇宙戦艦ヤマト』ファンは実在しています。
桐生美影は、劇場版のために少々都合よく設定された存在ではありましたが、それを「若い世代のヤマトファン」の象徴として「再発見」することも可能ではないか、というのが、今回のもう一つの結論と言っていいかもしれません。
〇おわりに
大半は妄想でした。書いている方は非常に楽しく書いていたのですが、「果たしてこれが映画になったとして面白いのだろうか?」との根本的な問題はどうしてもあります。言ってしまえば、「野暮」なんです。
でもこの『ヤマトという時代』は実際に、西暦2145年に戦艦大和を出そうとしています。そしてそれが、2199年の宇宙戦艦ヤマトと無関係であるとも思えない。とすれば、この映画には多少の「野暮」はあるんだろうな、と今から身構えています。
私はこの映画の作り手でも利害関係者でもありませんが、どこか「この映画、怒られないだろうか」と心配にもなってきました。戦艦大和の取り扱いは、結構センシティブな問題ですからね。雑にやったら批判を受けることはもちろんのこと、丁寧にやったとしても誰かから何かしらのお叱りを受ける可能性の高いテーマだと考えます。
まぁ、怒られたかどうかで言えば『2202』で十分怒られたとも言えますので、もはや今の『宇宙戦艦ヤマト』には失うものがないのかもしれません。