ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

【スターブレイザーズΛ】ノート作り(ymtetc篇)

こんにちは。ymtetcです。今日は復活篇の公開日ですね。

〇はじめに

昨日、『宇宙戦艦ヤマトNEXT スターブレイザーズΛ』の第8話が公開されました。

comic.webnewtype.com

本来であれば、今日『Λ』第8話の感想といきたかったのですが、先日休みをいただいた関係で感想は後回しにすることとしました。今回の記事の作業はどうしても第8話を読む前にやっておきたかったので、ご理解いただければと思います。

今日は「ノート作り」と題して、『Λ』の過去記事を整理します。

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「思考を整理する」と題して行ったあのシリーズと、中身は同じです。私の方でマインドマップを作成し、これまで考えてきたことを整理する。整理した成果をここで公開する。そしてマインドマップは、今後の記事作成のための参考資料になる。こういった形の、個人的な”お勉強企画”となっています。さっそくまいりましょう。

〇第一話

『Λ』第一話には、「ほぼパーフェクト」という感想を寄せていました。理由は、世界観とキャラクターの説明がスマート、簡潔で分かりやすく網羅されていたからです。

第一話はまさに総覧といった形で、主要キャラクターがまとめて登場しました。その中でリンネ・アイギスだけは実在の艦艇を名に持たないキャラクターであり、特別な存在として描かれています。また、第一話からとことん怪しげなジョーンズ司令が、『Λ』の魅力の一側面であるサスペンス要素を盛り上げていました。

第一話では、ユウ・ヤマトの過去と出自も注目されました。ユウは「鮨やまと」で育ち、戦艦大和のプラモデルを手にしています。また、劇中世界には「ヤマトミュージアム」が存在します。「大和=やまと=ヤマト」の図式が活かされるのかどうかは、今日もなお注目されるポイントの一つでしょう。

そして、6年前の「事故」。ディヤウスで働いていたユウの母は、この時点では「事故」により死亡したことになっていました。この「事故」は、セイレーネスの突然の襲来によって起こったものです。ユウの戦う動機はこの「事故」にあります。ユウが極めて個人的な”戦う理由”を持っている点も、今後注目すべき点でしょう。

今思うと、この時点で「奇数回非戦闘、偶数回戦闘」のパターンが敷かれていたことに気づきますね。

〇第二話

『Λ』第二話には、「アニメーションみたい」との感想を寄せていました。本来、コミックをどう読むかはまさに読者である我々のテンポ次第なのですが、よいコミックになると作り手の意のままに「引き込まれる」ことがあります。この時私は、その傾向があると感じていたのですね。また、「このままゲーム化できそう」とも述べていました。人気次第では、スマホゲームになることもあるのでしょうか?

第二話では、改めてユウの動機が母の仇討ちにあることが明かされました。セイレーネスを倒してもユウの目的は達成されないのではないか、と私は述べています。彼が恨んでいるのはセイレーネスだけではありませんからね。

また、各キャラクターの戦闘スタイルも提示されました。フロストアスターのマリナ、機動力を活かして戦うレイン、最前線で戦うヒューゴー、ヒーラーのアイシャ、波動砲のユウ、「盾」のリンネ。この辺りを繰り返し整理しておくと、最新話がもっと楽しめるかもしれません。

第二話と言えば、ジョーンズの意味深すぎるセリフです。我々を法(ダルマ)から解き放ち、この宇宙の全ての魂に救済を(もたらす)。カルマの子、アルジュナたるユウ・ヤマト。その守護者たるヴィシュヌの化身、リンネ。ユウとリンネはニコイチ的存在になるのかな?とも書いていました。

ジョーンズは二人、というよりナーフディスを利用して、何かの大きなミッションを実現しようとしています。このように、主人公や世界の大きな軸、そして物語の進め方、戦闘シーンの進め方を明示することで、ドラマを長期的に楽しむための軸を提示したのが、この第一話と第二話だったと考えます。

〇第三話

第三話の時は体調を崩していましたね。「よかった」との感想を寄せていました。

第三話は戦闘シーンのない、「平穏」なヴィマーナを描きます。その中で、サスペンスあり、人間ドラマありの物語が展開されていきます。

サスペンスシーンでは、セイレーネスの謎が少しずつ深まっていきました。「急速な発展を遂げた人類はセイレーネスにとって脅威なのではないか」というアレクセイの仮説が出てきましたね。また、ジョーンズの怪しさもここでは強調されました。そして、6年前の「事故」についても、本当に「事故」だったのかどうか。仕組まれたものであった可能性や、予見されていながら敢えて「事故」を発生させた可能性もありますよね。これは今後も、注目すべきポイントでしょう。

人間ドラマでは、ヒューゴーにスポットライトがあたったのが第三話です。これはそのまま第四話へと続きます。ヒューゴーはユウを苦しめてきた一部の地球人たちを具現化した存在なのか? とも書いています。

この時点の『Λ』の印象では、主人公そのものよりも、主人公の周辺情報を掘り下げる側面が強い点が気になっていました。『アダム』よりも集団劇の要素が強いことが、その理由なのではないかと書いています。

〇第四話

第四話は「本作の進め方を示す回」と書いています。「奇数回非戦闘、偶数回戦闘」が分かったのが、この時でしたからね。

ここでは、新キャラの(どうやら大ボスらしい)カーディナスさんが登場しました。カーディナスはヒューゴーの「頓悟」を予見しており、カーディナスが6年前の「事故」を見越していた可能性もあるのではないかと思います。また、カーディナスはユウの母親を知っているらしい、ということも明かされています。

そして、謎の組織・ニルヴァーナ。目的はセイレーネスを殲滅することにあると明かされました。それが「人類のシナリオ」と呼ばれていることも。「時空結晶体のコピーの解放」「アンチマタージャイアント」「マークX(=セイレーネスに対する最後の短剣、これがマーク8に相当?)」といった謎めいた単語も、覚えておきましょう。

第四話は新しい単語が多かったですね。「知性の繭」もありました。これはニルヴァーナにとっては発生してはいけないものらしく、「全部終わった」時に行きつく先だそうです。セイレーネスの襲来が「知性の繭」の発生リスクをもたらすことも語られています。

さらに「オリジナル」。おそらくはリンネのことを指しているでしょう。「人類を涅槃へと導く」ために欠かせない存在だそうで、切り札の「マークX」を使ってでも失いたくないのがリンネだそうです。それでもリンネを戦闘に出すのは、「頓悟」して欲しいからなのでしょうか。

戦闘はヒューゴーが「潰れ役」となり、勝利をおさめます。ヒューゴーのかっこよかった第四話ですが、新単語の連続する回でもあったのですね。

〇第五話

第五話は第三話と似ており、「平穏」なヴィマーナが描かれています。

第五話のいいところは「流れるような構成」でした。マリナの過去と「和解」をめぐるマリナの想い、セイレーネスは未来の人類なのか?というサスペンス、エンドレスユニバース。和解、人間、宇宙と、キーワードを繋いでシーンが展開していく点が、第五話の魅力でした。

また、第八話にも繋がるニーナとユウの関わりが明かされたのもこの回です。今思うと、これまでの『Λ』では珍しいほど早く、物語の種まきがされていますね。

そして何より、この話のメインはラストシーンです。ユウの母親・マヤが、何者かによって殺されていたことが明らかになりました。「事故」で亡くなったのではなかったのです。ユウがこれを知ったら、どうなるでしょう……。中盤以降は、そういったハードなドラマも動いていくと思います。

〇第六話

第六話には、「これまでで一番好み」という感想を寄せています。シンプルながら、間違いのない、スマートな脚本だったからです。そして人間ドラマとSFドラマの双方が互いに影響しあい、引き立てあう「スイートスポット」が存在したのも第六話でした。

マリナは自分の人生を武器にして戦い、自分にしかできないやり方でセイレーネスを倒し、大切な人たちを守ります。どんな人生も武器になる。『Λ』の一つのメッセージなのかな、と私は考えています。

『2202』は「その悲しみを、俺は愛する」に代表されるように、名セリフを”欲しがる”傾向にありました。それはそれでいいのですが、『Λ』のように、”オイシイ”ところをさらっと茶化して?しまうのも心憎い演出だなと思います。

また、第六話の物語は、結果的に「さらば地球よ 愛する人よ」「地球を救う使命を帯びて戦う」「誰かがこれをやらねばならぬ」を描いていた点も、面白いですね。

〇第七話

第七話の感想は「すげー」でした。今後への期待が膨らむ回でした。

第七話は、ニーナの純粋な気持ちが交錯している点がとにかく面白かったです。

私たちが死んだら後がない、私は艦隊の要、私はトップネスのリーダー、私がトップネスを守る……とても純粋な使命感と責任感と自覚です。しかしその実、ニーナを戦場へと駆り立てていたのはゲームメイト「forty-nine」への想いでした。こちらもまた純粋な想いで、これまでは矛盾するものではありませんでした。

ところが、「forty-nine」がトップネスの一人、ユウだったことを知る。これによって、ニーナの純粋な想いが交錯してしまっているのです。この葛藤をどう解きほぐしていくのかが、今後は楽しみだと思いました。

〇総論的内容

さて、『Λ』の過去記事には、各話感想だけでなく、総論的内容もありました。

『Λ』は1974ヤマトの直系ではありません。それゆえに『Λ』は、かえって1974ヤマトの立場に最も近い『宇宙戦艦ヤマト』であり、新しい「ヤマトらしさ」を創出(「革命」を起こ)し得る作品なのではないかと考えています。『Λ』は「ヤマトらしさ」を考慮しない作品なのですが、最初のヤマトも「ヤマトらしさ」は考慮していないんですよね(「大和らしさ」はある)。その意味で、両作は実は近い立場にあると考えています。「キャラクターの人生=戦い方=個性」のトライアングルの上で「宇宙戦艦ヤマト」を再定義すれば、それは新しい『宇宙戦艦ヤマト』のあり方なのではないかと思います。

さらに、宇宙ものの要素が強いのも本作の特徴です。ヤマトの宇宙は「海」だとされてきました。「宇宙は海」はヤマトを根底から支える思想になっています。『Λ』がこれと決別した『宇宙戦艦ヤマト』を描くのか、あるいは受け継ぐのかは、注目すべきポイントだと考えます。

〇第八話に向けて

駆け足で過去記事を整理してきました。既に第八話をご覧になった方も、またこちらの記事を読んでから読み直すと、新たな発見があるかもしれません。

かく言う私も、マインドマップを第六話まで作ってから第八話を読み、その後第七話のマインドマップを作り、今回の記事を書いて……という手順を通っています。なので、実はもう既に第八話を読んでいます(笑)。今回も例によって偶数回戦闘でしたね。

またこれから読み直して、近いうちに感想をまとめられたらと思います。