ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

アニメ雑談:『鬼滅の刃』と『2199』

こんにちは。ymtetcです。

1月12日に作業時間がとれなかったため、今日はお休みです。雑談をします。

以前コメント欄にも書いたのですが、『鬼滅の刃』の社会現象にはとても好感を抱いています。というのも、この社会現象は「奇跡」の類ではなく、とても堅実に実績を積み上げてきた結果だからです。

『鬼滅』は元々、小学生~10代を中心に人気のあった漫画でした。それがアニメ化されてヒットし、今回の劇場版が作られました。そして社会現象へ。

もっと細かく見れば色々あるのだとは思いますが、おおまかな流れとしてはこうでした。

この過程で、同作はとても堅実にファンを増やし続けています。

原作人気に加え、テレビアニメではアニメファンをも味方につけました。「覇権アニメ」(そのシーズンで最も評価の高い作品)の一つとして挙げられていたことをよく覚えています。

訂正:「覇権」か否かは売上で決めるのが本来だそうです。ただし、「覇権」の定義は近年多様化しているとか。

そしてそのアニメ版は、原作ファンをも満足させるものでした。つまり原作ファン+アニメからの新規ファンという強固な支持基盤を持っていたわけです。

その上で今回の劇場版が社会現象になったのは、ある意味では自然な流れでした。社会現象にならなかったとしても、少なくとも大ヒットはしていたことと思います。

 

これまで、私は「アニメファンに人気である」ことと、「社会現象になる」ことは必ずしも両立しないものだと考えてきました。『宇宙戦艦ヤマト』で言えば、前者を志向したのが『2199』であり、後者を志向したのが『2202』だったからです。

ところが、『鬼滅』が示したのは、それは十分に両立可能であるという事実でした。それと同時に、社会現象になる以前の問題として、きちんと既存のファンを支持基盤として固めておくことの重要性も示してくれたと思います。

これは、リメイク・ヤマトを考える上で一つのヒントになる気がします。

リメイク・ヤマトは、旧『宇宙戦艦ヤマト』シリーズを原作としています。そして旧『ヤマト』は、かつて社会現象になったアニメです。ですから、原作人気は一定程度見込めたのです。

『鬼滅』が辿ったルートを一般化すると、まず原作ファンの支持をしっかりと動員したテレビアニメを作り、そのテレビアニメでもってアニメファンに対して門戸を広げ、劇場版で大ヒットする、という手順ということになります。

ここで、『2199』がこれとよく似たルートを辿っていることに気づくと思います。『2199』もまた、『宇宙戦艦ヤマト』を原作とするテレビアニメを作り、そこで「アニメファン向け」を志向して、劇場版の公開に至ったからです。

こうすることで、実は『2199』が目指していたものは決して間違っていなかったことが分かります。原作ファンの支持を固め、そこにアニメファンを加えていこうとする『2199』の目標は、とても堅実なものだったわけです。『2199』がヒットしたのも頷けますね。

『2199』が社会現象になれなかったのだとしたら、それはテレビアニメとして「覇権アニメ」になれなかったことと無関係ではないでしょう。裏を返せば、今後『宇宙戦艦ヤマト』が「復権」を目指すのであれば、テレビシリーズであればまずは「覇権アニメ」を目指しておく必要があるということです。

ただ、今回の『鬼滅』のブームを見ても、社会現象のためには劇場版の方が近道のような気がしてなりません。思えばかつての『宇宙戦艦ヤマト』も、劇場版がブームに火をつけた側面があるわけです。そして今や、テレビアニメは深夜帯、BS、ローカル放送など限定されています。それで全国的なムーブメントに直結させるのは難しいと思います。

『2199』、『2202』とテレビシリーズ形式の作品が続きましたが、今後は劇場版を重視するのも一つの手なのではないでしょうか。ただ、劇場版にしても、原作ファンやアニメファンに対して誠実に作っていくことが、大ヒットの前提であることには変わりないと思います。