ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

【ヤマト2205】冒頭における宇宙戦艦ヤマトの位置

こんにちは。ymtetcです。

『2205』の記事が続いているので、この際もう少し続けてみます。前回の記事の最後の部分を、もう少し書いていきます。

『2205』に登場する宇宙戦艦ヤマトは冒頭どこに”ある”べきか、問題です。

これまでの『宇宙戦艦ヤマト』作品の冒頭では、ヤマトは色々なところにありました。地球防衛軍の施設、イカルス天文台日本アルプスのドック、ガルマン・ガミラスへの旅路、アクエリアス氷塊ドック。『2205』ではどこになるのでしょうか。

○どう”主役”にするか

『2205』の地球は旧『新たなる』ほど壊滅的な状況ではありません。『2205』は、そんな状況でどうヤマトを”主役”に押し上げていくのかが鍵になります。

そこで私は、物語の核となる事件が発生する前に、ヤマトをガミラスイスカンダルの近くに配置しておくことが便利なのではないかと考えます。

○旧『新たなる』と『2205』

旧『新たなる』は『ヤマト2』の直後からスタートしました。『ヤマト2』で地球艦隊は壊滅していたため、その直後である旧『新たなる』冒頭、地球連邦は十分な艦隊を持っていませんでした。だから『新たなる』のヤマトは、一躍主役に躍り出ることができたわけです。

一方、『2205』は『2202』から少なくとも2年が経過している上、地球艦隊は壊滅していません。しかも『2202』最後の地球は、決して多くはない人口に対して大量の艦船が余っている状態でした。

時間断層が消滅して歯止めがかかったとはいえ、『2205』現在の地球は、大量の軍艦を保有し、未完成ながらも実戦経験のある無人艦隊の技術を有しています『ヤマト2』ラストの地球と『2202』ラストの地球では、あまりに状況が違い過ぎるのです。

○初めからイスカンダルに配置

そこで、初めからヤマトを事件の起こるガミラスイスカンダルの近くに配置しておけば、物語がスムーズに展開しやすいのではないかと考えます。

元々999人もの乗組員で運用することを前提に設計された宇宙戦艦ヤマトは、『2205』現在の連邦防衛軍の中では異質な存在です。3交代制なので最低333人、改装を経てもっと少ない乗組員で運用できるようにはなっているはずですが、それでも、元々の設計からして他の地球艦とは一線を画す戦艦です。主力艦の一隻として地球艦隊に組み込まれている様は、ちょっと想像しがたいものがあります。

その前提に立てば、初めからヤマトをイスカンダルに配置することも不可能ではないと考えます。ヤマトはイスカンダルに行く理由があった、とするのです。それは新乗組員の訓練航海かもしれませんし、大宇宙の探索航海かもしれません。

ヤマトをイスカンダルに配置することができれば、『2205』の核となる事件に巻き込まれる形で、ヤマトは”主役”になることができます*1

○事件とは別件でガミラスイスカンダルに向かう

ただし、この方法では新乗組員の成長が描きづらいです。

地球から大マゼラン銀河に向かうことは、『2199』よりははるかにスムースな航海になるとはいえ、それなりの苦労が必要です。その過程での成長を描かないのはもったいないですよね。

そこで、これを応用して、冒頭はヤマトの発進シーンから始めるという手もあります。ヤマトは事件とは全く異なる用件があって、ガミラスイスカンダルに向かう。そこには新人が乗っている。しかしその道中、ガミラスイスカンダルが事件に巻き込まれたことを知り、ヤマトは急いで向かうことになる、と。こうすれば、スムースに”主役”へと押し上げることができます。しかしこの場合、玉盛さんがヒントとして述べた「新しい日常を描く」とは繋がらないのが難点ですね。

 

大切なのは、事件が起きる前にヤマトがどこにいるか、だと思います。今回書ききれなかったところもありますが、『新たなる』と『2205』では劇中世界の状況が大きく違います。地球が力を蓄えているところもそうですが、ガミラスもまた、旧作よりは遥かに力を残しています。そんな状況で、旧作通りの「ヤマト・デスラー艦隊V.S.暗黒星団帝国」の構図を作るためには、かなり頭を捻る必要があります。ガミラスは容易に地球にSOSは出さないでしょうし、出したとして、地球が直ちにヤマトをチョイスするかというと、そう簡単ではないのが難しいところですね。

*1:なお、旧『新たなる旅立ち』のヤマトは海から発進しましたが、イスカンダルにも海があります。イスカンダルからの発進シーンで、旧作オマージュが可能になるという利点もあります。