ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

【ヤマト2205】スタッフが一新されるらしい【サテライト】

こんにちは。ymtetcです。

〇はじめに

『2199』と『2202』を支えてきたジーベックがSUNRISE BEYONDに再編され、『宇宙戦艦ヤマト』向けの制作会社として新たにstudioMOTHERが立ち上がる中、『2205』でアニメーション制作を担うのが「サテライト」です。

実績のある会社であることには疑いはありませんが、果たしてどれほど『2205』に関わるのか、未だ不透明な部分も多い存在。そんな現状ですが、今回の『ヤマトマガジン』ではいくつかのヒントが得られました。

〇スタッフの大幅な変更がある?

今回の『ヤマトマガジン』でも、はっきりとした答えが出たわけではありません。ですが、『2205』のスタッフ布陣を探る上でヒントになるような、断片的な情報は得られました

例えば、『2199』『2202』『ヤマトという時代』で撮影監督を歴任した青木隆さんは「『2205』では、『2202』の時と同様にスタッフも一新して、『2202』を継ぐ物語が描かれると思う」と語り*1、青木さん自身は現時点で参加予定がないことを示唆してもいます。

あるいは、『2199』でCGテクニカルチーフを、『ヤマトという時代』ではCGディレクターを務める上地正祐さんは、「今後、新しいスタッフも多く参加されると思いますが」と語り*2、自身には現時点で参加予定がないことを明言しています。

このように、青木さんや上地さんは、『2202』~『2205』で参加スタッフに大幅な変更がある可能性を示唆ました。『2205』のスタッフ陣が『2202』を引き継がない、すなわち旧ジーベックその他のスタッフが必ずしも関わらないのであれば、そこにはサテライトのスタッフが新たに加わってくると考えるのが自然です。

〇サテライトの特徴と、『2205』の既出情報

では、このサテライトとは、いかなる特徴を持ったアニメ制作会社なのか。こういった話題は5chなどに潜入した方が有益な情報が得られるものですが、今回は通りいっぺん、Googleで検索をかけてみることにしました。

株式会社サテライト (SATELIGHT.Inc) とは、デジタルアニメーションに特化した日本のアニメーション制作会社である。

サテライト (アニメ制作会社)とは (サテライトとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

デジタル演出に優れており、マクロスアクエリオンといった機械が躍動する作品が特に強い

派手さとスピード感溢れる映像は目を見張るものがあります

ロボ系の作品は特にチェックしておくべきでしょう

【2021年最新】凄いアニメ制作会社ランキング!特徴などの一覧をまとめて紹介! | まるろぐ日和。

最近は3DCGを得意とする制作会社も増えてきたが、その中でも『サテライト』は特に古くからCGを駆使したアニメを制作している会社だ。

アニメ制作会社ざっくり紹介-その5『ufotable、動画工房、サテライト編』│あにぶ

株式会社サテライトは3DCGと作画をたくみに融合させた画作り、オリジナリティ溢れるメカ表現などで、日本のアニメ業界に確かな存在感を示し続けている。

オリジナル企画のアニメ制作に挑戦し続ける株式会社サテライト | インタビュー | CGWORLD.jp

特徴を分かりやすくまとめてくださっていたのが、上記の4つのサイトでした。

これらのサイトに共通するキーワードが「デジタル」「CG」です。どうやら、サテライトは「デジタル」「CG」に強みがあるらしいことが、ここから窺えます。

また、「派手さとスピード感溢れる映像」については、私自身、『マクロスΔ』を観ながら強く感じている部分でもあります。

例えば、第1話の15:50~以降の戦闘シーンでは(リンクを合わせてあります)、

youtu.be

サテライトが演出した「派手さとスピード感」の具体例を見て取ることができます。

ここで、安田賢司監督と福井晴敏さんの『2205』に向けたコメントを振り返るとどうでしょうか。

(安田賢司監督)これまで以上の重量感や激しさを演出してみたい

――『STAR BLAZERS ヤマトマガジン 5号』株式会社ヤマトクルー、2019年11月、9頁

福井晴敏さん)たとえばアクションシーンのスピード感などは、これまでにない刺激を感じてもらえるんじゃないかな

――『STAR BLAZERS ヤマトマガジン 9号』株式会社ヤマトクルー、2020年11月、12頁

安田監督や福井さんのコメントが、サテライトが持つ強みと符合していることが分かります。つまり、サテライトは、『2205』で自分たちの強みを一定程度発揮したということでしょう。その意味で、先に引用した『マクロスΔ』の戦闘シーンは、『2205』の戦闘シーンがどんな雰囲気か、想像する上でも参考になると言えますね。

もちろん、『マクロス』は現在のサテライトにとって代表作の一つであり、同作に関しては河森正治さんの貢献が大きいとも思います。人的なものも含めて、サテライトが『2205』に割くリソースは『マクロスΔ』に及ばない可能性が高いでしょう。それでも、激しくスピーディー、迫力のある戦闘シーンづくりについては、サテライトには相当のノウハウがあるはずです。

〇『宇宙戦艦ヤマト』の今後のためにも

『2199』から『2202』では、CGをメインで担う会社が変わったことで、ノウハウがリセットされた部分があったと思います。それほど、ノウハウは重要だと考えます。

その意味では、「デジタル」「CG」に強いサテライトが描く『2205』の戦闘シーンは、『マクロス』と比較して勝ることは難しくても、『ヤマト』にとっては新鮮味のある、学ぶ部分の多い映像になるのではないでしょうか。

ちなみに、studioMOTHERでも「デジタル」がキーワードになっていました。

アニメーション制作会社スタジオマザーの公式アカウントです!デジタル作画強化中👣

スタジオマザー株式会社 (@studioMotherJp) | Twitter

(略)
作画作業のデジタル化は業界内ではあまり進んでいないのが現状ではありますが、当社ではアニメーターとの契約内にデジタル作画習得期間を設けることで収入的な不安をなくし、人材育成に尽力します。
解決すべき問題は他にも多々ありますが、アニメーション業界の未来のため、当社はその先陣を切って制作体制の改革に努め、業界に貢献すべく邁進していく所存です。

会社概要 | studio MOTHER Inc.

既にスタジオを稼働させているらしい同社は*3、『2205』にも参加する可能性が高いと考えます。『2205』を制作する中で、サテライトから学ぶ部分もたくさんあるのではないでしょうか。

『2202』のCGを担ったサブリメイションが章を追うごとに(『宇宙戦艦ヤマト』に慣れて)クオリティを上げていったように、studioMOTHERも『ヤマトという時代』や『2205』の経験を通して成長(ノウハウの社内への蓄積を)してくれれば、それは『宇宙戦艦ヤマト』にとって、とてもいいことなのではないかと思います。

*1:『STAR BLAZERS ヤマトマガジン 10号』株式会社ヤマトクルー、2021年2月、13頁

*2:『STAR BLAZERS ヤマトマガジン 10号』株式会社ヤマトクルー、2021年2月、15頁

*3:【ヤマト2205】戦闘シーンへの期待と…… - ymtetcのブログ