ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

【ヤマト2202】2クールアニメとしての誤算

こんにちは。ymtetcです。

最近「2クールは現代に合わない」を持論としている私ですが、実は『宇宙戦艦ヤマト』以外で”ハマった”感覚のあったアニメは

の5つ。うち2作品は2クールアニメです。また、『響け!ユーフォニアム』に関しては主人公の1年生編後半にあたる『2』までを含めて一作品とみなすこともできるため、2クールと解釈してもあながち間違いではないでしょう。私は意外に、2クールアニメに”ハマって”いることが分かります。

今日は『シュタインズ・ゲート』と『響け!ユーフォニアム』『SHIROBAKO』を振り返りながら、『ヤマト2202』の誤算について書いていきます。

さて、いわゆる『シュタゲ』と『響け!』、『SHIROBAKO』の3作品に共通するのは、2クールのうち1クール、もしくは1クールの間で、ハッキリとドラマが分割されている点です。どういうことか。

例えば『シュタゲ』は、第12話を境にドラマの展開が「ひっくり返り」ます。ご覧になったことのある方は分かると思いますが、そこまでひたすらに風呂敷を広げていたストーリーに大転換点が訪れて、そこからは風呂敷を畳むターンがやってくる。いわゆる「ミッドポイント」がこの作品には採用されています。

あるいは『SHIROBAKO』では、第12話を境に主人公たちの作るアニメーション作品が変わり、また新しいドラマが展開されるように構成されています。

興味深いのが『響け!』です。これを2クールと解釈するのは苦しい解釈ですが、そうでなくても、この作品は1クールの間で必ず2つ以上のドラマを展開し、それをはっきりと区別しています。例えば『響け!』では8話までを主人公・久美子の周辺で、9話以降を主人公の親友・麗奈の周辺で、『2』では5話までを主人公の先輩・みぞれの周辺で、10話までを主人公の先輩・あすかの周辺で展開し、そこに久美子自身を巻き込んでいきます。

これらの作品に共通するのは、上述したようにドラマをはっきりと分割している点ですが、それ以上に、定期的に「見せ場」を作っている点が挙げられます。ドラマのピークを早め早めに配置することで、観客を惹きつけようとしているのだと思います。

翻って、『2202』はどうでしょうか。

『2202』のドラマは13話の「全員で背負う」で、一つの区切りです。これ自体は決して悪いことではありません。しかし、それまでの見せ場があまりにもなさすぎる上、13話の「全員で背負う」という結論は物語の中では「欺瞞」でしかありません。

『2202』が誤算だったのは、第9話で観客を感動させられなかったことでしょう。ここで一つの盛り上がりを作る計算だったものが、少し狂ってしまったと言えます。

では、どうすればよかったのか。あるいは『2202』をリメイクするならば、どうすればいいのか。

まず欠かせないのは、13話のドラマを7話に配置転換することだと思います。こうすることで、波動砲関連のドラマに、序盤で区切りをつける。

さらに、21話のドラマを13話に配置転換することも効果的でしょう。「生きろ。生きて恥をかけ」は『2202』のテーマの一つであるため、ここから逆算して第1クールを構成した方が、観客の心を十分に惹きつけることができます。第14話以降は、それこそ「理想と現実」だとか、「選択」をキーワードにデスラーと古代のドラマを構築していけば、第26話で大団円を迎えることには変わりありません。

このような後出しジャンケンには価値がない、と見る向きもあるかもしれませんが、大切なのは「ドラマを出し惜しみしないこと」です。『2202』はどこか、序盤から中盤まではゆるめゆるめに物語を展開していたように思います。それでは、いくら終盤のドラマが見事に構築されていても観てくれる人の印象はよくありません。

面白いアイデアは、終盤までとっておくのではなく、どんどんと前倒しする。日常生活でもどこか意識しておきたい教訓かもしれませんね(笑)。