ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

【ヤマト2205】シャルバート教から風呂敷を広げてもいいが

こんにちは。ymtetcです。

『2205』の冒頭を観ていない不届者ではありますが(笑)、『2205』の記事も書いていきたいと思います。


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さて、『2205』のPVを観る限り、デスラー支配下におさめていくであろうガルマン人たちは、どうやら何らかの宗教を信仰しているようです。これは冒頭でも具体名は出なかったようですが、『2205』が『Ⅲ』ネタを拾うことを考えれば、シャルバート教説がかなり有力になってきます。

仮にガルマン人たちがシャルバート教を信仰しているのであれば、彼らを支配下におさめようとするデスラーが、この宗教を利用しない手はありません。

しかし、ガミラスには既にイスカンダルという信仰対象が存在します*1

そこで、デスラーがシャルバート教を利用するためには、この二つの宗教を結びつける何らかの「物語」が必要になるはずです。例えば、シャルバートとイスカンダルは元々同じ宗教であったとか(それはそれでややこしいことになりそうですが)、シャルバート人とイスカンダル人は元々同じ存在であるとか。イスカンダル帝国が崩壊した時に、その軍事力を引き継いだのがシャルバートで、放棄したのがイスカンダルであるとか。

いずれにしても、デスラーは本国に浸透しているイスカンダルへの信仰と、ガルマン人社会に浸透しているシャルバートへの信仰に折り合いをつけて、利用していかなければなりません。そこで、この二つの宗教を同一視したり、同源であると見なしたりすることは十分に考えられます。

 

さらに言えば、この二つの宗教の関わりから、古代アケーリアス文明の遠大なストーリーへと展開していってもよいでしょう。

ただし、このように風呂敷を広げていくことは、私としてはあまり好ましいことではありません。なぜなら『時代』を観る限り、今の『ヤマト』チームは、たくさんの情報量をうまく扱いきれていない部分があるからです。それは個々人のスキル以上に、「福井さんがストーリーを決めて」「皆川さんや玉盛さんが設定を煮詰め」「ストーリーに設定を書き加えて」完成するという現行のシステムが持つ課題であると思います。

その意味でも、『2205』が2クールや1クールではなく、短期決戦の全8話というのは好印象です。風呂敷を広げる余裕はあまりないわけですから、多少の伏線は次回作以降に持ち越すとして、根幹にきっちりと『2205』のドラマを据えていけるならば、きっと満足感のある映画になるのではないでしょうか。

 

 

*1:メタ的に言えば、『2199』のイスカンダルには「かつては強大な軍事力を持った大帝国」「ガミラス人に信仰の対象とされている」など、シャルバートから引用した設定がいくつか見られます。