ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

”はじめまして”の『ヤマト』を作るには?

こんにちは。ymtetcです。

前回の記事で、初見の人でも楽しめる『ヤマト』を作るためには毎回ヤマトと主人公を”はじめまして”のように描写することも、一つの手段なのではないかと書きました。ただ、前回も述べたように、この方法を突き詰めると、旧作『ヤマト』のような、シリーズとしての連続性を必ずしも重視しない作劇となってしまうデメリットがあります。

そこで今日は、シリーズとしての連続性を重視できる余地を残したうえで、”はじめまして”を演出する方法を考えてみたいと思います。

やり方はベーシックです。冒頭で、ヤマトと主人公のキャラクター像を明らかにする。それができれば、”はじめまして”のヤマトとして成立するのではないでしょうか。

第1話では、ヤマトが、一体何をする宇宙戦艦なのかを明らかにしておきたいところです。ゆえに、本筋とは関係のないところで、ヤマトを働かせておくことが有効なのではないかと思います。第1話の時点で、ヤマトが何かをする。例えば、その作品のヤマトでは「旅をする」ことがメインなら、何らかの任務を背負って旅をしている。あるいは「戦う」ことがメインなら、何らかの任務を背負って戦っている。

さすがに「宇宙戦艦ヤマト」という存在を全く知らずして『宇宙戦艦ヤマト』を観る人はいませんし、逆に言えば、「宇宙戦艦ヤマト」という存在に何らかの興味があるからこそ、『宇宙戦艦ヤマト』を観に来ているわけでもあります。であれば、第1話に必要なのは、ヤマトに何らかの任務を与え、ヤマトの役割を明確化することではないでしょうか。

また、主人公のキャラクター像も分かりやすく示しておきたいところです。ここでは、主人公の姿ではなく主人公の判断、視点、思想などがはっきりとわかるエピソードを盛り込むことが有効なのではないでしょうか。『宇宙戦艦ヤマト』はタイトルにキャラクターの名前がありませんが、内実は「宇宙戦艦ヤマト」という存在をめぐる人間ドラマでもあります。特に、『宇宙戦艦ヤマト』という作品が、いったいどんな判断や思想を肯定するのかは、予め示しておいた方がいいと考えます。

 

冒頭でヤマトの役割を明確化し、キャラクターの判断や思想を明確に描く。

メリットとしては、初見の人でも、その人の知る他作品に引き寄せて解釈出来る点が挙げられます。「あ、こういう作品なんだ」と理解することができれば、初見の人でも『ヤマト』の宇宙に入りこみやすくなるのではないでしょうか。