こんにちは。ymtetcです。
アシェットヤマト→アシェットアンドロメダに続いて、アシェットヒュウガが登場することになりました。
ヤマト、アンドロメダと違って未だ安価なプラモデルが登場していないヒュウガのアシェット参戦に、一部では批判意見もあります。なぜ先にバンダイのプラモデルではなく、アシェットなのか……と。
しかし、ことヒュウガに関しては、ファンの見えている範囲だけでも、バンダイ側に一定の事情があると考えます。今日はこのことについて考えていきます。
〇『ヤマト2202』の「同型艦商法」
前提として思い起こしておきたいのは『ヤマト2202』の際の「同型艦商法」です。
色違い、マーキング違いの同型艦を次々と本編に登場させ、同じ金型を流用して発売する手法は、そのために描かれた大艦隊戦に対するものも含め、一定数の批判意見を常に受けていました。
〇ヒュウガ登場の経緯
『2205』でヤマト艦隊を編成したアスカとヒュウガは、元々は同じ型の艦として設定されていたといいます。そして福井さんは、それが『2202』と同じアプローチ、つまり今日このブログで表現するところの「同型艦商法」を狙ったものだったと明かしています。
しかし実際は、「ヒュウガの型の艦も出したい」とのスタッフの意見を拾って、『2205』メカは現在私たちの知る構成となりました。
すなわちヒュウガとは、バンダイとしては”出す予定のなかった”艦なのです。アスカのプラモデルが発売され、ヒュウガのプラモデルが発売されないのには、そういった事情もあると考えます。
〇バンダイの視点
バンダイからすれば、当然『2202』のような「同型艦商法」がありがたいでしょう。
例えば、『2205』本編でアスカの形をした艦はアスカ1隻しか登場しません。ゆえに、ファンの購入も基本は1隻となります。
これが仮に、アスカとヒュウガが同じ型であったならどうでしょうか。バンダイとしては金型が流用できる上、ファン目線からすれば「2隻揃えたくなる」。
これだけで、売り上げが変わるわけです。
さらに、ヒュウガのデザインはアスカだけでなくドレッドノート級との相違も激しく、ヒュウガのプラモデルを発売するためには、金型はほぼ新規設計になるといいます。これも、ヒュウガのプラモデルがなかなか出ない理由の一つだと考えます。
バンダイ目線からすれば、売り上げが落ちるのを覚悟で『2202』に対するファンの批判を拾い上げ、「同型艦商法」をやめたら余計に批判を受けた、ということになります。バンダイが置かれている状況も、難しいと考えます。
〇ファンの視点
ならばファンは黙っていろ、という主張ではありません。ファンの声によって、『2205』が生まれた側面もあるわけで、その評価の高さからすれば、ファンの声は間違いなく、作品をよい方向に変える一面も持っているでしょう。
ただし、「ファンの声を聞いたら売り上げが落ちた」との経験を売り手側にさせることは得策ではありません。『2202』の方針なら批判もあるけど売り上げはよかった、となれば、『2202』プラモやメカに対する批判意見は「ノイジーマイノリティ」認定されてしまいかねません(実際にそうなのかもしれませんが)。
大切なのは、ファンが声を挙げる際にも、数字(売り上げ)や作り手・売り手側の事情に目を向けることです。バンダイから安価な《ヒュウガ》プラモデルが発売されない現状は嘆かわしくはありますが、それと今回のアシェットの件を敢えて切り離せば、ヒュウガが高価とはいえ初めて立体化されるポジティブな動きでもあります。バンダイの難しい立場に想いを馳せつつ、アシェットで立体化されることをポジティブに捉えつつ、今後も声を挙げていくことができたら良いのではないか、と考えます。