ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

【スターブレイザーズΛ】消化不良に終わったラスト

こんにちは。ymtetcです。

comic.webnewtype.com

およそ2年にわたって連載されてきた『スターブレイザーズΛ』が完結しました。

2年というのは短いようで長い月日で、あの頃学生だった私は社会人になりました。お疲れさまでした。ありがとうございました。

しかし、私にとって『スターブレイザーズΛ』は消化不良に終わりました。

今日は、それがなぜかを考えていきます。

私にとって『Λ』が消化不良に終わったのは、あのエンディングシーンと、27話までのドラマとの連動性が読み取れなかったからです。

〇『Λ』最終話

『Λ』最終話は、最後の希望となったユウ・ヤマトがセイレーネスを倒してリンネ・アイギスを守る話が前半、ユウが作り出した50回目の宇宙で、ナーフディスやトップネスとは無縁の平穏な暮らしを送るキャラクターたちを描く話が後半でした。

いわば「ヤマトが大切な仲間を守る話」。いかにも新時代の『ヤマト』らしい筋書きです。

〇よいところがあったからこそ

私が気になったのは、27話までの人間ドラマとの連続性が見えにくかった部分です。

『Λ』のよいところは、それぞれのキャラクターに色濃い個性が設定されているところでした。しかしながら、それぞれのキャラクターに与えられた個性的なドラマは、結局最終話まで連動しないままでした。

例えば、主人公ユウとの深い関わりが描かれたニーナの物語が、最終盤で回収されることはあったでしょうか。実際は、ニーナがユウに想いを寄せている、という”記号”が残されただけです。アビーとアレクセイの関係にしても、二人の信頼関係という”記号”があるだけで、そこに至るまでの過程がとくに物語の本筋に影響することはない。

第1話ではドラマの核として位置づけられた6年前の事故とマヤ・ヤマトとユウの物語も、明確には回収されていないように思います。

〇活発な議論に期待したい

『Λ』が2年かけて積み上げてきた個性的なキャラクターと彼らのドラマが、単なる関係性や心情の”記号”として処理されて完結してしまった……ように見える。それが、私にとって消化不良に終わってしまった原因でしょう。

私自身はシンプルな筋書きが好きなので、『Λ』のようなラストは好きです。極めて後味がよいと思いました。ただ、そこに至るまでの個性的な物語が消えてしまったように感じられました。そのため、ラストそのものはとても没個性的に見えたのです。その点は、私にとってはもったいないところだったと思います。

とはいえ、私自身も見落としている部分があるかもしれません。単行本が発売された際には、通しで読んで、改めて考えてみたいところですね。

また、インターネットで調べると「感動した!」という意見も少なくありません。活発な議論に期待したいと思います。

『鉄腕アダム』は名作。