ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

【旧新たなる】地球人がガミラス星を破壊した、というドラマ

こんにちは。ymtetcです。

豊田有恒さんの名前で残されている『新たなる旅立ち』の「SF基本設定」には、1979年2月5日に作成された原案として、以下の内容が書かれています。

 一方、ヤマトは危険の去った星域をのんびりパトロールしているとき、一隻の難破船と遭遇する。生存者がいる。

「銀河犯罪同盟……魔木妖一(まきよういち)……。」

 生存者は、絶命する。その宇宙船を襲った相手の手がかりを、コンピューターに紹介する。

 魔木妖一は、古代守と宇宙大学の同期生。凄まじいばかりの秀才だったが邪まな行為を繰返し、地球から放逐された男。

 銀河犯罪同盟とは?

 デスラーガミラス星に帰着。突然謎の相手から攻撃を受ける。ガミラス星は、地殻変動を起して、大爆発。かろうじて、デスラー艦は脱出する。確認されたのは、地球の宇宙船。

「おのれ、地球人」といったんは怒ってはみたものの、古代進が、そんなことをさせるわけがない。

次の原案では既に「ウラリア」となっているため、このアイデアの先にどんなドラマがあるのか、詳細は分かりません。しかし、「地球人(率いる集団)がガミラス星を破壊する」との筋書きは、旧作におけるデスラーと古代の友情を思えばドラマチックです。

さらに、リメイクに置き換えたらどうでしょうか。地球とガミラスが同盟を結んでいるリメイク版なら、これは政治問題にもなります。しかし考えてもみれば、多くの地球人がガミラスの攻撃で亡くなっています。同盟を結んだとしても「ガミラスをいつか破壊してやる」と考える地球人がいておかしくはありません。

 

さて、リメイク版のデザリアムは「未来の地球人」であることが匂わされています。匂わされているだけに、逆に「未来の地球人ではない」可能性も高いのですが、まだ分かりません。

仮にデザリアムが未来の地球人なら、地球人や古代進は、自らの「未来」が”ガミラス星を破壊する”という、残酷な現実と向き合わなければならないかもしれません。そうすれば、そこに一つのドラマが生まれます。地球人類に内在する”敵”。そうしたドラマ展開もあり得るのではないでしょうか。

なお、デザリアムが「未来の地球人」であるなら、それは『ヤマト』のハッピーエンドである”明日への希望”からは程遠い状況だと言えます。内在する”敵”に打ち勝って、内なるデザリアムを克服できたとき、『3199』は『ヤマト』的なハッピーエンドを実現できるのではないでしょうか。