こんばんは。ymtetcです。
第六章で初登場し、そのまま退場したアンドロメダ改。特徴的な「ヤマトカラー」については『ヤマトマガジン』で初登場して以降、批判の的になっていました。しかし、第六章公開後は批判も公開前に比べて収束してきています。
それは決して、カラーリングそのものが良かったからではなく、その「活かし方」が良かったからだと思います。
目次
私のスタンス
ヤマトカラーアンドロメダについては、私はこんなコメントを出していました。
個人的には、面白いチャレンジだとは思います。ただ、アンドロメダは明確に洋上艦艇のシルエットではないので、そこに違和感を覚えますね。
このように、設定画では違和感を覚えたカラーリングでした。
そして、それを受け入れた背景には、カラーリングを活かす努力、私が以前コメントした「かっこよく見せる」努力が第六章に存在していたことがあります。
第六章で「活かした」シーン
ヤマトと同じカラーリング、ということは、イコール水上艦艇的なカラーリングをしているということです。
これを活かすには、ヤマトと同様に水上艦艇的な演出をするのがベスト。
第六章、アンドロメダ改の動きは戦闘機的、あるいはガンダム的と評され、水上艦艇的、ヤマト的な動きとはかけ離れているとも言われます。この批判があるのも当然ですが、派手な戦闘シーンが却って虚しさを強調した側面もありましたし、2199のように敢えてこれをやることでギャップを生み出す狙いもあったかと思います。
一方で、この水上艦艇的なカラーリングを活かしたのが第21話のラストシーンでした。
崩壊するゼムリアから脱出しようともがくヤマトに、ロケットアンカー(錨)を打ち込むアンドロメダ。そして、沈んでいたヤマトを「引き上げ」ます。
これまでは、ヤマトを「光学的に」捕捉しただけでした。この時、山南はようやくヤマトの姿を間近に感じたことでしょう。ヤマトを間近にして、山南(アンドロメダ)は手(ロケットアンカー)を伸ばした。まさに「海中から沈没戦艦を引き上げる」かのように。
ひとつ、水上艦艇的なカラーリングを活かしたシーンだと言えます。
そして、もうひとつ。
アンドロメダが沈むシーンです。白色彗星という海から、精一杯の力でヤマトを引き上げたアンドロメダは、力尽きて火星の海へと「沈没」します。
雲海の中に消えていくその姿は、まさに海中に没する水上艦艇を彷彿とさせる。そして、爆発。旧作第一作の「戦艦大和の最期」をも思わせる爆炎は、巨大戦艦の沈没を描く際の定番の演出でもあります。
独創的な演出ではない
これらの演出は、アンドロメダを水上艦艇的に描き、その水上艦艇的なカラーリングを精一杯活かした演出でした。しかしながら、これは決して独創的な演出ではありません。
水上艦艇的なカラーリングをローリングさせるという逆転の発想的な演出も、閉ざされた空間(疑似的な海中)からの浮上も、雲海の中に姿を消す(疑似的な沈没)演出も、全て前作2199がやっていること*1です。
見方を変えれば「2199オマージュ」と言えてしまうかもしれませんね。2202第六章の魅力の一つとして「王道を真正面から描く」というものもあり、直ちに批判の対象となるべきとは思いませんが、認識しておくべきことではあります。
「出落ち」で良かった
とはいえ、2202第六章においては、そのカラーリングを活かした演出が為されていました。これは率直に評価したいと思います。
最後に、もう一つ評価ポイントを付け加えておきます。それは、あのカラーリングが第21話専用のカラーリングだったということです。第21話で初めて登場し、そのまま退場した。
しつこくなかったんですね。本編に照らしても非合理的で、メタ的に見ても“玉盛さんのデザインを台無しにした”と言われるカラーリングだったわけですが、結果的に「人間であることを肯定する」第21話のドラマとは相性が良かったと思います。
- 水上艦艇的なカラーリングを活かした演出を取り入れたこと
- 第21話の中で「完結」したカラーリングだったということ
これらは一定の評価をすべき点と考えます。
*1:それぞれ第15話、方舟、第20話