ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

宇宙戦艦ヤマト2199/2202

『ヤマト2202』メカデザイン論争はなぜ再燃しやすいのか

こんにちは。ymtetcです。 近頃「X(旧Twitter)」を見ていると、『ヤマト2202』のメカデザインに関して、一種の論争のようなものが繰り広げられている様子を時々目にします。 完結から5年が経ち、『2202』の反省に立つ続編『2205』の公開さえも久しい現在、…

「家族の前で観られない」ヤマト2199

こんにちは。ymtetcです。 『ヤマト2199』には、ネットスラングで「お風呂回」「水着回」と言われるようなシーンがあります。私個人の経験から、『ヤマト2199』は、あのシーンがあることによって「家族の前で観られない(観づらい)」作品になったと考えます…

「おすすめしにくい」リメイク・ヤマト

こんにちは。ymtetcです。 『ヤマト3199』を控えている2024年。上映館数はリメイクシリーズの「非劇場版」作品としては最多であり、ファン層拡大への期待も膨らむ…… と言いたいところですが、私はそうは思えないのが現状です。

【ヤマト2202】国民投票は「粋」であり「無粋」

こんにちは。ymtetcです。 過日、『さらば宇宙戦艦ヤマト』を再見して気づいたのは、『2202』最終話の解釈です。 『さらば』ラストシーンに答えるという「粋」 『さらば』ラストシーンには、こんなテレサのセリフがあります。 あなたのおかげで人々は目覚め…

『ヤマト2199』第1話の思い出

こんにちは。ymtetcです。 10年以上にわたって続いてきたリメイク・ヤマトには、多種多様な思い出があります。初めて『ヤマト』を地上波放送で観た『2199』テレビ版、受験期に繰り返し観た『方舟』、大学生活と共にあった『2202』、社会人として初のヤマトだ…

『ヤマト2199』と『2202』:「付け足し」方法論の違い

こんにちは。ymtetcです。 前回、『ヤマト2202』が「原作から改変している」との印象を与えたのは、『さらば』をテレビシリーズに拡張する段階で必要となる「エピソードの付け足し」において、『さらば』でも『2』でもないストーリーを追加したからだ、と述…

【ヤマト2202】原作との乖離を招いた「エピソードの”付け足し”」

こんにちは。ymtetcです。 『さらば』を原作とする『ヤマト2202』。 ですが、この作品を観て真っ先に「この作品は『さらば』をそのままリメイクしたものだね」と評する人は少ないのではないでしょうか。さらに言えば、多くの人が「この作品は『さらば』を大…

『ヤマト2202』に引き継がれた旧『ヤマト』第13話

こんにちは。ymtetcです。 前回の記事では、『さらば』クライマックスにおける古代進の言葉は、第一作『ヤマト』の第13話、そして第24話から連なるものだと述べました。『さらば』クライマックスの古代の胸にあるのは、「命の大事さ」を理解しようとしない「…

【旧ヤマト】第13話こそ「愛し合うべきだった」の伏線

こんにちは。ymtetcです。 前回の記事では、『宇宙戦艦ヤマト』第13話「急げヤマト!! 地球は病んでいる!!」における、古代進の行動について考えました。 「理不尽な暴力」によって両親を奪われた古代進は、同じ「人間」でありながら、そのような行為に及んで…

あの炎上事件は何だったのか:UVERworld ×『宇宙戦艦ヤマト』

こんにちは。ymtetcです。 ymtetc.hatenablog.com 前回の記事では、UVERworldと『宇宙戦艦ヤマト』のコラボレーションが炎上した原因を「ファン」「楽曲」「映像」の3つにわけて考えてみました。 今日は、この炎上事件がどのような意味を持つのか、について…

炎上事件はなぜ起こったのか:UVERworld ×『宇宙戦艦ヤマト』

こんにちは。ymtetcです。 テレビ版『宇宙戦艦ヤマト2199』後期オープニング主題歌「Fight for liberty」は、放映当時、少なからず批判にさらされました。 renote.net 今日は、UVERworldの『2199』主題歌「Fight for liberty」がなぜ当時炎上したのかを考え…

なぜ『2199』よりも『2202』『2205』の方が難しいのか?

こんにちは。ymtetcです。 『ヤマト2199』と『2202』『2205』を比較すると、どちらかと言えばライトに観られるのが『2199』なのに対して、『2202』『2205』はあまりライトに観ることはできあに作品だと言えると思います。「初心者向け」の観点からも、(単純…

【ヤマト2199】ファンの世代交代を遠ざけた"制作中断"

こんにちは。ymtetcです。 『宇宙戦艦ヤマト2199』は、間違いなくファンの世代交代に貢献した作品です。 しかし、『2199』の目指したファンの世代交代は、必ずしも順調には進まなかったと考えます。世代交代はヤマトファンの子ども、SF好き、ミリタリー好き…

ヤマトファンの分断を緩和できる「第一作の新しいリメイク」

こんにちは。ymtetcです。 「ファンの分断」が最近話題になっていますね。私自身が取り上げているので私にそう見えているだけなのかもしれませんが、ともかく、ちらほらとこの話題が流れてきます。 この話題をながめていて感じるのは、ファンの分断は必ず公…

『ヤマト2202』が批判を受けやすいシンプルな理由

こんにちは。ymtetcです。 旧作、『2199』、『2202』をめぐる様々な意見が飛び交うようになって数日が経ちました。SNS普及前の『2199』、普及後の『2202』という時代背景はあるにせよ、またスタッフをめぐるトラブルを差し引いても、私はどうにも『2202』は…

【ヤマト2202】絶対に許容しない方がいいこと

こんにちは。ymtetcです。 私自身、『ヤマト2202』はとても好きな作品でした。賛否両論あったことにも大いに納得しています。 とはいえ、『2202』をめぐっては、絶対に許容しない方がいいこと、もっといえば「すべきではない」、さらにいえば「してはいけな…

作品としての「価値」にみる『2199』と『2202』の違い

こんにちは。ymtetcです。 先日、久々に実家へ帰ったので結城信輝さんの『星巡る方舟 修正原画集』をとってきました。『2202』進行中(2017年)の出渕さんと結城さんの対談が収録されている貴重な本です。 今日はこれをもとに、『ヤマト2199』と『2202』の違…

世代交代のために!『2199』テレビ放送の直後に必要だったもの

こんにちは。ymtetcです。 今回も、前回に引き続き、私の『2199』経験から話を進めていきます。個人的経験ですから、かなり偏っていることが前提です。 今回注目するのは、『ヤマト2199』のテレビ放送が終了した後の時期です。 実際の『2199』では、最終話の…

【ヤマト2199】賛否両論だった『方舟』が、今はそう見えない理由

こんにちは。ymtetcです。 先日の「『2199』出渕体制から『2202』福井体制へ」の記事に対する反響のなかで印象的だったのが、「方舟の興収がよくなかった」ことに驚いた、というものです。 私は『方舟』の年に受験生だったので、当時の様子は完全に把握でき…

『2199』出渕体制から『2202』福井体制へ……その経緯に迫る

こんにちは。ymtetcです。 今日は予告通り、表題の件を考えていきます。テーマは「なぜ『2199』出渕体制は終わり、『2202』福井体制が始まったのか」です。 当然ながら、私は関係者ではないので”真実”は把握できません。ただ、この『2199』『2202』以降のプ…

【ヤマト2202】加藤三郎の裏切りはなぜ評価が低いのか

こんにちは。ymtetcです。 昨日『ヤマトという時代』がBSで放送されました。そこで思い出したのが、『2202』における「加藤三郎の裏切り」です。難病に苦しむ子どもを救うため、ガトランティスとの取引に応じてヤマトを沈めてしまうストーリーは、作り手も批…

【ヤマト2205】福井晴敏が『ヤマト』をやる理由

こんにちは。ymtetcです。 今日は前回の「福井晴敏の『ヤマト2205』語り パート2」を踏まえた記事です。 リメイク・ヤマトに対する批判意見として、一つに「これを『ヤマト』でやる意味はあるのか」「自分の新作でやれ」というものがあります。出渕さんの頃…

【福井ヤマト】デスラーと古代、「友情」のための下準備

こんにちは。ymtecです。 『ヤマト2202』と『2205』で展開された、古代進とアベルト・デスラーのドラマ。福井さんが脚本となって以降、二人の間にドラマが生じるようになりましたね。 ですが、その温度感は旧作とは異なります。「好敵手」や「友情」といった…

設定考証は"誠意"

こんにちは。ymtetcです。 設定考証の重要性は今や共通認識だと思いますが、最近になって思うのは「誠意としての設定考証」です。 例えば『silent』は、物語の主題は「相互理解」「すれ違い」といった普遍的なテーマで、題材として聴覚障害を"用いている"作…

『ヤマト2202』と2015年

こんにちは。ymtetcです。 最近は『silent』に時間を奪われているので、2202の振り返りは進んでいません。 今日も改めて、2202の序盤の展開を振り返ろうと思います。 2205に比べ、2202の序盤には時事ネタ、社会ネタの雰囲気を感じます。地球とガミラスの政治…

【ヤマト2202】過渡期的な第6話

こんにちは。ymtetcです。 今日は第6話ですが、全般から2199リスペクトが強い回だなと思いました。 半ば強引な「沖田戦法」の引用、武器の使い方や種類(三式弾)など、形式的にでも2199を継承しようとした跡があります。中盤から終盤に濫発される「謎の新兵…

【ヤマト2202】傑作の一つ・第5話

こんにちは。ymtetcです。 『ヤマト2202』で頭ひとつ抜けている回に第5話があります。過去記事でも取り上げましたが、『2199』と連続で観ていく中で、改めて考えてみたいと思います。 まず気になっていたのは、2199から連続で観て行った際に真琴がどう見える…

【ヤマト2202】序盤の好きだったポイント

こんにちは。ymtetcです。 多くの例に違わず、私も『2202』の序盤の評価が比較的高い人間でした。 それは、『2202』序盤の展開が、新しいスタッフの新鮮味を出しつつ、いくつか「旧作そのまま」の部分を残していたからです。 ヤマト発進をめぐるドラマ、ガト…

【ヤマト2202】必要だったのは「この3年間の思い出」

こんにちは。ymtetcです。 『2202』が公開された当初、「真田が古代の(テレザート行き)発案に賛同するのは違和感がある」との批判がありました。 今改めて『2202』を観直してみると、「真田は波動砲反対派である」との前提に立てば、あまり違和感のない展…

【ヤマト2199】説明的すぎたラストシーン

こんにちは。ymtetcです。 2199最終話は、随所に旧作への回帰が見られました。もちろん、相原のリレー通信といった小ネタもありましたが、何より回全体で「宇宙を旅するヤマトと、ヤマトの帰りを待つ地球」の構図が繰り返し強調されていたことで、旧作のもっ…