ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

感想:ラジオ・スイート 宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち

第1作「宇宙戦艦ヤマト」のTV放映終了から45年、劇場版第3作の「ヤマトよ永遠に」の公開から40周年になる2020年、2年連続でTwitterのトレンド全国1位になり好評を博した、宇宙戦艦ヤマトの音楽だけを扱った4時間の特別番組第3弾をお届けします。

今年はシリーズの新作「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち」の公開を控え、幅広いファン層の期待も高まる中、全国のヤマトファンの心へダイレクトにヤマト音楽三昧な時間を送ります。

今回の特別ゲストとして、「宇宙戦艦ヤマト」などアニメソング史に残る数々の名曲を歌い上げてきた“アニソン界の大王”こと、ささきいさお氏をお迎えします。

昔聴いた懐かしい音楽から最新作まで、国民的アニメの代表作であり、アニメ音楽のエポックある楽曲の数々を、ゲストの談話や解説、リクエストを交えながら、リスナーのみなさんとヤマト愛を語らい、そして未来への希望を描きます。

昨今のコロナウィルス対策への状況を鑑み、番組は収録で対応をいたします。
番組へのリクエスト・メッセージはお早めにお寄せください。

特別番組「ラジオ・スイート 宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち」を放送します | CLOVER MEDIA Radio&NetTV

こんにちは、ymtetcです。

昨日、「ラジオ・スイート 宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち」が放送されました。一昨年の「ラジオ・スイート 宇宙戦艦ヤマト」、昨年の「ラジオ・スイート さらば宇宙戦艦ヤマト」に続く第三弾企画です。

例年、ツイッターでの実況が話題を呼んでいるラジオ番組で、トレンドランキング入りもすることから、『宇宙戦艦ヤマト』の話題性に一役買っている番組だと思います。

#ラジオスイート宇宙戦艦ヤマト - Twitter Search

私はツイッターやリクエストには参加していませんが、ささやかながら番組を楽しみました。

今日は簡単な感想と、番組で少しだけ明かされた『2202』総集編について書いていきます。

 

率直な感想を申しますと、「多幸感とはこのことか」です。

今年の番組は、第一部から第二部にかけて、キャラクター音楽に注目して『ヤマト』~『2202』までの作品を振り返り、新造戦艦アンドロー梅田さんによる貴重音源の紹介、第三部からはささきいさお大王のゲストコーナー、第四部のリクエストコーナーへと続いていきました。ヤマト音楽ファンに「これは」と思わせる一曲から、広いヤマトファンの”よく聴くけど曲名が分からない”という定番の一曲までバランスよく網羅されており、飽きのこない構成でしたね。

音楽に関しては、私からは一曲だけ。番組のオープニングは福科考∞譜観さんによる特別編集でしたが、原曲のひとつを構成していた『新たなる旅立ち』音楽集の序曲にあたる「ヤマト・新たなる旅立ち」に、私は最近注目しています。というのも、この曲は『新たなる旅立ち』の象徴的な音楽を組み合わせた一種のメドレーなんです。すなわち、『さらば宇宙戦艦ヤマト』音楽集の「序曲」と同じ文脈で作られているということ。次作の『ヤマトよ永遠に』音楽集にも「ヤマトよ永遠に――サーシャ(澪)に捧ぐ――」という曲がありますが、どちらかといえば「ヤマト・新たなる旅立ち」は『さらば』音楽集の「序曲」に近い作風なんですね。ささきさんからも”『さらば』の次が『新たなる旅立ち』”というお話がありましたが、『新たなる旅立ち』という作品それ自体が”『さらば』の次回作”という位置づけに近いとすれば、音楽集の作風とも関わりがありそうです。この辺りを、最近は少し興味深く思っています。

 

さて、番組に話を戻します(笑)。

この番組のいいところは、各作品のあらすじが素晴らしいところですね。音楽がメーンなんですが、音楽を通じて、また作品の違った姿も見えてくる。今回も、プロットレベルでは各作品も様々な趣向を凝らしていたことが改めて分かりました。

各作品振り返りで気になったのはむらかわみちお先生の毒舌?トークです(笑)。

ただ、むらかわ先生の『2199』コミカライズは「『2199』のリメイク」とでも言えそうな、かなり完成度の高い作品なんですよね。ファンとしては若干モヤモヤする耳の痛いお話もあったのですが、むらかわ先生のクールで鋭い視点、批判的思考が『2199』コミカライズの高品質の背景にあったのだなと気付かされました。

 

そして今回の目玉といえば、ゲストのささきいさお大王です。

ささきさんからは『宇宙戦艦ヤマト』後期作品をめぐって貴重なお話がありました。ささきさんいわく、あの頃は『ヤマト』に関する歌の収録が多いわりに、映画やテレビを見てみれば使われていない、ということが多かったとか(確かにその通り)。なので、「星に想うスターシャ」の話が来た時も「ああまた(『ヤマト』の歌)か」としか思わなかった、と。

ささきさんの『ヤマト』話というと、やはり最初の主題歌レコーディングのイメージが強いですから、後期作品の話をまとまって聞けたのは今回よかった点です。「ヤマト10年の賦」フルコーラスをラジオで流す大胆さには感動しました(笑)。

 

リクエストコーナーを経て、最後に少しだけ、新作情報が語られました。

といっても公式情報というよりは、むらかわさんが知っている範囲で、という感じでしょうか。親交のある皆川ゆかさんが脚本を務める『2202』総集編のお話がメインでしたね。

記憶違いでなければ、むらかわさんから語られたのは「皆川さんが土星沖海戦に参加した艦の数を調べている」というお話でした。

どうも、皆川さんは土星沖海戦を検証するような作業を行っているようですね。

『2202』の総集編である映画『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』は、ドキュメンタリータッチで編集されることが公表されています。

おそらく皆川さんは、ドキュメンタリータッチにするにあたって必要なディテールを詰めているものと思います。

土星沖海戦には、地球側〇隻、ガトランティス側〇隻の艦艇が参加した。

というナレーションを加えるだけでも、細部にこだわる皆川さんであれば、本気で考察した上で取り組んでくるはずです。そのあたりの作業を行っているのでしょう。

そして、欲深い私としては、さらなる『2202』土星沖海戦の補完にも期待をしてしまいます。

『2202』の土星沖海戦は、戦闘シーンこそある程度は描かれましたが、両軍がどんな論理で動き、その結果どんな戦闘がどこで行われたか、という海戦としての細かな経過が描かれていません。

時間的リソースが許せば、の話ではありますが、例えば総集編では、戦争を扱った歴史番組のごとく作戦図を提示し、両軍、とくに地球側の意図した作戦と実際の戦闘の経過を追いながら、画面情報やナレーションで土星沖海戦の戦術的な側面・海戦としての経過を補完するということも不可能ではない……

わけです。ファンの期待は無限に膨らんでしまいますので、キリがありませんね(笑)

 

ということで、過去作品の音楽の振り返りから貴重音源、貴重なゲストトークから和やかなリクエストタイム、新作情報まで、充実した4時間でした。

また来年があれば、ぜひその時はリクエストを送ってみたいですね。