ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

ハッシュタグ「#yamato2202」が推奨されなくなった理由

こんにちは。ymtetcです。

『2199』『2202』シリーズのポータルサイトオープンを伝えたこのツイート以降、『2202』公式は「#宇宙戦艦ヤマト」とのハッシュタグを使うようになりました。

例えば『ヤマトという時代』円盤発売延期のツイートにおいても、「#yamato2202」や「#ヤマトという時代」ではなく、

「#宇宙戦艦ヤマト」を使用しています。私はここから、これからのヤマトシリーズがとる宣伝戦略の一端を窺い知ることができると考えます。

〇新作の立脚点を「宇宙戦艦ヤマト」に

これは、これから登場する新作『宇宙戦艦ヤマト』の立脚点を「宇宙戦艦ヤマト」に集約するための試みなのではないでしょうか。

最近の『宇宙戦艦ヤマト』作品は多様化の一途を辿っています。

宇宙戦艦ヤマト2205』に連なる「リメイク」シリーズに加え、「NEXTヤマト」への試みである『アクエリアスアルゴリズム』(とその続編)、『スターブレイザーズΛ』も展開されています。また、『スターブレイザーズΛ』が当初テレビシリーズの作品として企画され、コミック連載へと転じた経緯から考えると、『Λ』とは別に新たなテレビシリーズが企画されていてもおかしくありません

作品が増えれば増えるほど、シリーズのプロモーション戦略は変化を求められます。

『2199』から連なる「リメイク」シリーズのTwitterアカウントでは、『Λ』をはじめとする新たな『宇宙戦艦ヤマト』作品の宣伝はできないのです。

あくまで推測ですが、Twitterアカウント「宇宙戦艦ヤマト2202製作委員会」は、近いうちに「宇宙戦艦ヤマト」全体の公式アカウントになるのではないかと考えています。同アカウントには、『2199』以来のフォロワーが3.5万人おり、『ヤマトという時代』本予告ではRT、いいね共に1000を超える広がりを見せました。他の有名作品のアカウントと比べれば見劣りはしますが、それでも、宇宙戦艦ヤマト』関連の公式Twitterアカウントで最も影響力があるのはこのアカウントです。このアカウントで『Λ』やそれに続く新しい『宇宙戦艦ヤマト』を宣伝できたなら、それはとても効果的でしょう。

このような『宇宙戦艦ヤマト』の新しい宣伝戦略を象徴するものこそ、ハッシュタグ「#宇宙戦艦ヤマト」の使用なのではないでしょうか。公式は、これからの『宇宙戦艦ヤマト』多様化に備えて、プロモーションの立脚点を「リメイク」や「NEXTヤマト」の個別的な枠組みではなく、「宇宙戦艦ヤマト」に求めるようになっていると考えます。

〇思わぬ影響?

なお、公式サイドは意図していないでしょうが、新作の立脚点を『宇宙戦艦ヤマト』に求めることは、ヤマトファンの作品の捉え方に思わぬ影響を及ぼします。その行為は、『2199』『2202』論争を沈静化に向かわせることになるかもしれません。

『2202』を気に入らなかった『2199』ファンは少なくなく、そのために論争が起きました。それは、『2202』が「『2199』の続編」であったがために、作品の立脚点として『2199』が強く意識された(当然ですが)ことに一因があります。

ですが、『2202』の立脚点として『宇宙戦艦ヤマト』を強調するようになれば、『2202』は「『2199』の続編」としてだけではなく、宇宙戦艦ヤマト』シリーズの新作としても理解されるようになります。要は、論点が分散するのです。『宇宙戦艦ヤマト』の前では『2199』も『2202』もちっぽけなのだ……という大きな視点を提示することで、両者の評価が相対化され、論争が沈静化する可能性もあるのではないか、と考えます。

〇より多くの人に届けるために

『ヤマトという時代』や『2205』は、かつて『宇宙戦艦ヤマト』を観て、かつリメイク版をまだ観ていない観客層をターゲットにしています。それを考えれば、情報拡散のカギとなるハッシュタグがより一般的な表現に変わっていくのはごくごく当然の判断です。

「#yamato2199」や「#yamato2202」、「#ヤマトという時代」など作品ごとにハッシュタグを分けてしまえば、その情報はそれぞれのタグの中に閉じてしまい、極端な話、それぞれの作品のファンにしか届かなくなってしまいます*1。ですが、タグを「#宇宙戦艦ヤマト」に変えれば、新作『宇宙戦艦ヤマト』の情報は「宇宙戦艦ヤマト」の情報を求める、「宇宙戦艦ヤマト」に興味のある人のもとに届くようになるわけです。

今後のあらゆる『宇宙戦艦ヤマト』新作は、「『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの最新作」との役割を担うものになっていくと、私は考えます。

*1:こういったタグはインターネットの「棲み分け」文化の名残なのかもしれません。