ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

【スターブレイザーズΛ】FGT2199さんの動画で気づかされたこと

こんにちは。ymtetcです。

FGT2199さんが、『スターブレイザーズΛ』について語るYoutube動画の中で「ymtetcのブログ」に言及してくださいました。ありがとうございます。


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今日はこの動画を観て気づかされたことについて、書いていきます。

今回の動画は、『Λ』を「(ヤマトファンの知る)ヤマトらしさはない」と言い切る語り口がとても気持ちいい動画でした。

確かに、「ヤマトらしさ」は必ずしも考慮されていない、との前提に立った方が、『Λ』の魅力はかえってはっきりとするのではないかと私は思います。

さて、私はFGT2199さんが「哲学みたい」と語るアプローチを好むタイプです。すなわち、「ヤマトらしさ」を考慮していない『宇宙戦艦ヤマト』新作に触れることは、むしろ無意識に抱いている「ヤマトらしさ」を自覚する機会になるのではないか。私はそう考えています。

FGT2199さんが今回言語化してくださったように、『Λ』は私たちヤマトファンの知る「ヤマトらしさ」を持ちません。これはそもそも、『ヤマトNEXT』シリーズが「従来の『宇宙戦艦ヤマト』に囚われない」コンセプトをとっていることに起因するもので、作品の欠点ではなく、単純に作品の性格そのものであると言えます。

ところが、『スターブレイザーズΛ』の物語は「宇宙」「戦艦」「ヤマト」の三つの要素を作中で描いています。つまり、『スターブレイザーズΛ』は「宇宙戦艦ヤマト」を描いた作品なのです。

『スターブレイザーズΛ』は、1974年から積み上げてきた『宇宙戦艦ヤマト』の過去には必ずしも目を向けません。しかし、宇宙戦艦ヤマト」が描かれたコミックであるという点で、『スターブレイザーズΛ』は間違いなく『宇宙戦艦ヤマト』の新作だと言えます。

従来の『宇宙戦艦ヤマト』に敢えて目を向けないことと、従来の『宇宙戦艦ヤマト』とは異なるアプローチで「宇宙戦艦ヤマト」を描くこと。この微妙な言葉の隙間に、私は『スターブレイザーズΛ』の魅力、そして『ヤマト』シリーズにおける『スターブレイザーズΛ』の存在意義が隠れているように感じました。

ただし、『スターブレイザーズΛ』に「宇宙戦艦ヤマト」という言葉は直接的には登場しません。ユウの「戦艦」が「ヤマト艦」と呼ばれており、舞台は「宇宙」である。それだけです。戦艦大和をモチーフとしたデザインではあるものの、宇宙戦艦ヤマト」という文字列が登場しないことで、『スターブレイザーズΛ』は、どこか『宇宙戦艦ヤマト』シリーズとは別のSF作品に見えてしまうこともあります。

私としては、是非『スターブレイザーズΛ』以後の『ヤマトNEXT』シリーズでは、意識的に「宇宙戦艦ヤマト」との単語を使ってみてほしいと思います。観客が「これが宇宙戦艦ヤマトなの!?」と戸惑ってくれたら、いよいよ「ヤマトらしさ」を探究する道のりの始まりです。是非、宇宙戦艦ヤマト」の単語を積極的に登場させて、観客の「宇宙戦艦ヤマト」観を揺さぶってみてほしいですね。