【これからのヤマト】軸の複数化と、軸同士の距離
こんにちは。ymtetcです。
今回は、複数の物語を同時進行させる手法について、考えていきます。
先日『刀剣乱舞』の話をしましたが、艦隊これくしょんと同じく山ほどキャラクターのいる本シリーズは、派生作品において、それを活かす工夫がなされています。つまり、回ごとに軸となるキャラクターを数人決め、物語を同時進行させるのです。
その中で、つい先日公開された『花丸』劇場版では、出陣しているキャラクターと本丸で待つキャラクター、それぞれにドラマを与えた点が印象的でした。また、それらとは別に遠征に出掛けているキャラクターもいて、彼らが途中、クスりと笑わせてくれることもありました。
さて、ここには、『2202』『2205』も取り組んだ「軸の複数化」が見られます。ただ今日、ここからさらに学びたいのは、複数化したそれらの軸の距離を遠ざけることの面白さです。すなわち、主人公となる複数のキャラクターたちが別行動をしていることで、物語のテンポを単調にさせずに、進行することができるのではないでしょうか。
これはちょうど、『3199』では実現しやすいと言えます。例えばデザリアムに向かう古代のヤマト、地球にとどまる雪のアスカ、調査に出かけている真田のヒュウガ、といった構図が成り立つでしょう。それぞれに同時並行的にドラマを与えていけば、観客をいい意味で振り回すシリーズが構成できる可能性さえ秘めています。
何より、旅立った人を待つ人、の視点は大事です。旧作以来、旅立ったヤマトを待つ地球のシーンは藤堂長官と司令部の場面が多かったのですが、それだけではドラマ的に物足りないのも事実です。なぜなら藤堂長官とヤマト乗組員の間に、ドラマが成立することはほとんどないからです。
そのことから考えると、例えば古代でも雪でも真田でも土門でも、いわゆる主要キャラクターを地球に残らせ、同時進行的に物語を展開する。そうすることで、ヤマトの物語はまた一歩、魅力的になるでしょう。
そして繰り返しになりますが、これは『3199』にとって、取り組みやすいアプローチと言えます。なぜなら既にこれは、『永遠に』やそのPS版が実現していたことだからです。