ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

【ヤマト3199】「愛を知りたい」アルフォン少尉

こんにちは。ymtetcです。

聞こえてきた『3199』最新情報によると、アルフォンは「愛を知りたい」キャラクターのようです。また「愛」か、とゲンナリされる人もいるかもしれません。ただ、ここから『3199』の物語の一つの軸を予想できると考えます。

では、アルフォンを通じて『3199』では「愛」がどのように描かれるのか。

『3199』の最新情報について詳しくはない私ですが、今日は『3199』の登場人物・アルフォンの人物像について考えていきます。

〇『3199』で既に確定していること

『3199』がどのような物語であるかは断片的にしか知ることができませんが、既に公刊されている資料で確定していることもあります。

『2202』のガトランティス然り、人とは相容れぬ異化された存在が、逆説的に人間のなんたるかを浮かび上がらせる。これから生き辛さが増すと確定している時代だからこそ、安易な人間賛歌にはしない。むしろ現実の刻苦を引き移したかのような状況下で、人であることをやめてしまった異星人との対立を通し、『2202』が描いた人間論のさらに先を目指す。

(『2205 全記録集』141頁、太字は引用者)

それは『3199』が、「人であることをやめてしまった異星人との対立」を通して、「人間賛歌」を描く作品であるということです。

〇福井ヤマトにおける「愛」

”愛”は決して無力でも、凶器に転じる危険な言葉でもない。過酷な現実と折り合い、時に修正を促すための力――ヒューマニズムの極致として、我々一人一人が強く意識していかなければならない、それこそ生物学的な本能として与えられた力なのだということの再話。自らが語り、自らが壊してしまったメッセージを再び語り得た時、ヤマトの真の復権が為されるものと確信します。

福井ヤマトにおいて「愛」とは「ヒューマニズムの極致」と位置付けられています。より端的に言い換えれば、福井ヤマトにおける「愛」とは”人間性”のこと。つまり『3199』も、「人であることをやめてしまった異星人」、すなわち「愛を否定する異星人」との対立を描く、ということになります。

〇ズォーダーとは何が違うのか

では、『2202』のズォーダーとアルフォンは、一体どのように異なるのでしょうか。

ポイントになるのは、「知る」という言葉です。

古代「ずっと気になってたんだ。愛を嗤い、否定しようとするガトランティス。それは、彼らも愛を知っていることの証明なんじゃないかって。愛に傷つき、苦しめられてきたからこそ、愛を憎むんじゃないかって」

(『2202』第20話)

『2202』におけるズォーダーは、愛=人間性が何を引き起こすのかを知っているがゆえに、それを否定しようとするキャラクターでした。

語り部A「なにかに固執し、失いたくないと願う愛が、他者への警戒と恐怖を生む。そして、愛を踏みにじる戦争を引き起こしさえする」

語り部B「その点、ガトランティスは、愛に縛られぬがゆえに純粋であり、公平で平和な社会を造り得る」

語り部A「だが、そう語るズォーダーもまた、愛からは逃れられなかった」

(『2202』第20話)

〇アルフォンは「愛」を知らない

メルダーズ「落ち着け。お前のその感情がノイズをよりひどいものにする。われらの目的を忘れるな。一刻も早くイスカンダルを持ち帰ることだ」

デザリアムの設定は未だよく見えてきていませんが、『2205』では、彼らが人間の「感情」に対してあまり肯定的ではない部分が見え隠れしています。

現時点で言えることは、アルフォンが「愛を知らない」キャラクターとして登場することです。そこにどんな設定があるのかは不明ですが、それは間違いないでしょう。アルフォンは、愛を否定するとか肯定するとか以前に、愛を知らない。少なくとも、知識としては知っていても、実感としては知らない。だから、彼は「知りたい」と思うようになるのです。

流れてきている『3199』最新情報のなかには、「古代と雪は離れ離れになる」というものもあります。原作通りに展開するとすれば、アルフォンと雪の関係も『3199』の一つの軸となるでしょう。

とすれば、アルフォンが「愛を知りたい」と思うようになったきっかけは、おそらくは原作通り、古代と雪が離れ離れになる場面を目撃したことではないかと考えます。

「知識としての『愛』は知っているが、実感としては知らない」アルフォンとデザリアムの人々を通じて、『2202』とは異なるアプローチから「人間賛歌」を描く。それが『3199』の物語だと考えれば、実に福井ヤマトらしい作品だと言えます。

 

デスラー「しかも、今お前たちが見せたものは何だ……?ガミラスのためとは言え、これまで私は破壊と暴力にのみひたすら美しさを求めて生きてきた。私は孤独だった。私の目には、愛する者の姿が映らなかった……。」

(『ヤマト2』第24話)

アルフォンを通じて『ヤマト2』のオマージュもできそうですしね。