こんにちは。ymtetcです。
前回「今の『ヤマト』には付加価値がない」とのお話をしました。では、『宇宙戦艦ヤマト』というタイトルが本来持っている価値とは、何なのか。
今日は、これについて考えていきたいと思います。
『宇宙戦艦ヤマト』が本来持っている、他の作品にはない価値。
それは、主役メカである「宇宙戦艦ヤマト」そのものにあります。宇宙戦艦ヤマトが何らかの目的をもって旅立ち、その艦内や周辺で起こる出来事が物語になる。このプロットにこそ、『宇宙戦艦ヤマト』の他の作品にはない価値が生まれると考えます。この点では、『銀河鉄道999』に似ています。
そこで、今後の『ヤマト』に必要なのは、「宇宙戦艦ヤマト」を主役にしたプロットを構想していくことだと考えます。『宇宙戦艦ヤマト』の主役を「宇宙戦艦ヤマト」にするのです。
『2202』以降、福井ヤマトはキャラクターをプロットの核に据えてきました。古代進・デスラー・土門竜介など、福井ヤマトは、彼らを主役とする物語としては、一定以上の水準を常に維持していたと思います。
しかしその反面、「宇宙戦艦ヤマト」を軸にプロットを読み解いてみると、その大半は旧作『さらば』『新たなる』をほとんど踏襲しており、キャラクターのプロットほど大胆なアップデートは見られません。
このままでは、旧作と同じ「毎年のように宇宙人が攻めてくる」構図から抜け出せず、『完結編』リメイクへと向かったとしても、凡庸なプロットが踏襲されたままになってしまいます。
これからのリメイク『ヤマト』は、かつて『ヤマトⅢ』が目指したような、「宇宙戦艦ヤマト」を軸とする新しいプロットの開発を目指すべきではないでしょうか。第一作の「宇宙戦艦ヤマトは、人類滅亡の危機を救うため、遠く離れた女神の星へと旅立つ」に比肩するような、新しいプロットです。
リメイクシリーズは、ちょうど『永遠に』と『Ⅲ』の部分に差し掛かっています。今回も、キャラクターを核とするプロットについては心配する必要はないでしょう。
しかし、『3199』が「この作品が『宇宙戦艦ヤマト』であること」以上の価値を持たせたいのなら、かつて『Ⅲ』が挑戦したような、新しいプロットの開発にチャレンジしてもらいたいですね。