ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

宇宙戦艦ヤマトに「日本人」以外を乗せると何が起こるか?

こんにちは。ymtetcです。

宇宙戦艦ヤマト』のヤマトに「日本人」以外が乗らないのはお約束ですが、なぜリメイクでキーマンが乗ったことは、それほど大きな出来事だと見なされなかったのでしょうか。それは、キーマンは「外国人」のメタファーであったからです。

そこには『ヤマト』における異星人の役割が見えてきます。つまり『ヤマト』における異星人とは、「われわれ日本人」にとっての「外国人」のメタファーなのです。

もし仮にヤマトクルーの中に日本以外の出身者が乗り込んだ場合、(それはそれで素晴らしいことだと私は思うのですが)違和感を覚える人が増えるでしょう。

なぜなら従来の『ヤマト』で描かれてきた「我々日本人」と「外国人」のメタファーが、「(我々日本人と外国人を含めた)地球人」と「異星人」という構造に変化してしまうからです。

つまり、「日本人」と「外国人」のメタファーが成り立たなくなり、真の意味での地球人と異星人の関係を描く、極めて宇宙SF的な物語の構図になってしまうのです。

 

もし今後の作品で、「日本人」以外の乗組員をヤマトに載せると言う発想が出てきた場合(それはもちろん素晴らしいことだと思いますが)、作品の持っている構造が変化することを頭に入れておきたいところです。

繰り返しになりますが、従来「日本人」と「外国人」のメタファーであったクルーと異星人との関係が、クルーの中に外国人が入った場合、地球人と異星人の対比に変わります。もしもヤマトに「日本人」以外のクルーを載せるのであれば、その変化を頭に入れた上で、新たな物語を構想するというスタンスが必要なのではないでしょうか。