ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

【これからのヤマト】名作の威を借りたスピンオフ

こんにちは。ymtetcです。

今日は『宇宙戦艦ヤマト』のスピンオフを作る際、どのようなアプローチをとればよいかを考えてみます。

先週から、『スターウォーズ』より『オビ=ワン』のスピンオフを観ています。そのために、わざわざDisney+へ加入したほどです。

現状、正直に言ってあまり面白いとは思っていないのですが、改めてスターウォーズシリーズスピンオフを眺めると、「エピソード3とエピソード4の間」を描くスピンオフが多いと分かります。エピソード4が、いわゆる最初の『スターウォーズ』で、エピソード3は、ダースヴェイダーと銀河帝国誕生までを描く3部作の完結編にあたります。

さて、このような立ち位置の作品は、『宇宙戦艦ヤマト』でいえば『アクエリアスアルゴリズム』にあたるでしょう。

しかし問題は、『アクエリアスアルゴリズム』を挟んでいる『完結編』『復活篇』の魅力度、知名度が高くないことです。これはプロモーション的な観点から言っても、またファンの盛り上がりの観点から言ってもいいことではありません。

そこで、今後スピンオフを増やすなら、魅力度や知名度の高い作品と関わりのある作品だとする戦略が大切だと考えます。その意味では、やはり第一作。あの第一作の続編を作ることが、スピンオフ、あるいは旧作シリーズの新作を成功させるためには必要なのではないでしょうか。

ただこうした時に、あの『さらば』を使えないのは痛いですよね。

そう考えると、あるいは『さらば』の続編を、スピンオフで作ってもいいかもしれません。もちろん「神聖な『さらば』を汚した」と言われるでしょうが、反面、ヤマトの行き詰まった現状を打破するポテンシャルは大いに秘めています。リスクを背負う価値は十分にあると考えます。

【ヤマト2202】こそ「二章ごと」だった!

こんにちは。ymtetcです。

『ヤマト2205』の魅力は、すぐ終わったことだと考えています。前後編のテンポの良い展開が、濃厚なドラマと歯切れの良い演出にマッチして、まとまった映画を作り出していました。

一方、『3199』のような全26話だと、第七章までに間延びのリスクがあります。だからこそ、最終章は別の映画と考えて、二章ごとの前後編×3本として、構成してはどうか。そんな記事を以前書きました。

しかし、よく考えると『ヤマト2202』が既にそうだったことに気づきました。

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【これからのヤマト】軸の複数化と、軸同士の距離

こんにちは。ymtetcです。

今回は、複数の物語を同時進行させる手法について、考えていきます。

先日『刀剣乱舞』の話をしましたが、艦隊これくしょんと同じく山ほどキャラクターのいる本シリーズは、派生作品において、それを活かす工夫がなされています。つまり、回ごとに軸となるキャラクターを数人決め、物語を同時進行させるのです。

その中で、つい先日公開された『花丸』劇場版では、出陣しているキャラクターと本丸で待つキャラクター、それぞれにドラマを与えた点が印象的でした。また、それらとは別に遠征に出掛けているキャラクターもいて、彼らが途中、クスりと笑わせてくれることもありました。

 

さて、ここには、『2202』『2205』も取り組んだ「軸の複数化」が見られます。ただ今日、ここからさらに学びたいのは、複数化したそれらの軸の距離を遠ざけることの面白さです。すなわち、主人公となる複数のキャラクターたちが別行動をしていることで、物語のテンポを単調にさせずに、進行することができるのではないでしょうか。

これはちょうど、『3199』では実現しやすいと言えます。例えばデザリアムに向かう古代のヤマト、地球にとどまる雪のアスカ、調査に出かけている真田のヒュウガ、といった構図が成り立つでしょう。それぞれに同時並行的にドラマを与えていけば、観客をいい意味で振り回すシリーズが構成できる可能性さえ秘めています。

何より、旅立った人を待つ人、の視点は大事です。旧作以来、旅立ったヤマトを待つ地球のシーンは藤堂長官と司令部の場面が多かったのですが、それだけではドラマ的に物足りないのも事実です。なぜなら藤堂長官とヤマト乗組員の間に、ドラマが成立することはほとんどないからです。

そのことから考えると、例えば古代でも雪でも真田でも土門でも、いわゆる主要キャラクターを地球に残らせ、同時進行的に物語を展開する。そうすることで、ヤマトの物語はまた一歩、魅力的になるでしょう。

そして繰り返しになりますが、これは『3199』にとって、取り組みやすいアプローチと言えます。なぜなら既にこれは、『永遠に』やそのPS版が実現していたことだからです。

【ヤマト3199】土門には揚羽が必要

こんにちは。ymtetcです。

『2205』で始まった土門竜介の物語。しかしそれは、まだ序章に過ぎないと考えます。今日は、これについて考えていきます。

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【これからのヤマト】日常を感じられる作品に

こんにちは。ymtetcです。

いきなりですが、「刀剣乱舞」というゲームを始めました。「艦これ」の刀剣バージョンだと考えてください。

「刀剣男士」を集めて育てるシンプルなシステムで「作業ゲー」とも言われる作品ですが、「本丸」の仕事に刀剣男士を割り振るなど、キャラクターへの愛着を育んだり、その愛着を表現したりするための、細やかなディテールが光っているゲームでした。

さて、ここから『ヤマト』が学びたいのは、本筋ではない部分で日常を感じさせるシステムを用意すること、の重要性です。

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【これからのヤマト】「定番」のその先を描く

こんにちは。ymtetcです。

歴史的名作は、そのプロットに魅力がある場合は多いと思います。

今日はこれについて考えます。

 

例えば『宇宙戦艦ヤマト』のプロットの場合、「異星人の攻撃によって滅亡まであと1年」との点に秘密があると考えます。

すなわち、第一作ヤマトは「地球に異星人が攻めてくる」との定番のプロットを踏襲しつつ、地球がその異星人に敗北したの物語を描いているのです。ヤマトの第一話が少なからず人を惹きつけたのは、定番のプロットをベースに、やや捻ったアプローチをとったことが一つの要因でしょう。

 

さて、ここから、これからのヤマトに向けて二点、指摘できます。

一つに、このアプローチそのものは、何度でも踏襲できるということです。

定番のプロットに対して「その先」を描く。この考え方そのものは、「定番のプロット」をその都度入れ替えれば何度でも利用できますよね。

思えば『さらば』がヒットしたのも、第一作という物語に対して「その先」を描いたからではないでしょうか。また、第一作が単純な「地球に異星人が攻めてくる」プロットではなかったからこそ、「地球に異星人が攻めてくる」という『さらば』のプロットも、ある意味で新鮮だったのではないでしょうか。

 

もう一つ、第一作や『2199』の前日譚が「定番のプロット」足りえる可能性も指摘できます。

第一作や『2199』が、「地球に異星人が攻めてくる」の先を描くのであれば、その前日譚は、「地球に異星人が攻めてくる」という定番の物語です。定番であるということは、それだけで一定の価値を持ちますよね。

その「定番」の枠組みを利用すれば、あるいはテレビシリーズ級のスケールの大きな物語を展開する余地も生まれるのではないでしょうか。

 

このように、定番と非定番を意図的に使い分けることが大切です。しかし私としては、やはりヤマト第一作の魅力は「定番のその先」を描いた意外性にあると思います。

「定番」は決して、「地球に異星人が攻めてくる」だけではありません。他の「定番」を用いてその先を描くことも、不可能ではないはずです。このアプローチを踏襲し続ければ、またいつか、かつての第一作冒頭のような、優れたプロットが生み出せるのではないでしょうか。