ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

【これからのヤマト】日常を感じられる作品に

こんにちは。ymtetcです。

いきなりですが、「刀剣乱舞」というゲームを始めました。「艦これ」の刀剣バージョンだと考えてください。

「刀剣男士」を集めて育てるシンプルなシステムで「作業ゲー」とも言われる作品ですが、「本丸」の仕事に刀剣男士を割り振るなど、キャラクターへの愛着を育んだり、その愛着を表現したりするための、細やかなディテールが光っているゲームでした。

さて、ここから『ヤマト』が学びたいのは、本筋ではない部分で日常を感じさせるシステムを用意すること、の重要性です。

キャラクターの日常を描くメリットは少なくありません。観客のキャラクターに対する愛着は作品を超えて続いていくものであり、グッズの売上にも直結しやすいものです。

ただ『ヤマト』の場合、ハードな世界観ゆえ、どうしても日常シーンは限られたものになります。例えば『2202』は、特にヤマトが発進してからは、そうしたシーンはほぼ皆無であったと言っていいでしょう。

では、どうすればいいか。

実は、重要なのは日常シーンの有無ではなく、キャラクターたちの日常を感じさせる「システム」の有無なのではないでしょうか。

刀剣乱舞」では馬の世話や畑仕事、訓練といった本丸での業務にキャラクターたちを割り振ることができます。しかし、キャラクターを割り振る以上のことが特に起こるわけではありません。もちろん、特定のキャラクターを組み合わせれば特殊会話が見られるのですが、せいぜいそれだけ。

それなのに、私は「刀剣乱舞」から、間違いなく日常を感じました。

すなわち『ヤマト』でも、キャラクターたちが何時にどんな業務を始めて、どこでどんな食事をとり、どこでどんなスタイルで睡眠をとっているか、といったシステムを確立させ、ハードな世界観の中に組み込んでいく。それができれば、日常シーンがなくとも、観客に日常を感じさせることができるのではないでしょうか。

さて、お気づきの方も多いでしょう。これは旧作ヤマトや『2199』ができていたことなのです。そして、『2202』がおそろかにしていたことでもあります。

 

大切なのは、日常や生活を描くシーンそのものでなく、システム。その中でキャラクターを配置し、動かしていけば、いかにハードな物語や世界観であっても、観客に日常を感じさせ、物語とキャラクターに深みを与えることができる。

 

『3199』は安田監督のもと、キャラクターに深みを与える方向性をとる作品になるはずです。反面、福井脚本はハードではありますが、それでも、日常を感じさせるようなシステムを丁寧に描写すれば、その両立も可能になると私は考えます。