こんにちは。ymtetcです。
前回の記事では、「大人向け」のスタンスをとることが、リメイク・ヤマトの門戸を広げる上では重要だと述べました。
そして、その観点に立てば、『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』は、ほとんど完璧な作品であったと言わざるを得ません。
『2205』は、福井さんによる「大人向け」脚本に、岡さん・皆川さんの「『ヤマト』と『2199』『2202』を深く知る」脚本、そして「ヤマトファンではない」安田監督の新しい映像が組み合わさってできたものでした。
その結果、『2205』は以下のようなコンセプトをもつ作品となりました。
- 旧作派のヤマトファンにとっては懐かしい『新たなる旅立ち』
- リメイク派のヤマトファンにとっては『2199』『2202』が融合した『2205』
- ヤマトファンではない人にとっては「大人向け」の普遍的な物語
このように、『2205』には、以上のような3つの”顔”があったと考えます。この3つの”顔”は、とてもバランスがいいですよね。
それなのに、『2205』が大ヒットしたとは言い難い。これが、私が悲願的になってしまう理由です。
もちろん、シリーズ作品の三作目ですから、新規層の動員は難しいでしょう。また、後章が前章ほどの出来ではなかったことも影響しているとは思います。しかし、それにしても、旧作ファン、2199ファン、2202ファンをバランスよく満足させようとした『2205』が、あまり「大ヒット」とはいかなかったことは事実です。これまで「バランスの取れた門戸の広い作品」を理想と考えてきた私としては、やはり悲願的にならざるを得ませんね。