ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

『宇宙戦艦ヤマト』は戦記物になり得るか?

こんにちは。ymtetcです。

最近、『スターウォーズ』のアニメシリーズ『クローンウォーズ』を見始めました。分かりやすく、だが複雑な戦記もの、との印象ですが、面白いです。色々な人に勧められてきたのも分かる気がします。

そこで今日は、『宇宙戦艦ヤマト』で『クローンウォーズ』のような戦記ものが作れるのかどうか、考えてみたいと思います。

結論から言えば、『ヤマト』で戦記ものをするためには「世界観」と「キャラクター」が不足していると考えます。リアルな戦争を描くためには世界観が足らず、リアルな戦争の中での人間模様を描くためにはキャラクターが足りません。

それは、二次創作からも見て取れます。

MMDを利用して作られた二次創作では、「〇〇沖海戦」のタイトルをもった、戦記ものの作品が少なくありません。

その作品である程度共通して言えるのは、「設定のディテール」と「新キャラクター」を追加していることです。それは、そのままの状態の『ヤマト』では、なかなか戦記ものとして成立させるのが難しい、ということを示しています。

スターウォーズ』と違い、戦記ものとするには、『宇宙戦艦ヤマト』にはキャラクターと世界観が足りません。だから二次創作では、そこが補われるのではないでしょうか。

裏を返せば、公式もそこを補う人材を集めれば、戦記もの的な新作を生み出すことも可能というわけです。また『クローンウォーズ』がスターウォーズ世界を大きく拡張したことを見ると、そうした新作は『ヤマト』の世界観を大きく広げてくれる可能性もあります。

もちろん、その未来が正しいかどうかは分かりませんが……。

『ヤマト2205』が『2202』より「食べやすい」理由

こんにちは。ymtetcです。

今日はドラマの作り方に注目して、『2205』が『2202』よりも「食べやすい」、すなわち楽しむことが容易であった理由について、考えていきます。

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素直ではない「福井ヤマト」

こんにちは。ymtetcです。

福井さんの作る『ヤマト』は、物語に深みを出そうとする傾向が強いですよね。しかし良くも悪くも「素直ではない」のが福井ヤマトの特徴です。

今日は、このことについて考えていきます。

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【リメイク・ヤマト】悲観的にならざるを得ない

こんにちは。ymtetcです。

前回の記事では、「大人向け」のスタンスをとることが、リメイク・ヤマトの門戸を広げる上では重要だと述べました。

そして、その観点に立てば、『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』は、ほとんど完璧な作品であったと言わざるを得ません。

 

『2205』は、福井さんによる「大人向け」脚本に、岡さん・皆川さんの「『ヤマト』と『2199』『2202』を深く知る」脚本、そして「ヤマトファンではない」安田監督の新しい映像が組み合わさってできたものでした。

その結果、『2205』は以下のようなコンセプトをもつ作品となりました。

  1. 旧作派のヤマトファンにとっては懐かしい『新たなる旅立ち』
  2. リメイク派のヤマトファンにとっては『2199』『2202』が融合した『2205』
  3. ヤマトファンではない人にとっては「大人向け」の普遍的な物語

このように、『2205』には、以上のような3つの”顔”があったと考えます。この3つの”顔”は、とてもバランスがいいですよね。

それなのに、『2205』が大ヒットしたとは言い難い。これが、私が悲願的になってしまう理由です。

もちろん、シリーズ作品の三作目ですから、新規層の動員は難しいでしょう。また、後章が前章ほどの出来ではなかったことも影響しているとは思います。しかし、それにしても、旧作ファン、2199ファン、2202ファンをバランスよく満足させようとした『2205』が、あまり「大ヒット」とはいかなかったことは事実です。これまで「バランスの取れた門戸の広い作品」を理想と考えてきた私としては、やはり悲願的にならざるを得ませんね。

【これからのヤマト】「大人向け」の優位性

こんにちは。ymtetcです。

これからのヤマトを占う論点の一つに、「ファンの世代交代」を目指すか否か、が挙げられます。今日はこれについて、考えます。

リメイク・ヤマトは、『2199』でファンの世代交代に成功しなかった(失敗とは言えませんが)ことを踏まえて、『2202』では旧作世代に向けた物語へと方針を転換しました。『2205』も『3199』も、この『2202』路線の延長線上にある作品です。

さて、本質的に言えば、『2202』以降のリメイクヤマトのアプローチには、ある程度一貫性があります。

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