こんばんは。ymtetcです。
時間断層とは、2202の第3話で登場した魔法の箱です。断層内では時間の流れが早く、外で3年が経つ間に中では30年が経っている、という。
2202における使い方
2202では、地球防衛軍が大艦隊を持つという展開へと結実しました。アンドロメダ級5隻に始まり、ドレッドノートの量産、そして波動実験艦銀河・アンドロメダ級のさらなる量産へと物語は続きます。
このように、2202では兵器のインフレーションを起こす理由付けとして時間断層が活用されました。
2199と時間断層の意外な接点
ちなみにこの時間断層、小倉信也さんの解説*1では、「重力が時間の進みを変化させる」という理屈が引用されています。
実はこの理屈、2199「星巡る方舟」における「大和ホテル」(中で7日が経ったが、外では数時間しか経っていなかった)でも引用されています*2。
時間断層を物語に取り入れようとしたのは2199ファンの岡秀樹さんと言われていますが、「方舟」を参考にした可能性もありそうですね。
2199ならこう使ったかも
さてこの時間断層、もし2199の方針ならば*3、このように利用されたのではないでしょうか。
- 外で3年が経つ間に、内側では30年が経った時間断層。その力によって、「30年後の最新鋭戦艦・アンドロメダ」が、たった3年のうちに就役した。
と。旧作の時点で「復興が早すぎる」という指摘があったのですから、その理由付けとして時間断層を活用する。ヤマトとアンドロメダの技術的ギャップを作りたい狙いと、キャラクターの年齢を進めたくない思いとのジレンマを解決するために、時間断層を活用したことでしょう。
もしかしたら岡さんの初期案も、これが狙いにあったのかもしれません。
2199と2202、アプローチの違い
ここから見えるアプローチの違いは、
- 2199は、旧作の枠内にゴールがある
- 2202は、旧作を乗り越えて全く新しい物語を作ることにゴールがある
という違いです。
2199は、旧作の枠内で旧作とは異なる作品を作ることにゴールがありました。
一方2202は、旧作は旧作として踏まえ、その延長線上──しかし旧作の枠外──に新しい物語を作ることがゴールです。*4
だからこそ時間断層を、旧作の事象に対する理由付けではなく、旧作の路線を更に加速させるために用いたのでしょう。
このような2202のスタンスはもちろん評価しても良いことですし、逆に「旧作を蔑ろにしている」と批判しても良いでしょうね。好みの分かれるポイントだと思います。