ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

【ヤマト2202】敵艦支援ナビゲータ/安定感困難【誤植】

『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』第六章「回生篇」冒頭11分 - YouTube

こんばんは。ymtetcです。

ヤマト2202第六章「回生篇」の冒頭10分が公開されてから、劇中モニター画面の誤植が話題になっています。今日は、その背景について考えていきます。

目次

取り上げる二つの誤植

今回取り上げる二つの誤植は、多くの方が指摘されておられる

「敵艦支援ナビゲータ」

「安定感困難」

です。

ヤマトが「敵艦支援」というのは常識的に考えておかしいですよね。ちなみに、ヤマト艦内には敵艦を支援する存在がいます。桂木透子です。しかし、彼女の存在を念頭においても、「敵艦支援ナビゲータ」なるものが存在し、それがフェイズ3に移行していることなど、考えにくいと言わざるを得ません。

「安定感困難」に至っては、既に日本語としておかしいです。

ということで、もう少し考えてみましょう。

 

離艦支援ナビゲータ

私はまず、「敵艦支援ナビゲータ」なる単語が実在するかどうかについて検索を掛けてみました。もちろん実在はしませんでしたが、思わぬ副産物を得ることが出来ました。

「敵艦支援ナビゲータ」←「離艦支援ナビゲータ」なのでは?

という情報です。なるほど、確かにその通りだと思います。

となれば次に、安定感困難が何の誤植なのかについても考えてみることにしました。

 

安定化困難

これがその問いに対する私の答えです。PCなりスマホなりで、「あんていか」と打ち込んでみてください。「安定化」と並んで「安定感」が候補に挙がりますよね。

このような誤植は、スマホ入力の方が起こりやすいもの。「安定化」よりも「安定感」と入力する機会の方が相対的に多いからです。

さて、誤植の元ネタに迫った所で、このような誤植に至った背景も考えてみます。

 

副監督ツイート

背景を考えるにあたって、大きなヒントを副監督が与えてくれました。

おっとむらかわさんの悪口はそこまでだ

というツイートです。このツイートには

  • むらかわの仕事だから俺のせいじゃない
  • お前らが大好きなむらかわの仕事なのに叩くの?

といった感じの意味合いが込められているでしょうか。

むらかわさんの仕事であっても誤植を見落とした「副監督」に責任がないはずないでしょ……といった話は置いておきます。それよりも、このモニターデザインがむらかわさんの仕事であるというのは大きなヒントになります。

 

誤植までの流れ

私は、むらかわさんがどのようなスタイルでモニターデザインを作っておられるかを承知していないので想像となってしまいます。そこはご了承ください。「こういった手順で作業をすると誤植が起こるのかな」ということを考えてみました。

まず、むらかわさんによる手書きのモニターデザインがあります。

それを、本編中の3Dに落とし込むスタッフがいます。

誤植の内容を見るに、この誤植は後者が引き起こしているのだと思います。

そう考える理由は、「りかん」を「てきかん」に誤植しているからです。そもそもこの二単語は読み方が全然違うのですからタイプミスではありません。後者のスタッフが手書きの「離艦」を「敵艦」と読み間違えてしまったと考えられますよね。

これは、「安定化」「安定感」の誤植よりもずっと残念な誤植だと思います。

何故ならば、本編中に落とし込む後者のスタッフが、日本語の意味や本編中の流れを全く考えずに作業をしているということが分かってしまうからです。

まだ「安定感」だけならば、タイプミスで済みます。しかしこれは、根本から認識を間違えているということであり、これに気が付かないのは「やっつけ仕事」の現れに見えてしまいますね。

完全な推測ですが、作業を外注してしまったのかもしれません。例えば文書館などでは、手書きの文章を電子媒体に記録する場合アルバイトを大量に雇うことがあります。そういった際に、こういう誤植はしばしば見られます。

 

他ヤマト作品の誤植

ちなみに、これまでのヤマト作品にもこういった誤植はありました。

宇宙戦艦ヤマト 復活編プロモーションビデオ - YouTube

例えば復活篇プロモビデオの「FRAGSHIP」(正しくはFLAGSHIP)。

「宇宙戦艦ヤマト2199 第二章 太陽圏の死闘」 PV 120秒バージョン - YouTube

あるいは2199第二章の「ALART」(正しくはALERT)。

どちらも英語のスペルミスですね。

これらは幸いにもプロモビデオで間違いが明らかになり、本編では修正されました。しかし、2202は……もう間に合いません。

テレビ放送でも修正されないようですから、とても残念だと思いました。