こんばんは。告知です。
2019年3月21日より広島マリーナホップにて『宇宙戦艦ヤマト2202』の世界が体感できる展示型イベント開催決定!往年の『ヤマト』ファンはもちろん、本作を知らない方にも、お楽しみいただける展示イベントですので、是非ご家族やお友達ともお越しください!詳細→https://t.co/NR1Rx8FgsI#yamato2202 pic.twitter.com/vTUJqAKLFx
— 宇宙戦艦ヤマト2202製作委員会 (@new_yamato_2199) December 27, 2018
ヤマト2202の広島贔屓が目立ちます。
贔屓といっても、別に不公平とかアンフェアだと言いたいわけではありません。
むしろ考えてみますと、ヤマト2202と広島サイドの双方が求めあって、この現状に至っている感が強いのです。
ヤマト2202における広島県
そもそも宇宙戦艦ヤマトと広島は、縁があるようでなかったものでした。
大和ミュージアムを中心とした松本零士系の「宇宙戦艦ヤマト」文化はあれど、作品に具体的な形で広島が登場したことも、言及されたこともありませんでした。
その向きが変わりつつあるのがヤマト2202なのです。
- ヤマト発進地は呉
まず、2202のヤマトは呉で改装され、呉から発進したという裏設定があります。
『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』第二章 発進篇 本予告60秒ver. - YouTube
予告編のこのシーンを見ていただければ分かる通り、ヤマトは瀬戸内海を背景に飛び立っています。
このアイデアは、戦艦大和誕生の地からヤマトが飛び立つということなので、宇宙戦艦ヤマトとしての正当性があるものですよね。
- 第六章における鞆の浦
飛んで第六章、再び2202に広島の情景が登場します。
芹沢の「徹底抗戦」演説がなされる一連のシーンにおいて、最後、地球艦隊を見送る親子(?)と灯台が映りますが、この場所は鞆の浦であると見ていいでしょう。
第六章公開時、イッキ見上映会と称して広島県・福山で第六章の先行上映会がありました。第六章において唐突に登場した鞆の浦は、この企画と関連して登場した、と考えた方が自然です*1。
- 第六章EDにおける呉
ちなみに第六章にはもう一つ広島の情景が登場します。エンディングテーマの背景に、現代の呉の街並みが映し出されるのです。これもまた「戦艦大和ゆかりの地」ということで登場したものでした。
- 異例のテレビ放送
テレビ東京系、しかも全国三局の放送となってしまった2202にとって、地方でのテレビ放送は望み薄と考えられてきました。そんな中、テレビ東京の系列局が存在しない広島県のローカル局・RCC中国放送にて、唐突なテレビ放送が実現しました。
- 全国初のイベント開催
そして、今回の広島マリーナホップにおけるイベント。規模や質を求めるのは酷ですが、曲がりなりにも全国初のイベントが広島県で開催されることに。
RCC中国放送と羽原信義
ヤマト2202のスタッフには、意外と中枢に近い所に広島県出身者がいます。
まずは監督の羽原信義。次いで脚本の岡秀樹。そして美術監督の谷岡善王です。
谷岡さんは第六章のエンディングイラストを主導したスタッフの一人でした。
そして何より、監督の羽原さんこそがこれらの動きの中心にいます。
実は、このテレビ放送・イベントを主催する広島のローカル局・RCC中国放送は、羽原さんの代表作の一つ「蒼穹のファフナー」をつい最近になってテレビ放送しています。
10/7より中国放送(RCC<広島地域>)にて「蒼穹のファフナ―」放送決定!|NEWS|蒼穹のファフナー THE BEYOND
今回のイベントのポスターにも
とあり、羽原監督を猛プッシュしています。
ならば、今回のテレビ放送もイベントも、実現をみたのはヤマト推しではなく、羽原監督推しの結果であると考えるのが自然です。
テストケースになり得る
ヤマト2202がこれほど、特定の地域に限定して推し、推されたことはありません。
ここから私が気になるのは、テレビ放送とイベントに向けて進むであろう広島県の(相対的に他の地方よりも強い)結果的なヤマト2202推しの流れが、第七章の広島県における動員にどう影響するかということです。
我々がその正確な結果を知る由はありませんが、制作側から見れば、これは良いデータが得られるのではないでしょうか。
また、テレビ放送と第七章の上映が、イベントの動員にどれほど作用するか。そもそもイベントに人は集まるのか。これも気になりますね。
全国巡業の類ではなく地方オンリーのイベントなので、正直中身のクオリティに関しては期待薄かと思います。
ヤマト2202ファンとして一見の価値があるイベントではあるものの、実際に満足のいくものであるかどうかは現状、疑問です。
しかし、間違いなく一つのテストケースにはなり得るでしょう。
現在進行の「ヤマト」がメディアにとって、製作委員会にとって「推す」に足る作品かどうか。
試されるイベントになりそうです。