ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

第5話『宇宙戦艦ヤマトNEXT スターブレイザーズΛ』メモ

こんにちは。ymtetcです。

宇宙戦艦ヤマトNEXT スターブレイザーズΛ』第5話「End(less) Universeが公開されました。

comic.webnewtype.com

今回はマリナ回の前編、といったところです。

今日は感想と所見を、いくつかメモ書きしていくことにします。

○パターンが見えてきた?

今回の第5話は、7月に公開された第3話と非常に構成が似ていました

本作の進め方としては戦闘回と日常回が交互に展開されることが既に明かされていますが、日常回の進め方にも一定のパターンがありそうです。

「パターン」という言葉に否定的なイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、私はそうは思っていません。むしろパターンとして一つの型があった方が、展開に変化をつけた時の効果が大きくなると私は考えています。具体例としては実写版『ヤマト』ですね。波動砲を一つのパターンとして映画に組み込んでいたからこそ、波動砲に蓋をされたあの展開が、絶望感・閉塞感を劇中人物にもたらしたわけです。

では、『Λ』第5話と第3話の構成比較に話を戻します。

第3話は、ヒューゴー回の前編でした。

ユウとの関わりの中からヒューゴーの過去が明かされ、アビーとアレクセイがセイレーネスを研究し、リンネとユウの関わりが描かれたのです。

今回はマリナの過去、セイレーネス研究、ニーナとユウ、リンネとユウの四本立て。ニーナとユウのパートが目新しいものでしたが、おおよその構成は似ています。この流れでいけば、次回はセイレーネスの襲来とマリナの「頓悟」になると思われます。

ヒューゴーにせよマリナにせよ、それぞれの過去にはディヤウスの事故が影を落としています。『Λ』がユウの物語として収斂していくのであれば、この仕掛けは今後行かされるものとなるでしょう。

○華麗なパスワーク

第5話ではまずマリナの過去が描かれ、次に現在のマリナが目覚めるシーンに繋がりました。そして、マリナがユウにイヌイットの文化を語り、セイレーネスとの争いに思いをはせるシーンから、アビーとアレクセイがセイレーネスの謎に迫るシーンへと視点は移行します。「セイレーネスは未来の人類なのか?」と仮説が打ち出されたところで、ユウとニーナ・ネルソンの会話に移行し、そこで「エンドレスユニバース」が語られます。

それぞれのシーンは単体のエピソードでありながら、流れるように構成が組み立てられています。見事なパスワークです。シンプルな技巧ですが、実際に構成するのはとても難しい。個人的には高く評価しておきたいポイントです。

○キャラクターの結びつき

さて、第5話では今後の展開に繋がるであろう、キャラクター同士の過去における結びつきも、いくつか明かされました。

まず驚きだったのは、ニーナとユウがゲーム(「キングダムアニマリア」)でゲームメイトだった、と明かされたことでしょうか。それに気づいた時のニーナの表情とその後インサートされた回想場面の様子からして、ニーナにとってこのゲームはかなり意味の深いものだったようです。今後訪れるであろうニーナ回において、この設定は活かされることになりそうです

ユウが主人公でありながら、その周辺にいるキャラクターに焦点を当ててゆくとき、やはり課題になるのが「主人公不在にならないか」ということですが、その課題に対して、『Λ』は丁寧に向き合おうとしている作品に見えます。

そして、今回はリンネとマヤ(ユウの母親)の繋がりも、これまでより明確な形で描かれました。「やっぱりあなたの言う通りだった」「約束」「守れなくてごめんね」は、間違いなく今後に繋がるセリフでしょう。

また、ミスリードであれば話は別ですが、現時点の描写を見る限り、マヤはある人物によって殺されたようです。そうであれば、マヤを殺したのは誰なのでしょうか。指輪が大きなヒントになりそうです。

指輪を見た時に真っ先に思い浮かんだのがカルロス・ジョーンズ司令でしたので、第1話からざっくりと読み直してみました。

確かに、カルロスには左手小指に指輪をしている描写があります。ただ、全く同じ指輪であると断言はできそうにありませんでした。また、ポケットに手を突っ込んでいたり、見えていなかったりして、指輪を確認できないシーンもあります。状況に応じて、つけたり外したりしている可能性もありますが、少し考えにくいでしょうか。

果たして、第5話最終ページで銃を手にしていたのはカルロスなのか。彼がマヤを殺害したのか。もしそうだとしたら、それを知っている(覚えていないかもしれない)リンネはリンネで、何を目指してカルロスと今も対峙しているのか。答えは今後の展開を待ちたいと思います。

余談ですが、セイレーネスの襲撃前、ユウは毎度毎度リンネの幻を見ています。しかも、どうやら未来の幻を見ているようです。第1話では崩壊する地球、第4話では知性の繭でしたね。ユウの見る幻とリンネ、セイレーネスはどう関わるのか、そして、ユウの乗るマーク6とは一体何なのか。今後、こちらにも注目したいですね。