ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

西暦2021年の『宇宙戦艦ヤマト』展望

こんにちは。ymtetcです。本年もよろしくお願いします。

今年はたくさんの『宇宙戦艦ヤマト』新作が登場します。そして、業界で最も有名な(?)『宇宙戦艦ヤマト』ファンである”彼”の新作も登場します。しかもその中身は……?

西暦2021年のブログは前向きな、希望のある内容で始めましょう。

〇『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』

西暦2021年1月15日。映画『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』が公開されます。既に2週間後に迫っていますね。

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『ヤマトという時代』は、福井晴敏さんの構成による「『2202』の総集編」。さらに『2199』前史と『2199』を加え、リメイク版『宇宙戦艦ヤマト』の世界観を2時間に凝縮したものとして作られています。

キーワードは「宇宙」と「人類」。作風の異なる『2199』と『2202』を、どのようにして一本の映画の中で描くのか? 『2202』中核スタッフの福井さんが『2199』をどう解釈するのか? 皆川さん・玉盛さん他による考証の成果や如何に? そして、これからの『宇宙戦艦ヤマト』がとる作風とは? ……

見どころは尽きません。まだリメイク版『宇宙戦艦ヤマト』を知らぬ層から、リメイク版『宇宙戦艦ヤマト』にどっぷりと浸かってきた私のような人々まで。本作は理論上、どんな人が見ても楽しめるように作られています。興味を持ったなら、観ない理由はありません。一人でも多くの人に届く……いえ、まずは「届いてほしい」と思えるような映画であることを願い、期待しています。

〇『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』

西暦2021年。映画『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』(監督:安田賢司、シリーズ構成:福井晴敏)が公開予定です。

『2205』は、映画『ヤマトという時代』の続編。『2199』と『2202』に連なる、リメイク版『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの最新作です。

あまりの情報の少なさに、一時は頓挫の噂もささやかれた『2205』。

前回の『ヤマトマガジン』で、既にアフレコ段階まで制作が進行していることが明かされました*1。まだまだ予断を許しませんが、ひとまずは安心しました。

『2205』は、公開形式も未だによく分かっていません。どうやら「映画」であるらしい、ということだけ。

いずれにせよ、アフレコが行われているということは少なくとも絵コンテが完成している、ということになります。であれば、数カットを先行して完成させることで「特報」を作ることも不可能ではありません。『2202』の2016年9月版の「特報」レベルなら十分可能だと思います。

youtu.be

『ヤマトという時代』のラストに『2205』の特報がついている可能性は高いと考えています。『ヤマトという時代』は未だに主題歌が何なのかも不明な状況ですが、エンドロールの後まで見逃せない映画になるかもしれませんね。

さて、次はいきなり番外編です。

〇番外編:『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』

西暦2021年1月23日。最も著名な『宇宙戦艦ヤマト』ファンの一人であろう、庵野秀明監督の最新作『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』が公開されます。

この『シンエヴァ』については、以前から艦隊戦があるという話があります。

eva-fan.com

このブログ記事によれば、2013年6月、庵野さんは「2199に足りない」艦隊戦を『シンエヴァ』に盛り込む、と述べたようです。

前作『エヴァQ』で庵野さんは、かつて自身が『宇宙戦艦ヤマト』オマージュを行った『ふしぎの海のナディア』をセルフオマージュする、というやや遠回しな形で『宇宙戦艦ヤマト』をオマージュしました。背景には『2199』への不満があった……などと囁かれていますが、真相は定かではありません。なお、庵野監督の『2199』への小言(?)は、庵野さんと出渕さんの二人の関係性あっての「ご愛敬」的やり取りであることに留意していただきたいと思います。

しかし、庵野さんが『シンエヴァ』に艦隊戦を、それも『宇宙戦艦ヤマト』を多少なりとも意識したであろう艦隊戦を盛り込むという話は興味深いです。

しかも実際、『シンエヴァ』予告編には、艦隊戦を予感させるカットがいくつか登場しています。

(1:00、1:13あたり)

youtu.be

庵野演出による艦隊戦の描写に期待がかかります。

〇『宇宙戦艦ヤマトNEXT スターブレイザーズΛ』

『ヤマトという時代』は、何事もなければ1月に公開され、終わります。そして『2205』は、何事もなければ夏までには公開されているでしょう(劇場版の形をとるとすれば、もう少し遅くなる可能性はありますが)。

『2205』が単発映画なのだとすれば、今年のアニメ『宇宙戦艦ヤマト』はそこで終わりの可能性も出てきます。その後の『宇宙戦艦ヤマト』を支えるものは一体何か……。それを考えますと、やはり今年も『Λ』に期待がかかります。『Λ』は今年も、コンテンツとしての『宇宙戦艦ヤマト』をしっかりと支える存在になりそうです。

西暦2021年1月8日に、「第9話」が公開される『Λ』。

『Λ』の物語は当初、全26話のアニメーション用脚本として書かれたといいます*2。月一回の更新でアニメ換算何話分の物語を展開しているのかは不明ですが(当初の脚本とは変更された部分も多いでしょうし)、『Λ』には今年いっぱい楽しませてもらえそうです。

comic.webnewtype.com

確認してみると、第一話以外に「【特別公開中】」の文字が付けられています。単行本の発売が近いのかもしれませんね。

〇『アクエリアスアルゴリズム』続編

アクエリアスアルゴリズム』の続編が作られることになりました*3。より『復活篇』に近い時期の物語を描くことになるようです。

前回の記事でもちらっと触れましたが、『アクエリアスアルゴリズム』は「宇宙戦艦ヤマト」の記憶と向き合う物語だったと思います。古代が「宇宙戦艦ヤマト」に向き合い、人々が「宇宙戦艦ヤマト」に向き合う。そして、その存在を思い出す物語です。

西暦2220年にヤマトが再建され、古代進艦長のもと発進する。『復活篇』の筋書きは、『完結編』の続編としてはごくごく当たり前なものでした。ここに、どのような深みを作り出すことができるのか。小林や天馬兄弟が、再建されていく「宇宙戦艦ヤマト」とどう向き合うのか。『アクエリアスアルゴリズム』でも十分に作り出せている深みに、更なる新要素を加える物語になりそうです。

より『復活篇』と結びついていくであろう、新たな物語に期待したいと思います。

〇個人的なテーマ

昨年は『宇宙戦艦ヤマト』の主戦場であるアニメーションの新作が登場しなかったため、既存の『宇宙戦艦ヤマト』を「考える」機会の多い一年でした。もちろん今年も、『宇宙戦艦ヤマト』を「考え」、面白がっていけたらいいと思います。

でも、それ以上に今年は『宇宙戦艦ヤマト』を「楽しむ」一年にしようと思っています。これまでのように「考える」ことを「楽しむ」だけではなく、『宇宙戦艦ヤマト』そのものを「楽しむ」一年にしたい。

今日取り上げた作品群は、言ってしまえば、どれも私(だけではありませんが)を楽しませようとして登場してくるものです(笑)。だったら、精一杯楽しんでやろうと思います。

これだけの新作が登場することに感謝しつつ、さらに『宇宙戦艦ヤマト』の充実した一年になることを祈って、西暦2021年最初の記事にします。

改めまして、本年もよろしくお願いいたします。

*1:『STAR BLAZERS ヤマトマガジン 9号』(株式会社ヤマトクルー、2020年)5頁。

*2:『STAR BLAZERS ヤマトマガジン 7号』(株式会社ヤマトクルー、2020年)30頁。

*3:『STAR BLAZERS ヤマトマガジン 9号』(株式会社ヤマトクルー、2020年)52頁。