こんにちは。ymtetcです。
〇映画『ヤマトという時代』延期
映画『ヤマトという時代』の公開が延期となりました。社会の状況、制限下で公開するメリットとデメリットを総合的に考えた結果でしょう。
この時間が、今後に向けて意味のあるものであることを願います。そして、『宇宙戦艦ヤマト』の未来が確かなものであることも。延期延期で、資金面が少し心配ですね。私たちも『宇宙戦艦ヤマト』も、この危機を生き延びていきたいものです。
さて、『スターブレイザーズΛ』第9話が公開されました。これまでの流れに変化をつける回でしたが、これまでの流れを踏襲している部分もあり、今後が楽しみになりました。
今回も、前回と同じく、内容整理、コメント、感想の順に整理していきます。ただ、今日は作業時間の関係上、内容整理にとどめておきます。ご了承ください。
〇内容整理
第9話では「AI艦隊着任問題」が持ち上がりました。
トップネスの命を守る「人道的措置」のようですが、AI艦隊の出来如何によってはトップネスの存在意義が問われます。ヒューゴーはトップネスとしてのプライドでこれに応じ、アイシャは「いのちの重さ」の観点から「人道的措置」に対する違和感を口にします。
トップネスの存在意義が問われるということは、ナーフディス解散の可能性が浮上したことを示しています。地球に戻りたくないユウは絶望します。そんなユウに対して、レインが「死んでもお前を守る」と告げます。リンネはそれを遠くから見つめています。
AI艦隊の立役者はスタン・フォリアント博士でした。セイレーネスとニルヴァーナの謎を追うアレクセイの友人(後述)であるからか、スタン博士もまたニルヴァーナの存在に気づいています。そしてスタン博士は、カルロスの地位に対する野心を隠そうとしていません。ただ、ここはスタン博士なりの駆け引きかもしれません。
AI艦隊の着任に反応したのはトップネスたちだけではありませんでした。ヴィマーナで働いてきたAI、ミフネたちもAI艦隊の着任に興味を示しています。「人道的措置」に違和感を覚えているのは、ミフネたちも同じ。ミフネたちは「自我」を持っていると言います。「自我」を持つ存在を無下に破壊していいはずがない……そんな議論は、AI艦隊の「自我」にまで及びました。ミフネいわく、AI艦隊が「意志決定」をするならば、感情も「自我」もそこにある……と。また、ミフネが他のAIとの心的接触を固く禁じられている(というより、ヒトがAI同士の心的接触を警戒している)ことも明かされました。
スタン博士の存在にやや動揺を見せたのがニルヴァーナです。ニルヴァーナの存在に気づいているらしいスタン博士は、面白い存在ではないでしょう。ですが、セス議長は「時空結晶体のオリジナル」を重視しており、落ち着いています。それさえあれば、ニルヴァーナの「シナリオ」は遂行可能だというのです。セイレーネスを誰が迎撃するのかは、必ずしも重要ではないようです。
スタン博士とアレクセイは友人のようで、二人は親し気に会話を交わします。二人の会話の中では、ニルヴァーナが「6年前の事故」以前にセイレーネスの存在を知っていたことに話題が及びました。
なお、「不可知論者」とは「超経験的なものの存在や本質は認識不可能であるとする哲学上の立場」……わからないことについては何とも言えない、という感じですかね? 「怪力乱神を語らず」とは、「道理に背いたことや人知を超えたものについては語らない」……こちらも、わからないことについては何とも言えない、という感じでしょうか(笑)。
物語はアイシャとミフネの会話に続きます。アイシャはミフネに「AI艦に乗るな」と言います。彼女は「いのち」を自ら捨てることに強く反対しています。一コマ、彼女の過去がインサートされていますね。冒頭でアイシャは「危険なミッションだとしても私は人の命を守りたい」と述べています。アイシャは生きて誰かの命を守ることにこだわりを持っているのかもしれません。
吾嬬竜孝『宇宙戦艦ヤマトNEXT スターブレイザーズΛ』第9話「そのいのち」
いつもより遅いタイトルコールがあって、物語はユウの夢に続きます。いつものように、セイレーネス襲来の前兆でした。予知夢なのでしょうか。「トップネスの生死は問わない」とのセリフに、今回のテーマ「いのち」が反映されていますね。
ついに始まったAI艦隊とセイレーネスの戦いは、「人道」とは遥かにかけ離れた戦い方でした。「ノビチョク」とはロシアの毒ガスだそうで……
「ノビチョク(новичок)」とはロシア語で「新参者」「新入り」「新人」という意味で、その名の通り、この化学兵器はロシアが開発した最新の神経剤です。厳密には、その開発はソ連時代の1980年代前後にまでさかのぼり、「フォリアント」と呼ばれる化学兵器開発計画の一環として生まれました。
こんなところでスタン博士のファミリーネーム「フォリアント」に戻ってきます。思えば、アレクセイもロシア名でしたね。
そんな「非人道的」攻撃でセイレーネスは沈黙。倒せているのかどうかは少し分かりませんが、戦闘は終結したようです。ですがここで、AI艦隊が反乱。次の攻撃目標はヴィマーナ……やはり、彼らは「自我」を持っていたのか――。
というところで、今回は終わりでした。これまでの『Λ』の流れに変化を付ける存在として、AI艦隊が登場してきましたね。ただその中でも、これまでの『Λ』が持っていた奇数回の特徴はしっかりと出ていました。また、場面とキャラクターを行ったり来たりさせながら、一つのテーマで筋道を通してもいました。『Λ』の良さが出た回だと思います。それが少しでも伝わる整理ができていれば嬉しいです。