こんにちは。ymtetcです。
サブスク主要サービスにおける『ヤマト2199』『ヤマト2202』の配信がスタートしました。既にサービスに加入している人ならば追加料金なしで、『2199』『2202』の各26話が楽しめる時代がやってきました。
それに伴って、Twitterでは『2199』悲壮感論争が蒸し返されたり、意外に悪くない『2202』の評価が出てきたりと、新たな動きも見えてきています。そこで今日は、『2199』と『2202』に関する新しい動きについて、考えていきましょう。
〇SNS時代を迎えた『2199』
『2199』は、厳密に言えばSNS時代の作品ではありません。私が記憶している限り、『2199』の頃のSNSはどこか牧歌的で、ことにTwitterは『2199』礼賛の方が多かったのではないでしょうか。
ところが今はSNS時代。今日もどこかで誰かが炎上しています。そこで改めて『2199』が話題のメーンにのぼるとなれば、やはり多種多様な議論が噴出するものです。今回蒸し返された形になった「悲壮感」論争も、この数年間、SNSをやりながら『2199』に対して無関心だった層が、再び『2199』を話題として取り上げたに過ぎないのです。
とはいえ、改めて議論の対象になるのはいいことなのかなと思います。
悲壮感論争については、ひとまずの仮説をこちらの記事で提示しています。これからも、議論を深めていきたいですね。
〇負のスパイラルから脱した『2202』
一方、『2202』はSNS時代の作品でした。作り手もまたSNSをやっていたこともあって、その評価は必ずしも作品の出来そのもののみならず、作り手のファンに対する姿勢の側面にまで及びました。
『2202』公開時と現在の違いは、「ヤマト2202が嫌われるスパイラル」から作品が離脱している点にあります。
この記事は『ヤマト2202』が必ずしも高く評価されない理由をすべて網羅したものではありませんが、その理由の一部分を指摘することはできていたと思います。すなわち、
- スッキリ終わらない各章ラスト
- 『2199』には及ばない本編のクオリティ
- 『2199』以上の公開間隔の長さ
- あるスタッフのツイッター
です。この4つがスパイラル状に絡み合うことによって、『2202』の評価は一部において低いものとなってしまったと考えます。
ところが現在ならば、このスパイラルは存在しません。連続視聴の可能な配信サービスにおいて、各章のラストがスッキリと終わるかどうかは関係ありません。公開間隔だって思いのまま。唯一引っかかるのがクオリティですが、そこは正当に評価されればいいのかなと思います。
何より大きいのが、あるスタッフのツイッターの問題でしょう。『2202』リアルタイム時、一部ではある種の戦争状態でした。あるアカウントが批判意見を投稿すれば、スタッフが反論してブロックして、それでさらに批判意見が出て……作品の評価そのもの以上に、あるスタッフの評価が先行してしまう傾向さえありました。
今のところ、サブスク開始後の『2202』において、あの頃のような問題は起きていないようです。時間の経過が『2202』を負のスパイラルから離脱させてくれたのだとすれば、今から初見で物語を楽しむ人々は、私たちの頃よりもさらに純粋に、作品の出来不出来で評価を下してくれるのではないかと期待しています。
〇素朴な感想こそ
以前も書いたように、私が一番期待しているのはアニメファンへの『2199』『2202』の拡大です。良くも悪くも現代アニメを目指した『2199』と、良くも悪くも現代アニメを目指さなかった『2202』が、現代アニメ、特にこのサブスク時代のファンの目にどう映るのかは興味があります。彼ら彼女らの素朴な感想を読んでみたいですね。
ただ、私もしばしば他作品で陥るのですが、作品を観ようとした時に「全26話」「前24話」などと書かれていると、尻込みをしてしまいます。2クールで完結する作品は、やはり今は少し面倒に感じるのです。その点は、今後テレビシリーズで『ヤマト』を作る際にも考えておきたい部分だと思いますね。