ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

【ついに公開】映画『ヤマトという時代』を予習しよう!

こんにちは。ymtetcです。


www.youtube.com

ついに公開を明日11日に控えた映画『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』。 

今日は、私なりに「これまでの『ヤマトという時代』情報」を並べてみることで、私自身、映画に向けた予習をしておきたいと思います。なお、先入観を持たずに映画を楽しみたい、という方には今回の記事はおすすめできません。

〇映画『ヤマトという時代』とは

・基本情報

原作:西﨑義展/製作総指揮・著作総監修:西﨑彰司
構成・監修:福井晴敏/ディレクター:佐藤敦紀
脚本:皆川ゆか福井晴敏/脚本協力:岡 秀樹
設定アドバイザー:玉盛順一朗/新作パート絵コンテ・作画:麻宮騎亜/演出:内沼菜摘/キャラクター作画監督前田明寿美術監督野村正信・堀越由美/美術設定:青木 薫/色指定・検査:福谷直樹/撮影監督:青木 隆/CGディレクター:上地正祐
音楽:宮川彬良・宮川 泰/音響監督:吉田知弘/オリジナルサウンドエフェクト:柏原 満/音響効果:西村睦弘

アニメーション制作:studio MOTHER

・映画のコンセプト

  • フェイクドキュメンタリー(福井さん)
  • 2205年のNHKスペシャル(福井さん)
  • 「誰が、何をしたのか?」という人間のドラマを根幹に置いて作っている(福井さん)
  • キャラクターたちを「キャラクター」というくびきから外して「そこにいる人間」という風にした(福井さん)
  • 『2199』も『2202』も作品としてあって、それを別の形からみると新しい魅力が出てくるのが今回の総集編(皆川さん)

・映画の進行役

  • 真田が関係者としてインタビューを受ける(福井さん)
  • 軍服を着用した将校として、真面目に質問を受けたり解説をしたりしている(福井さん)

・映画と『ヤマト2205』との関係

  • 『2205』を観る前の「おさらい」(福井さん)
  • これから先に作るシリーズをスグに観れる昇降階段(福井さん)
  • リメイク未見のヤマトファンにも世界観が理解できる作品(福井さん)
  • 観れば、きっと『2205』にも興味を持ってもらえるはず(福井さん)

〇映画『ヤマトという時代』のターゲット層

  • 意識をしているのは、これまでリメイクシリーズに触れることがなかったかつてのヤマトファン(福井さん)
  • まだ、ブームの頃の熱量は取り戻していない。まだ観てない人は大勢いるので、そういう人に向けて作りました(福井さん)
  • コアファンにも喜んでもらう(福井さん)

〇映画『ヤマトという時代』の新作要素

・第二次火星沖海戦

  • 「こんなはずじゃなかった!」くらいに手間をかけた(福井さん)
  • 『2199』風のディテールアップ(麻宮さん)
  • エフェクトカットが多かった(麻宮さん)
  • 『2199』の時よりもさらに作り込みをして、地球艦隊がリメイクシリーズの中でも一番カッコよく仕上がったかな? と思っている(青木さん)
  • 「第二次火星沖海戦」があることで、やっと『2199』の最初につながったという気持ち(青木さん)

アポロ計画

  • 離陸シーンはすごい映像を作ってくれた(福井さん)
  • 人々はそれまで地球にしかいないと思っていた知的生命体に次々に遭遇し、戸惑いながらも変化していく。そのきっかけになるのがアポロ計画(福井さん)

戦艦大和の復元

  • 使われている材質は違っても戦艦大和のネジ一本でもヤマトに取り入れられている(福井さん)
  • 戦艦大和は沖縄に行けなかったけど、ヤマトはイスカンダルに行って帰ってくる。そこを大切にしたかった(皆川さん)

〇映画『ヤマトという時代』の設定考証

・皆川さんと玉盛さんが担当

  • 新旧両シリーズをあわせた時系列のつじつま合わせ(福井さん)
  • 日付レベルで細かく考証(福井さん)
  • 玉盛さんや岡さんと膝詰めで話し合って、いろいろ検証したり新しいものを盛り込んだりした(皆川さん)
  • 設定の検証や煮詰めについて、軽々しく決めた部分は一切ない(岡さん)

・福井さんの想い

  • 『2199』は、スタッフが綿密に世界を作ってくれています。それも分かるようにしたかった(福井さん)

〇映画『ヤマトという時代』のテーマ

真田志郎の物語として

  • 「コミュニケーションの話にしたい」(福井さん)
  • 真田という人間を介してみた古代兄弟の話(皆川さん)
  • 映画の『2199』パートでは真田と古代守の関係を中心に、『2202』パートでは人間として大きく成長した真田から見た古代進を描く(福井さん)
  • 真田を真ん中に据えて古代進の成長を客観的に描く一方、古代進によって真田が人間的な成長を遂げていく物語でもある(皆川さん)
  • 航海を通じて自分の心の傷と向き合い、それを克服していく。その過程が『2199』ではしっかりと描かれていた。真田は自分のなかに古代守という大きな「心の傷」を抱えたままヤマトに乗り込む(福井さん)
  • 人と関わることが苦手だった真田はヤマトの航海で変わっていった(皆川さん)
  • 『2202』最終話の演説も、『2199』の真田なくしてはあり得ない(福井さん)
  • 否応なく異星人と関わることになった人類、その時代を真田さんの目を通すことで描きたい(皆川さん)
  • クライマックスは《銀河》AIと真田さんの対話。「お前には聞いていない」というあの一言に真田の葛藤が集約されている。そこから生まれる真田さんの内面の変化にあわせて、藤堂早紀も変わっていく(皆川さん)

・地球人類の物語として

  • 「コミュニケーションの話にしたい」(福井さん)
  • 人々はそれまで地球にしかいないと思っていた知的生命体に次々に遭遇し、戸惑いながらも変化していく(福井さん)
  • 遠い未来、異星文明と出会い地球人類はまた一つ成長する(玉盛さん)
  • 「人が宇宙に出た意義」を引いた視点で再吟味(公式イントロダクション)

〇映画『ヤマトという時代』の音楽

  • 「このシーンはこの曲で乗り切る!」と、音楽を基準に考えた(福井さん)
  • 『2199』でのヤマト発進シーンは新録版「艦隊集結」で(福井さん、佐藤さん)
  • クライマックスで「Great Harmony」のボーカルバージョンを使った(佐藤さん)

〇おわりに

お疲れさまでした。

情報をまとめてみると、『マガジン』で真田特集が組まれたこともあって、真田の情報が多くなっています。ただ、最近公開されているインタビューでも真田への言及が多いことを考えると、私の想像以上に本作は「真田志郎の物語」でもあるのでしょう。

私が映画『ヤマトという時代』で注目したいのは、以下の4つです。

  • 『2205』との関係はどうか
  • 社会を描くドキュメンタリーとして、どうか
  • 戦艦大和の復元に説得力ある理由づけはあるのか
  • 『2199』との関係はどうか

私は、『ヤマトという時代』は(未見の人々をターゲットにすると同時に)新しい『2205』の物語に向けて、『2199』と『2202』の間に生じたギャップの解消を狙った作品であるとも考えています。そこで注目したいのが、いったい何を軸に本作が『2199』と『2202』をまとめあげるのか、です。上述の情報では「コミュニケーション」が一つのキーワードになっていますね。

そして私は文系人間ですので、歴史や社会を取り扱ったドキュメンタリー風の映画として、そのリアリティの有無についても注目したいです。

中でも戦艦大和の復元は、現代社会の価値観ではやや考えられない行動です。それがなぜ、西暦2145年に行われたのか。そのことは注目して観たいと思います。

最後に、『2199』との関係です。『2199』を映画の中で取り扱うとあって、『ヤマトという時代』のインタビューでは『2199』への言及がたくさんありました。中でも、福井さんによる『2199』リスペクトの発言が『2202』時代よりもはるかに増えたことが、『2199』ファンの私にとっては喜ばしくもありました。メカニック描写についても『2199』へのリスペクトを持った方針がとられているようですから、『2199』ファンに追い風が吹いていることは確かだと思います。

しかし本作のやり方は、『2199』に参加していなかった福井さんが『2199』を独自に解釈することでもあります。『2199』との関係は不安な部分も含めて、注目したいポイントです。

 

さて、今回の総集編映画のアプローチは、既に福井さんがガンダムでやっていたアプローチを応用したものであることが最近のインタビューで明かされました。


www.youtube.com

この動画には肯定的な意見が多く見受けられますが、一部のファンからは否定的な意見も出ているようです。それはひとえに福井さんが「一つの物語」としてシリーズを丁寧にまとめている一方、そこに福井さんの独自解釈が深く入り込んでいるためだと考えます。

映画『ヤマトという時代』も、『2199』ファンや『2202』ファンからの批判は避けられないでしょう。しかしそれと同時に「福井晴敏の映画」として、一つのまとまりをもったストーリーが作られているのではないでしょうか。賛否両論にはなると思いますが、願わくば、賛の方が圧倒的に多い映画であって欲しいですね。