ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

ヤマト・コミックの現状とこれからを考える

こんにちは。ymtetcです。

私はもともと漫画を読む習慣がありませんが、『スターブレイザーズΛ』をきっかけとして、漫画について考える機会が増えました。ただ、少し考えてみると、現在の『宇宙戦艦ヤマト』関連コミック(以下ヤマト・コミックと呼称)は、やや厳しい状況に置かれていると言えます。

今日は、ヤマト・コミックが苦戦する要因と、これからについて考えていきたいと思います。

現在進行中のヤマト・コミックは、『2199』コミカライズと『スターブレイザーズΛ』ですが、『2199』コミカライズはここ数年動きが見られず、2年前に始まった『スターブレイザーズΛ』の話題性も、期待していたほどではありません。『2199』コミカライズについては「大人の事情」も絡んでいるとの噂がありますが、いずれにせよ、決して順風満帆とは言えないのが現状です。

では、なぜヤマト・コミックは成功しづらいのか。

ヤマト・コミックが難しいのは、主力となるべき観客層のヤマトファンに、漫画を読む習慣がない点でしょう。現在のヤマトファンの大半はアニメの『ヤマト』ファンであり、その内容の良し悪しに関わらず、漫画という公開形態を選んだ時点で、話題性はかなり劣ってしまうのです。

では新規層となるべき若者世代はどうでしょうか。若者世代に対する影響力もまた、厳しいと言えます。なぜなら若者世代にとって漫画とは日常の一部、さらに言えば、ジャンクフードとしての側面が強いからです。これは「おかゆ」的作風を避ける傾向にある『ヤマト』シリーズとは馴染みません。

若者世代に触れると、彼らの多くが、よくテレビやインターネットで広告される、無料漫画アプリを利用して漫画を読んでいることに気付かされます(場合によっては海賊版サイトを利用していることもあります)。このような環境に、硬派でクオリティ・ディテール重視の『宇宙戦艦ヤマト』シリーズが入る余地があるかといえば、ありません。

 

すなわち、『ヤマト』界隈におけるコミックの存在感も、漫画界隈における『ヤマト』の存在感も決して高くない、むしろ低い状況であるために、ヤマト・コミックはスタートから厳しい環境に置かれるのです。ヤマト・コミックの現状は、何も個別の作品だけが責任を負うものではありません。

 

そこでこれからは、地道な努力が欠かせないと考えます。

例えば、ヤマト・コミックの作品そのものを多様化・多作化させてはどうでしょうか。現在ヤマトにとってコミックは、コンテンツを多様化させるための手段の一つになっています。「アニメだけではなく漫画でも新作を展開する!」といった形で。

そうではなく、それをさらに押し進めて、ヤマト・コミックそのものを多様化させるのです。ある時はヤマトマガジンで、ある時はネットで。毎週更新から月1更新、読み切りまで。硬派なものから「おかゆ」まで。さまざまな作品を継続的に展開することで、ヤマトファンに「漫画を読む習慣」をつけることもできるのではないでしょうか。

そして、少なからず漫画界に『宇宙戦艦ヤマト』の影響力を残し続けることは、直接的な効果はなくとも、『ヤマト』の今後の発展の下地を作ってくれる可能性はあります。その点から言っても、継続的に、ヤマト・コミックを展開していくことが重要だと考えます。