ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

【ヤマト3199】ミリタリーは『2202』路線に回帰?

こんにちは。ymtetcです。

今日は、昨今の国際情勢とリメイク・ヤマトについて、ミリタリー描写の側面から考えていきます。

〇戦闘はタブーではなさそう

2月以来続く昨今の国際情勢で、やはり憂慮されるのは、戦いを描くフィクション作品への影響です。

しかし、この情勢の中でも『ガンダム』の新作は公開されるようです。ここから、いわゆる「人型兵器」ものはあまり影響を受けないこと、そして戦闘そのものはタブーではないことが推測できます。

〇リアル路線だとどうか

一方具体的な状況はまだ出て来ていませんが、やはりリアルな陸戦物に関しては影響を受けるのではないかと思われます。例えば『ガルパン』は、ロシア(ソ連)モデルの学校が登場することを差し引いても、昨今の情勢に気を使わなければならなくなる世間体の観点からすれば、難しい状況に置かれていると考えるのが妥当でしょう。

〇リアル路線の『2199』とオブラートに包んだ『2202』

さて、振り返ってみればリメイク・ヤマトは、『2199』では海上自衛隊の要素を取り入れて、よりリアルなミリタリー描写を目指しました。

一方、『2202』はミリタリー描写についてはリアル路線から距離をとりました。象徴的なのが、ガトランティスの陸戦を司るニードルスレイブであり、またザバイバルが操る戦車をリアルな戦車ではなく戦艦を改装した形にしたことです。この変化により、リアルな陸戦の描写はありませんでした。

この点について、『2202』副監督の小林さんは、プロデューサーから「実際の戦争が起きたらアウトだ」として、ミリタリー色を排除するように注文があったことを明かしています。

〇『2205』以降のリメイク・ヤマト

『2205』では、『2199』のようなリアル路線への若干の回帰が見られました。冒頭のボラー連邦の描写などは、かなりそれっぽく占領地の様子を描いていました。その点が、『2202』に不満を持っていた『2199』系のファンからは、ある程度好感をもって評価されたのも事実です。

ですが、今のこの状況となっては難しいものがあります。『2205』のような匂わせの描写ならギリギリ不可能ではないかもしれませんが、少なくともリアルな陸戦の描写は、難しいのではないかと推測されます。

『3199』も、本来は『2205』のような『2199』寄りの路線であったことでしょう。ですがこの状況であれば、また、『2202』の時に「実際の戦争が起きたらアウトだから」とミリタリー色を排除させた製作陣であれば、『3199』が作られたとしても、『2202』のような路線になっている可能性が高いのではないかと考えます。

『ヤマト』にとって、最悪の状況を回避したと言えるのが、まだ『3199』がスタートしていなかったことです。もしスタートした中でこの状況に陥ったなら、軌道修正も難しく、かといって制作停止は予算の回収上難しい……という詰みの状況に陥ります。

その意味で、リスク回避をしておく『2202』路線の一定のメリットが、不健全な形とは言え明らかになったのが、今回の出来事であったと言えるかもしれません。