ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

「おすすめしにくい」リメイク・ヤマト

こんにちは。ymtetcです。

『ヤマト3199』を控えている2024年。上映館数はリメイクシリーズの「非劇場版」作品としては最多であり、ファン層拡大への期待も膨らむ……

と言いたいところですが、私はそうは思えないのが現状です。

なぜなら、リメイク・ヤマトはとにかく作風が安定しないのです。

 

「第一作の現代風リメイク」から始まり、徐々に「出渕ヤマト」としての色彩を濃くしていった、『2199』と『星巡る方舟』。

福井さん、羽原さん、小林さんと「船頭多くして船山に上る」状態で、混乱を隠せなかった『2202』。

「福井ヤマト」としての高い完成度を持ちながら、『2199』へのリスペクトも見え隠れする『2205』。

 

リメイク・ヤマトの作風は、作品ごとに異なります。そのためリメイク・ヤマトは、今とても「おすすめしにくい」作品になっているのです。

例えば『2199』を好きになったとして、『2202』を好きになるとは限らない。

『2202』を好きになったとして。『2205』を好きになったとして。

『2199』ファンを増やすことは、『2202』アンチを増やすことにつながるかもしれない。『2202』ファンを増やすことは、『2199』ファンの敵を増やすことにつながるかもしれない。

作品ごとに作風が異なることで、リメイク・ヤマトは純粋に「シリーズ」として楽しめる作品ではなくなっています。そこに、どうやって新規ファンを呼ぶのでしょうか。

もしも出渕さんが「『2199』の続編」を作っていたら。もしも『2202』が、初めから『2205』のような作風をとれていたら。

リメイク・ヤマトは「いつでも他人におすすめできる」作品になっていたはず。

そうならなかったのは、仕方がないこととはいえ、少し残念ですね。

 

とはいえ、上映館数が増えたことで、『3199』は「観たい人」に確実に届く作品となりました。また、脚本段階での作り手の自信も、この判断には見え隠れしています。

ファン層拡大には期待できないとしても、既存ファンの我々としては、とても楽しみにできる作品であることは間違いありませんね。