こんにちは。ymtetcです。
私は『完結編』の冒頭が大好きですが、それは「途中から始まる」ところにワクワクしているからです。今日はこの「途中から始まる導入」について、考えていきます。
最近、『スターウォーズ』のスピンオフであるテレビシリーズ『クローンウォーズ』にハマっているのですが、これも『完結編』の導入によく似ています。『クローンウォーズ』は、毎回必ず何らかのトラブルが起きている状態から始まります。冒頭のナレーションでは、そのトラブルの内容と、それに対して組織やキャラクターがどのような判断を下しているのかが語られます。まさに『完結編』の冒頭、「地球防衛軍は宇宙戦艦ヤマトを~」のくだりと同じです。
『ヤマト』は冒頭でヤマトが飛んでいることの少ない作品です。例外は『2』と『完結編』ですが、銀河に危機が訪れて、ヤマトが調査航海に旅立つという一連の場面の途中から始まる『完結編』のテンポ感には、とてもワクワクさせられました。その任務の途中敗北を喫したヤマトが、再び立て直して新たな任務に旅立つ構成は、アメリカ映画的でもありますね。
さて、濃密な福井脚本を映像化するには、テンポの良さが必要です。安田監督の演出はそこにフィットしましたが、さらに脚本が濃密になる可能性もあります。ならば、このような手法でテンポアップを図るのも、悪くはないのではないでしょうか。
本来の『ヤマト』のスタイルなら、次回作はガルマン・ガミラスの建国や土門のその後など、ある程度丁寧に見せていくことが要求されるでしょう。ですが例えば、冒頭の時点でガルマン・ガミラスが建国されていて、既にボラー連邦と戦争状態にあり、地球がそれに対してどんなスタンスをとっているかを示しても良いと思います。そうすればテンポアップもできますし、何より、私がとてもワクワクするからです。