ymtetcのブログ

偶数日に『宇宙戦艦ヤマト』を考えるブログです。

【ヤマト2202】傑作の一つ・第5話

こんにちは。ymtetcです。

『ヤマト2202』で頭ひとつ抜けている回に第5話があります。過去記事でも取り上げましたが、『2199』と連続で観ていく中で、改めて考えてみたいと思います。

 

まず気になっていたのは、2199から連続で観て行った際に真琴がどう見えるか、です。

当時ファンの間ではさまざまな意見がありましたが、個人的に違和感はありませんでした。

ただし、彼女の置かれている状況があまりにも過酷。2199との状況のギャップは大きいです。

そんな中、真琴が「加藤を送り出す」一辺倒である点は気になりました。真琴もまたテレザートに呼ばれているクルーの一人ですが、真琴が「ヤマトに乗りたい」と思っているかどうか、本編からはなかなか読み取れないのです。

この点は、描写の危うさを感じました。

 

とにかくメカの描写が良いですね。

アンドロメダ空母のデザイン如何によっては、完全に『2205』と同じ評価を得られたのにな、と思いました。

 

さて、主題としては、第5話は完全に「沖田の息子」としての古代を描く回でした。

古代が沖田戦法をとって戦う様には胸が熱くなりますよね。また、沖田戦法には波動防壁が欠かせないが使えないので……と、旧作ネタを拾うあたりは奇跡的だなと思います。

ヤマトの旅が政治的な判断で追認されたことも、この頃の2202の政治サスペンス的な風味の中では有効かなと思いました。

いずれにせよ、ヤマトとアンドロメダが対決し、沖田のレリーフがヤマトにくるまでの一連の流れに、2199から引き継いだ古代と山南のドラマを位置付ける巧みさは見事です。

 

2202第5話から、2205第2話に引き継がれた要素が多いことに気づきました。

加藤の「父ちゃんの艦」は、今観ると結構泣けます。これは2202の功績ですね。小ネタ的には、翼の「父ちゃんのファルコン」も。

それにしても、2199と連続して2202を見ると、真琴には「報われてほしい」との情が湧いてきます。

 

総じて旧作ネタ、2199ネタのバランスがよく、その上でキーマンなどの福井さん風のドラマが加わっているのが第5話です。この路線がこのクオリティで続いていたなら、ファンの保守層には高評価だったでしょう。

この路線は概ね続くのですが、第8話Bパート以降はクオリティが下がっていき、それと同時にビジュアル面が2199からかけ離れていく……評価が難しい作品になりましたね。